星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
わあい(>▽<)今年もロス誕があるということで嬉しくて早速リンクを貼らせていただきました!キャラ誕企画をなさってくださる方には本当に感謝なのです。
ロス誕がくると、今年も終わりが近づいてきたなあって思います。サガもアイオロスや星矢の誕生日が近づくと「そろそろ年末年始の支度を始めねば」って思うようになれればいいな。13年間はそんなことよりも自分の罪を強く思い出す日が近づいてきたって感じになっちゃってると思うので…。
そして前々回双子話のオマケ
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カノンはパンを咥えながら海界へ向かった。
朝食代わりにパンを包んでやると言っていたくせに、シャワー室から戻った後もサガはカノンの寝台を占領したまま動かなかったので、食卓の籠皿にあったものを手掴みで持ってきた。別にそのまま出かけても良かったのだが、『テーブルに残っているパンを見たら、サガがそのことを気にするかもしれない』と思ったらパンを掴んでいた。食いながら、気にし過ぎなのは自分の方かもしれないと少しだけ思う。
(いや、それより、何なんだあれは)
自分のシーツに包まって、こちらを見上げてきたサガの顔を思い出したら、食っているパンの味など判らなくなってくる。あのときの空気は何だったのだろう。あんな状態のサガは珍しい。思わずのまれて『一緒に寝よう』などと言い出してしまったが、己の意志にかかわりなく、サガの望んだことばを紡がされたような気さえしてくる。いいわけのようだが、口が勝手に動いたのだ。
思い返すとまた顔が赤くなる。
(そもそも、一緒に寝てどうするというのだ)
昔語りだろうか。世間話だろうか。至近距離でサガの顔をみながら?
身体も触れ合うかもしれない。
どうしよう。
(どうしようじゃねえだろ、落ち着けオレ。昔はよく一緒に寝たろ。兄弟なんだからな。ミロやデスマスクとのだべり飲みで、同じ床にごろ寝なんてよくあるだろ、そうだ、あんなノリだ)
自分で誘っておいて、自分で動揺すること自体がおかしいと、カノンは強引に自分を納得させる。
しかし、その日は今ひとつ仕事に身の入らないカノンであった。
そのせいで簡単に終わる仕事が長引き、カノンが帰宮したのはいつもより2時間ほど遅い夜中となった。急ぎ足で十二宮の通路を歩き、双児宮のまえで深呼吸をする。
(…平常心でいくぞ)
出来るだけ普通を装って宮の中へ入ると、いつもならば寛いで待っているはずのサガが、心配そうな顔をして入り口に立っていた。
「おかえり、カノン…よかった、帰ってこないかと思った」
「な、なんだよ、そんなわけないだろう。ただいま」
サガは何も言わなかったが、何を心配したのかは必要以上に伝わってきた。昔のカノンは気に入らないことがあれば、夜に外へ出たまま帰らぬことが良くあった。
「その、誘ってくれたのは嬉しいが、もしかしたら後で嫌になったのかなと…」
サガが目を伏せたまま言う。ああああああ、とカノンは内心で頭を抱えた。平常心どころではない。朝より空気がおかしい。サガのこの反応が嬉しい自分も駄目な感じだ。
ふと目を室内へ向けると花が飾ってある。視線に気づいたサガが照れたように話した。
「折角一緒に寝るのだから、寝室に花でも飾ろうと思って…花束を買ってみたら多かったのでリビングにも置いたのだ」
…新婚、という単語が頭をよぎり、慌ててカノンはその思考を押し流す。いまのなし。
カノンが懸命に空気を正しい状態に戻そうと努力しているというのに、サガはそれを片端から無にしていく。
サガは少し顔を赤らめながら、嬉しさがにじみ出るような表情で視線を伏せる。
「その…お前の寝室と、わたしの寝室、どちらで寝てもいいように、布団は昼間のうちに干しておいた」
…何で弟のまえでそんな色気を見せるのだ兄よ。
いやいや、これを色気と思った時点でオレが負けている。どうしよう。
黙ってしまったカノンを心配して、サガが顔を覗き込んでくる。
何故自分が動揺しているのか考えたくも無くて、カノンは困ったように宮の天井を見上げた。
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超急いで書いたので粗が。またサイトへ移動のときに推敲します(>ω<)
今日もぱちぱちありがとうございます!毎日の潤いです!
