星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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『おはよう、サガ』
目覚めたとたん、耳元で語りかけられたような気がして、サガは思わずあたりを見回した。眠っていたとはいえ、双児宮内でこれほど近くに侵入者を許すなど、あってはならないことだ。
しかし、見回しながら、この声が外敵によるものではないことを、理解してもいた。なぜならその声はサガもよく知るアイオロスのものであったからだ。
部屋の中を見回しても、誰もいない。サガは大きなため息をついた。やはり、この声は己の内側から聞こえてきたのだ。もう一人の自分がいつもそうするように、アイオロスが自分のなかから話しかけてきている。
同じように自分のなかにいるはずのアレと喧嘩にならないのか…と思いかけ、そちらの気配は綺麗にいなくなっていることに気づき、蒼くなる。
「アイオロス、これは一体どういうことなのだ」
『あ、魂だけでも俺だと判ってもらえるのか』
「お前の小宇宙は間違えようもない」
『そうか、何だか嬉しいな』
「…アイオロス」
じわりと声にサガの声に不機嫌さがにじんだが、アイオロスは気にした様子もなくサガの中に居座っている。
『もうひとりの君と、ちょっと位置交換をしてみようという話になって』
「わたしは聞いていないぞ、そんな事!い、いや、そもそもそのようなことが可能なのか?」
わたしの許可もなく…という抗議が言外ににじんでいる。
『俺は魂だけでいた時間が長いし、彼も女神の盾で分離されて以降、けっこう単独行動が出来るみたいだよ』
「バカな、あれにお前の肉体を貸し与えたというのか。今ごろ何をされているか判らんぞ!」
慌てて起き上がり、寝台から飛び出そうとして、アイオロスに邪魔をされる。
『大丈夫だよ』
「何が大丈夫なものか。お前の名声を下げるようなことをアレが仕出かしたらどうするのだ」
『うーん、俺の身体でシュラを脅かしてみるとか言っていたから、結構平和に楽しんでいるんじゃないかな』
それはかなりシュラにとっては災難なのではないだろうかと、サガは遠い目となる。脱力しているサガの身体を、アイオロスが代わりに操作して寝台へ座らせた。
逆らうことなく腰を下ろしたサガが、また呆れたように息をついた。
「アイオロス、次からは”わたし”の許可も取ってもらいたい」
『頼めば、許可をくれるのか?』
サガのなかで、アイオロスがちょっと驚いた気配をみせる。
「理由による。それで、今回の狼藉の理由をまだ教えてもらっていないのだが」
『狼藉って…まあ、そうなるのかな。理由は一日君のそばにいたかったから』
「…は?」
サガの目が丸くなる。
『一日一緒にいて、もっと君のことを知りたいなと思ったから…だから、ちょっと身体を交換してくれないかって、もうひとりの君の時に頼んだ』
「…よくアレが承諾したものだ」
そして、アレはよくわたしに隠し通したものだとサガは内心で唇を噛む。
『誕生日のプレゼントにって言ったら、OKしてくれたよ?』
14歳の少年のような、27歳の青年のような、どちらともとれる小宇宙でアイオロスは笑っていた。

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