横には綺麗な模様の付いた布が何枚か並べられている。
むき出しのままの菓子の箱を、サガは丁寧に(多少不器用に)布で包んではリボンでまとめていく。
『一体何をしているのだ』
尋ねたのは、サガの内部で目を覚ました黒サガだ。
表に出ている白いサガとは同一人物であるので、その疑問も脳内の記憶を探ればすぐに解けるのだが、二人は会話によって意思の疎通を図ることを好んだ。
隠し事などできぬ互いの、形式上のプライバシーの尊重ということもある。
白サガは手を休めぬまま半身へ答えた。
「ああ、星矢がな…日本ではバレンタインの日に親しいものへチョコを渡す風習があると言っていたのだ」
『ここはギリシアだが』
「星矢や女神は日本育ちだからな。このような風習であれば、たまには良かろう。日本のイベントはどうやら宗教行事とは離れているようだし、聖域に持ち込んでも問題あるまい」
そう言いながらサガはチョコの箱のひとつを手に取り、パカリとフタを開けた。
中には生チョコらしき四角形が並んでいる。
「お前にも買ってきてやったぞ」
『…!』
一瞬驚いて声の途切れた黒サガの前で、白サガはその生チョコを指に摘んでぱくりと口に放り込んだ。
「今日初めて生チョコというものを知ったのだが、とても美味いな」
指先についたカカオの粉も、舌で舐めて綺麗にしている。
『…お前…それは自分で食いたかっただけだろう』
呆れたような怒ったような声で返す黒サガへ、白サガはしれっと返してまたチョコを摘む。
「私はお前なのだろう?ならば同じ事だ」
『……』
ぱくぱく食べている白サガの手元に、それでも箱半分チョコが残されているのを見て、黒サガは複雑そうな小宇宙を残すと静かにサガの内面に沈んでいった。
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バレンタインにサガが村へ仕事で降りてくると、皆がサガに花や菓子を贈ろうと買うので、花屋と菓子屋が大繁盛!だからサガがその店でチョコや花を買おうとするとサービスして安くしてくれるよ!
…みたいな妄想甚だしいSSも書こうとしたのですが出勤前の短時間では無理でした。
他面子のバレンタイン話も妄想しっぱなしです。イベントはいいなあ!
そして本日も拍手を下さった皆様に御礼申し上げます!
LCで登場する三流神にモルペウスがいます。
まだ姿も技も出てきていないものの、wikiで見る限り原典では『王や英雄の夢に深く関わりがある』『夢や空想に人間のイメージを送り、夢を形作ったり、夢に宿るものたちに形を与えたりする』『オウィディウスの記述によれば、モルペウスは特別な力を持っていて、夢の中で人間の姿をまねる』ようです。
王や英雄の夢…という部分に相当ワクワクした駄目人間です!こう、黒サガに結びつけた捏造がしやすそうな気がしませんか(>▽<)ノ
拙宅でも妄想設定の1つに黒サガ=アーレスというのがありますが、サガの夢へ宿るモノ、本来は英雄や王であるべき形のものを、モルペウスが形を与えて歪めてしまったのが黒サガとか判りやすいアレな捏造でも二次妄想を作りやすそうです。
っていうか、本当に未だに気になっているのです。黒サガが現れた原因!
判らないからこそ妄想しがいがあるのかもしれませんが、いつか車田先生が描くかもしれない天界編で解き明かして下さらないかなあ!と淡い希望を胸に抱いているのでした。
ハーデス編でカノンが双児宮を守ったとき、サガに「どこまでもこのサガの真似をしでかすつもりか…」とか言われちゃうわけですが、カノンの側は双児宮守ってるのは自分だよってサガに教えたくてワザとそうしていたら可愛いな!
こんだけお前の真似が出来るのは自分しか居ない…と、遠く上宮から、もしかしたら直接は会えないかもしれない戦いの中で、一生懸命自分の生存をアピール。
どうもカノンはサガの前だと行動がつっぱっていたり(死語)、頑張っていたり、いろいろ可愛くなる気がしてならないです。
そんなわけでたまに黒サガ×カノンの波がきます。致さないので×マーク意味ないですが(汗)
いろいろ黒サガに翻弄されている格好良いカノンが書きたいですよう。
カノンに翻弄されている白サガも書きたいので、つまりは翻弄しあってるサガとカノンが書きたいということですか!
そんな双子をみたら蟹は、はいはい双子同士でなにやってんだ…とか遠い目で流しますよ。
ロス×サガの恋愛傾向 ←自傷+不倫+浮気のコンボ。フフフ…(涙)
それに比べてシュラ×黒サガの恋愛傾向ったら。
黒サガだけの恋愛傾向をみたら五股の傾向も出ましたよ。タフですね。
法衣で訓練すると、ひらひら布に隠れてニーキックが飛んだり、幻朧拳で布の影から二人分サガが見えて分身の術みたいな幻影見えたりしますよ!
連休のほうが忙しい職種なのが泣けます。
職種の第一変換が触手だったのにも泣けます。