星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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新しいペンタブが思いのほか描きやすくてしやわせ…
早くデフちがアスぷに馬乗りになるところまでペン入れしたい。

それはさておき黒サガとカノン。
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そろそろ就寝しようかと、読んでいた本をカノンが閉じたところへ、サガが部屋へと入ってきた。おざなりのノックしかせず、是の返事をする前にもう扉を開けているところからして、確かめるまでも無く黒髪のサガのほうだ。
黒サガはそのまま寝台へと進み、所作だけは優雅に腰を下ろした。
「今日はここで寝かせてはくれぬか」
いつになく殊勝な言い回しで、しかし真っ直ぐにカノンを見つめてくる。
「構わんが、どうしたのだ急に」
「何かあったときは、一人で背負い込まず、自分を頼れとおまえが言っていたのを思い出してな…」
サガは自分の力をたのむあまり、いつも全てを抱えもうとする。ときには荷を分け合える弟がいることを思い出せと、夕飯の時に伝えたばかりだ。
「サガ…」
まさか、こちらのサガが自分の話を聞き入れてくれようとは思っておらず、カノンの語尾は僅かに緩む。何であれ、兄が自分をあてにしてくれたというのは嬉しい。
「聞いてよければ、一体何があったのだ」
仕事や人付き合いでこちらのサガがへこたれるとは思いにくい。叛逆時代の陰口を叩かれても、そよ風と受け流すのが彼だ。その兄が、夜半に弟の部屋を尋ねるほど窮する可能性は低い。
もしかしたら、カノンと仲良くしたいという目的のために、建前を蓑にして訪れてくれたのかもしれない…などという、淡い期待が生まれ、カノンの心はわずかだが浮き立つ。
闇のサガはそんなカノンの変化に気づいたのか、じっと見つめていた視線をふいと逸らした。
「…やはり帰る」
立ち上がったサガの腕を、カノンの手が慌てて追いかけ掴んだ。
「なんだよ、ここまで来ておいて」
「いや…やはり自分で片をつけるべきことなのかもしれん」
「だから、何があったのだ」
掴んだまま離そうとしないカノンの手を見て、サガはふ、と小さく息を零し、言葉すくなに応えを返した。

「黒い虫が出た」

しばしの無言のあと、カノンが怒鳴る。
「自分でなんとかしろ!!」
「どうにも素早くて、タンスの裏へ入ってしまったのだ。その後はどこへ消えたか…」
「小宇宙で察知しろよ!」
「超感覚で直接あれに触れろというのか!素手で触るようなものではないか」
「守護宮に侵入されたのはお前の落ち度だろう」
「それを言われると言い返せぬ。それゆえお前を頼ったのだ」
「掃除担当はお前だろ!いつもはどうしているんだよ!」
「もう一人のわたしは、『すまないな』などと言いながら丸めた雑誌で叩き、雑誌ごと捨てている」
「……」
時々、ロビーに置き捨ててあるカノンのグラビア誌が消えているのはそのせいか。

「今日だけだぞ」
そう言って乱暴に手を離すと、サガは満更嘘でもなさそうに『わたしは良い弟を持った』と笑った。

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カノンはそのあと殺虫剤の存在を教えてあげるよ!

今日もぱちぱち有難うございます!(>▽<)コメント御礼は次回にさせて下さいね!

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