星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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Ωパライストラ同室ネタで黒と山羊
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「あの小娘…毎回何を考えているのだ」
赤い凶眼をもつ黒髪の少年が、ぶすりと頬杖をつく。座っているのは教皇の玉座などではなく、(彼からすれば)粗末な勉強机の椅子だ。その隣へ並べられたもう1つの勉強机では、少年姿のシュラが苦笑している。
「訓練生の修行環境の向上と、教育の質の安定化は貴方もお考えだったではありませんか」
「わたしは効果が上がれば教育手段など問わぬ。考えていたのはもう一人のほうだ」
「俺は楽しみです。体制を一新するためのパライストラ計画…さすが日本育ちの女神、面白い発想かと。ただ、貴方まで協力を引き受けるとは思いませんでした」
「……フン、わたしはここで学べる属性とやらに興味があるだけだ」
聖戦を乗り越え、聖域がすっかりおちついた数年後、女神は聖闘士の修行体制を整えると宣言し、主に師弟関係のみに託されていた教育部分を、教育専門のバックアップ機関を立ち上げることによってフォローすることにした。これにより、個々の教育のばらつきを埋め、安定した戦力を図ることが出来るという目論見だ。
「あの小娘は口にしておらぬが、例えば仮に偏った思想教育…聖域に反旗を翻すような教育を受けた者がいたとしても、新米聖闘士をその教育機関に放り込んでチェックを行えば、矯正することも可能であろう。上手い方法よ」
黒サガの指摘に、シュラは首をかしげながらも答える。
「貴方のような方がまた現れたとして、おいそれと矯正できるとは思いませんが」
「……」
悪気はない。シュラに裏表はなく、またむしろサガへは好意的だ。それゆえ黒のサガも受け流している。
「しかし、それならば貴方も女神の計画には賛同なのですね。なのに何故そのように不機嫌なのです」
「お前は納得がいくのか!『みなさん学生という年でもないでしょうから、一律13~15歳くらいの肉体年齢になってもらいますね』の一言で子供にされたことを」
「15歳なら貴方が教皇になられた歳ではないですか。子供ではありません」
「……」
あくまで悪気はない。
苦虫を噛み潰したような顔になったサガに気づきもせず、シュラはマイペースだ。
「俺は結構楽しみです。その…まさかクジで貴方と同室になれるとは思いませんでしたから…」
「……」
それはサガにとっても幸運であった。もうひとりのサガであればともかく、闇のサガといさかいを起こさず生活していける人間は限られるだろう。
「それに、デスマスクなどは学生食堂の方にも協力してるようです。食事も期待できますよ」
「新米聖闘士が恵まれすぎではないか?」
「俺もそう思いますが、厳しい修行を行う少年にとって、食事は大概1番の楽しみですから」
サガは椅子から立ち上がると、トンと軽く床を蹴って二段ベッドの上へと移動する。上下の寝台どちらを使うかはまだ決めていなかったが、サガは勝手に上段を自分の寝床と決めたようだ。
「明日の授業とやらは、多少楽しみだ」
「…お手柔らかにしてあげて下さい」
シュラもまた立ち上がり、ベッドの上に腰を下ろしたサガを見上げる。
ちなみに、僭称とはいえ教皇職をこなしていたサガは、聖域の叡智の結晶であるといってよい。属性に関する授業はともかく、他の科目や戦闘実習に参加するのは教えを受けるためではない。教師となる者たちの教え方を生徒の立場からチェックし、逆に後で問題や改善点を指導するためだ。他の黄金聖闘士たちもおおむね同じ立場である。
「俺は女神に感謝しています。こうして貴方と少年時代をやり直せるなんて」
「…フン。わたしはそこも気に入らん」
敏いサガは気づいていた。こうして皆に学生として集団生活を営ませることによって、個人主義となりがちな聖闘士たちを互いに馴染ませるだけでなく、”普通の生活”をする機会をプレゼントしたのだということを。
サガもそれに乗っている。気に入らないのは、すべて女神の手の上であるという部分だけだ。
長年の付き合いで元上司の性格を見通しているシュラは、にっこり笑って自分も下段のベッドへ入り込んだ。

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他の聖闘士メンバーはどういう組合せで同室にしたものか順列組合せで妄想中。ロスやリアはこの部屋にかなりの頻度で押しかけて来そうな予感が。あと蟹と魚と星矢。

お試し教育宿舎へ入る時には、長老&年長組15歳・年中組14歳・年少組13歳で、白銀は一律14歳に、青銅は聖戦時年齢にされます…という超強引妄想!(>ω<)

5/14 翠寿様>こんばんは!こちらこそ拙宅のような片隅サイトへ足をお運びいただき、しかもこうしてご感想をいただけるなんて、とても嬉しいです(^▽^)シュラ&黒サガの相部屋妄想を読みたいという暖かいお言葉をいただき、さっそく調子にのってSSを書いてしまいました。相部屋というのは、どのキャラとどのキャラが一緒の部屋になるかで夢方向が変わる素敵シチュエーションですよね!同部屋だけでなく、隣部屋に誰が入るかによってもバリエーションが広がるという…まさか星矢の十二宮生活設定以外で共同生活的なパロディが出来る日が来るとは思いませんでしたので、もう思いっきり羽目をはずして妄想しております。学園設定おそるべし…
翠寿さんはやはり黒サガやシュラがお好きでいらっしゃるのでしょうか。宜しければまた気が向かれました折にでも、話しかけてやって下さい!

ほか、ほかぱちぱち下さった皆様に御礼申し上げます!毎日の心の癒しです♪
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