ロス誕がくると、今年も終わりが近づいてきたなあって思います。サガもアイオロスや星矢の誕生日が近づくと「そろそろ年末年始の支度を始めねば」って思うようになれればいいな。13年間はそんなことよりも自分の罪を強く思い出す日が近づいてきたって感じになっちゃってると思うので…。
そして前々回双子話のオマケ
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カノンはパンを咥えながら海界へ向かった。
朝食代わりにパンを包んでやると言っていたくせに、シャワー室から戻った後もサガはカノンの寝台を占領したまま動かなかったので、食卓の籠皿にあったものを手掴みで持ってきた。別にそのまま出かけても良かったのだが、『テーブルに残っているパンを見たら、サガがそのことを気にするかもしれない』と思ったらパンを掴んでいた。食いながら、気にし過ぎなのは自分の方かもしれないと少しだけ思う。
(いや、それより、何なんだあれは)
自分のシーツに包まって、こちらを見上げてきたサガの顔を思い出したら、食っているパンの味など判らなくなってくる。あのときの空気は何だったのだろう。あんな状態のサガは珍しい。思わずのまれて『一緒に寝よう』などと言い出してしまったが、己の意志にかかわりなく、サガの望んだことばを紡がされたような気さえしてくる。いいわけのようだが、口が勝手に動いたのだ。
思い返すとまた顔が赤くなる。
(そもそも、一緒に寝てどうするというのだ)
昔語りだろうか。世間話だろうか。至近距離でサガの顔をみながら?
身体も触れ合うかもしれない。
どうしよう。
(どうしようじゃねえだろ、落ち着けオレ。昔はよく一緒に寝たろ。兄弟なんだからな。ミロやデスマスクとのだべり飲みで、同じ床にごろ寝なんてよくあるだろ、そうだ、あんなノリだ)
自分で誘っておいて、自分で動揺すること自体がおかしいと、カノンは強引に自分を納得させる。
しかし、その日は今ひとつ仕事に身の入らないカノンであった。
そのせいで簡単に終わる仕事が長引き、カノンが帰宮したのはいつもより2時間ほど遅い夜中となった。急ぎ足で十二宮の通路を歩き、双児宮のまえで深呼吸をする。
(…平常心でいくぞ)
出来るだけ普通を装って宮の中へ入ると、いつもならば寛いで待っているはずのサガが、心配そうな顔をして入り口に立っていた。
「おかえり、カノン…よかった、帰ってこないかと思った」
「な、なんだよ、そんなわけないだろう。ただいま」
サガは何も言わなかったが、何を心配したのかは必要以上に伝わってきた。昔のカノンは気に入らないことがあれば、夜に外へ出たまま帰らぬことが良くあった。
「その、誘ってくれたのは嬉しいが、もしかしたら後で嫌になったのかなと…」
サガが目を伏せたまま言う。ああああああ、とカノンは内心で頭を抱えた。平常心どころではない。朝より空気がおかしい。サガのこの反応が嬉しい自分も駄目な感じだ。
ふと目を室内へ向けると花が飾ってある。視線に気づいたサガが照れたように話した。
「折角一緒に寝るのだから、寝室に花でも飾ろうと思って…花束を買ってみたら多かったのでリビングにも置いたのだ」
…新婚、という単語が頭をよぎり、慌ててカノンはその思考を押し流す。いまのなし。
カノンが懸命に空気を正しい状態に戻そうと努力しているというのに、サガはそれを片端から無にしていく。
サガは少し顔を赤らめながら、嬉しさがにじみ出るような表情で視線を伏せる。
「その…お前の寝室と、わたしの寝室、どちらで寝てもいいように、布団は昼間のうちに干しておいた」
…何で弟のまえでそんな色気を見せるのだ兄よ。
いやいや、これを色気と思った時点でオレが負けている。どうしよう。
黙ってしまったカノンを心配して、サガが顔を覗き込んでくる。
何故自分が動揺しているのか考えたくも無くて、カノンは困ったように宮の天井を見上げた。
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超急いで書いたので粗が。またサイトへ移動のときに推敲します(>ω<)
今日もぱちぱちありがとうございます!毎日の潤いです!