MY部屋の暖房器具である1980円ミニファンヒーターのスイッチが壊れました…いつも乱暴に足で踏んでスイッチ入れてたのが悪いのか。踏みっぱなしにしないと温風が出てきません。しょうがないので今も踏んでます。ちょっと足つりそうです。
くそう、踏まれっぱなしのラダでも妄想してやる!
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ことに及んだ後のまどろみの中で、翼竜は隣で既に目を閉ざしているカノンを見つめた。
長い睫、形の整った唇、高い鼻筋。
べつに顔に惚れた訳ではないのだが、改めて見てみると相当の美形なのだなと気づかされる。もっとも彼の美しさは顔立ちだけによるものではなく、誰にも真似の出来ないあの強い視線や、闘争的な小宇宙の輝きによるものだとラダマンティスは感じていたが。
ただ、こうして眠ってしまうと、外面的にはカノンの兄であるサガと区別がつかなくなる。冥界の裁判官を務めることもあるラダマンティスは、魂の選別をする能力が備わってはいるものの、その魂の核すら双子であると思わされる類似があるのだった。
その形を確認するように、ラダマンティスは手を伸ばして、カノンの頬に触れてみた。途端にパチリと彼が目を開ける。
「なんださっきから、人の顔をじろじろと」
どうやら眠ってはいなかったようだ。ラダマンティスは指先でカノンの顔にかかる髪をかきあげてやると、思ったままを説明した。
「いや、そうしているとサガに似ているなと思って…」
言い終わるか、終わらないかのうちにカノンの蹴りでラダマンティスは寝台の下に蹴り落とされた。腹はガードしているため直撃は免れたものの、その勢いまでは相殺出来なかったのだ。
受身をとって起き上がったが、寝台の上のカノンからは火花の散るような小宇宙が溢れ出している。
鈍感なラダマンティスは、カノンが何に怒っているのかさっぱり判らなかったが、地雷を踏んだことだけは理解した。
カノンの口元が緩やかに吊り上り、形だけの笑みを作る。だが目が笑っていない。胸元に散る情交の痕が、いっそう色鮮やかな紅色に変わる。
「ほお…どういう場面でのどういう比較か聞いてみたいものだな、ラダマンティス」
しかし、カノンにとって不幸なのは、その当然の問いをラダマンティスが理解できなかったことだった。
ラダマンティスは問われるままに真面目に双子の比較をした。そしてカノンが話してくれたサガのカノンに対する乱暴な想い出のアレコレ(カノン視点)を思い出す。
「ああ、先ほどよりも今の方が似ているかもしれないな」
「…どのあたりがだ」
「好きな相手には容赦なく乱暴なところが」
次の瞬間、カノンの繰り出した変形アナザーディメンションで冥界に送り返されたラダマンティスだったが、きちんと衣類と荷物も飛ばされてきたのはカノンの愛ゆえといえよう。
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