サガは白黒含め、神の否定と肯定の両面を持った人のような気がするのですが、意外とカノンの方が全面的に神を肯定するタイプっぽいですよね。
実際に女神の力不足を叫び殺そうとするサガに比べ、カノンは反発したり利用しようとするわりに神に拠っている台詞が多いです。
「神が与えてくれた力を自分のために使って何が悪い」「あなたの大いなる意思だけを利用させてもらうぞ」「まさしく神がこのカノンに与えた好機」などなど、力も機会も神から与えられるものという思想に無意識に立脚している感じです。海界編を見る限り海神への恐れもあり、「神は寝かせておこう!起こすととんでもないことになるぞ!」であって「自分で神を殺す!」にはなってない。海界編カノンはまだ反抗期キャラなので、覚悟の差でしょうか…。
尤もこのカノンの言うところの場合の神は、星矢世界でのビッグウィルを宿した人格を持つ者たちではなく、ビッグウィル自体を指す文脈ぽいですが(>ω<)
黒サガも女神に忠誠心を持つ聖闘士であると妄想する拙宅において、サガの不安定な忠誠の向け方よりも、カノンの方が忠誠心は厚く安定してそうな印象です。
サガは忠誠心が低いのではなくむしろ高いのですが、その方向性がいきなり凄いことになったり、屈折したりするようなイメージですね(^^;)←黒の部分が
といいつつ脈絡もなく昨日SSのサガ視点
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蘇生されてから少ししてアイオロスと二人だけで会った。
私に殺された時の年齢のままで蘇った彼は、あの頃と変わらず輝いて見えた。
気高く強く、聖闘士の誉れであった射手座の主。
アイオロスは優しいから、汚名を着せた相手であっても態度を変えることは無い。
私の過去の謀りごとが、彼の心に他人への憎悪という穢れを作ってしまうのではないかと心配していたが、そんな事は杞憂だった。
彼は全く彼のままで、私はすまなく思うと同時に、その事がとても誇らしかった。
そういえば昔、アイオロスは年の割りに大人びた男だと思っていたのだが、こうして見るとだいぶ少年らしさが残って見える。それもそのはずで、彼は星矢とたった1つしか変わらない子供と言ってよい年齢なのだ。
そんな子供を、同じように子供だった私が破滅へと追いやった。
「アイオロス、今度こそお前が正しく聖域を導いてくれ」
シオンは人を見る目があった。彼こそが教皇にふさわしい人間だと今では思う。
彼は次期教皇で、栄光の未来ある少年で、もう私と比較しようとする者は誰もいないだろう。今の私と彼はライバルにはなりえないし、同じステージに立つ資格も無い。
これからは彼と肩を並べて競い争うことはないのだ。
ようやく楽になれた気がしてアイオロスに笑いかけると、彼は何故か視線をそらして空を見上げた。白い雲がひとつだけ風に流れていく。
彼はその見上げた天の高みへ昇っていくのだろうなと、私はぼんやり考えた。
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これが28歳と27歳だと、また違う大人の世界妄想に!