星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
パソコン整理してたら出てきた発掘SS。いつもの双子+星矢
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「サガって、肌がキレイだよなあ」
顔を覗き込みながら星矢が感嘆した。それだけでなく、実際に手を伸ばして頬に触れている。隣で新聞を流し読んでいたカノンの眉がぴくりと上がったが、何も言わない。星矢に他意のない今のところは。
「色も白いし、やっぱあれなのかな、顔をずっと隠して法衣もきっちり着込んでいたせいかな」
星矢はすっかり双児宮に馴染んでいて、双子たちとの関係も、ゴールドの先輩とブロンズの後輩というよりは、年の離れた兄弟のようだ。会話内容も、他者であればサガの過去に配慮して、とても言えないような話題である。
近づきすぎた顔を咎めることもなく、サガはソファーへ座ったまま、にっこりと星矢のするがままに任せている。
「男の肌にキズひとつないのは、自慢にならないのだろう?リザドに聞いたぞ」
「男の身体に、だよ。自慢にはならないって今でも思ってるよ。サガは戦いの傷は結構あるじゃん」
「女性ならば自慢にしてよいのか」
「女性の身体にキズがあったら大変だよ」
たわいもない会話だ。しかし、サガがそんな風に雑談をする相手は非常に限られる。
星矢はふと思い出したように目をくるりと光らせた。
「魔鈴さんやシャイナさんもね、聖闘士だから身体に傷は沢山あると思うんだ。でも仮面で隠されてる顔は綺麗だと思う」
「見たことはないが、美人だそうだな」
「あ、うん。シャイナさんは美人だった。魔鈴さんは俺も見たことない。でも美醜の話じゃなくて…女聖闘士の仮面の掟って、女性を守るためでもあるのかなって、最近思う」
「ほう、どのように?」
「女性には仮面の掟で厳しく覚悟を求めるけど、誰かを愛した時には女性に戻れるよう、女性にとって大切な顔にだけは傷がつかないよう、仮面で顔を保護する意味合いもある気がするんだ」
「…女神は優しいかたゆえ、そのようなご配慮もあるやもしれぬな」
「でも、顔を見られたら殺すか愛さなければならないって理由はよく判らない」
困ったように首を傾げる星矢を前に、サガが吹きだした。星矢の前では、サガはよく笑った。
「教皇を僭称していた頃のわたしには、マスクの下の素顔を見られたら、殺す一択しかなかったよ」
そんなサガを前に、星矢の瞳がまたきらりと光る。
「いまからでも、選択肢増やせばいいじゃん。素顔を見たものを愛すって」
黒目の大きな意志の強い瞳が、ふいに真剣にサガを見つめる。
サガは笑みを消して静かに星矢を見つめ返した。
「実はもう、増やしている…と言ったら、お前は」
そこまで言いかけたサガの頭を、カノンがぽかりと丸めた新聞紙で叩いた。
「なにをする」
抗議の声をあげたサガを無視して、カノンは続けて星矢の頭もぽかりと叩く。
新聞紙ゆえに痛くは無いが、星矢は頭を抑えて訴えた。
「カノンのけち!」
「オレの目の前でやらかす度胸は褒めてやるが、止めるに決まってんだろ」
横で目を白黒させているサガをそのままに、カノンはまたソファーへ腰を下ろして丸めた新聞を広げ、のんびり読み始めた。
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女聖闘士の仮面についての話にするはずだったのに、なんか星矢サガ的な話になってる!サイトへの移行時に手直ししたいココロ。
今日もぱちぱち有難うございます(>ω<)コメントご返信は次回にさせて下さい。
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「サガって、肌がキレイだよなあ」
顔を覗き込みながら星矢が感嘆した。それだけでなく、実際に手を伸ばして頬に触れている。隣で新聞を流し読んでいたカノンの眉がぴくりと上がったが、何も言わない。星矢に他意のない今のところは。
「色も白いし、やっぱあれなのかな、顔をずっと隠して法衣もきっちり着込んでいたせいかな」
星矢はすっかり双児宮に馴染んでいて、双子たちとの関係も、ゴールドの先輩とブロンズの後輩というよりは、年の離れた兄弟のようだ。会話内容も、他者であればサガの過去に配慮して、とても言えないような話題である。
近づきすぎた顔を咎めることもなく、サガはソファーへ座ったまま、にっこりと星矢のするがままに任せている。
「男の肌にキズひとつないのは、自慢にならないのだろう?リザドに聞いたぞ」
「男の身体に、だよ。自慢にはならないって今でも思ってるよ。サガは戦いの傷は結構あるじゃん」
「女性ならば自慢にしてよいのか」
「女性の身体にキズがあったら大変だよ」
たわいもない会話だ。しかし、サガがそんな風に雑談をする相手は非常に限られる。
星矢はふと思い出したように目をくるりと光らせた。
「魔鈴さんやシャイナさんもね、聖闘士だから身体に傷は沢山あると思うんだ。でも仮面で隠されてる顔は綺麗だと思う」
「見たことはないが、美人だそうだな」
「あ、うん。シャイナさんは美人だった。魔鈴さんは俺も見たことない。でも美醜の話じゃなくて…女聖闘士の仮面の掟って、女性を守るためでもあるのかなって、最近思う」
「ほう、どのように?」
「女性には仮面の掟で厳しく覚悟を求めるけど、誰かを愛した時には女性に戻れるよう、女性にとって大切な顔にだけは傷がつかないよう、仮面で顔を保護する意味合いもある気がするんだ」
「…女神は優しいかたゆえ、そのようなご配慮もあるやもしれぬな」
「でも、顔を見られたら殺すか愛さなければならないって理由はよく判らない」
困ったように首を傾げる星矢を前に、サガが吹きだした。星矢の前では、サガはよく笑った。
「教皇を僭称していた頃のわたしには、マスクの下の素顔を見られたら、殺す一択しかなかったよ」
そんなサガを前に、星矢の瞳がまたきらりと光る。
「いまからでも、選択肢増やせばいいじゃん。素顔を見たものを愛すって」
黒目の大きな意志の強い瞳が、ふいに真剣にサガを見つめる。
サガは笑みを消して静かに星矢を見つめ返した。
「実はもう、増やしている…と言ったら、お前は」
そこまで言いかけたサガの頭を、カノンがぽかりと丸めた新聞紙で叩いた。
「なにをする」
抗議の声をあげたサガを無視して、カノンは続けて星矢の頭もぽかりと叩く。
新聞紙ゆえに痛くは無いが、星矢は頭を抑えて訴えた。
「カノンのけち!」
「オレの目の前でやらかす度胸は褒めてやるが、止めるに決まってんだろ」
横で目を白黒させているサガをそのままに、カノンはまたソファーへ腰を下ろして丸めた新聞を広げ、のんびり読み始めた。
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女聖闘士の仮面についての話にするはずだったのに、なんか星矢サガ的な話になってる!サイトへの移行時に手直ししたいココロ。
今日もぱちぱち有難うございます(>ω<)コメントご返信は次回にさせて下さい。