星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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またいつもの無印&LC双子同居設定
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遅めの起床でリビングを訪れたカノンは、すでに朝食を済ませているらしい同居人たちへ軽く挨拶をした。
出かける支度をしているデフテロスは、その場のカノンを気にもせず、「いってくる」とアスプロスの頬へ軽くキスをしている。アスプロスもぞんざいな態度ながら同じように返した。
(どこの新婚フウフだよお前ら)
カノンはなるべく視界に入れないようにしながら、ソファーへ腰を下ろした。先代ジェミニ兄弟は自分たちと随分違う。サガはあんなことをしない。いや多分、普通の兄弟はどこだってあんなことはしない。
それでも、信頼しあっているように見えるその様子は、目の毒ながら少しだけ羨ましいような気がする。
弟を送り出したアスプロスは、そのまま自分の部屋へ戻ろうとしていたが、カノンはその背へ声をかけた。
「お前たち、仲がいいな」
アスプロスが振り返る。別に会話を続けるつもりはなかったのに、彼は踵を返してカノンの正面のソファーへ腰を下ろした。
「普通だと思うが。お前たちと似たようなものだろう」
淡々と話すアスプロスは、どうやら本気でそう言っているように見える。
「どこが」
「俺たちは、言葉や態度に出さぬ愚を繰り返さぬためにこうしている。殺しあったことのない者には判らぬかもしれないが」
「オレたちとて、対峙したことはあるぞ」
カノンが返すと、アスプロスは鼻で笑った。
「対峙し、戦っただけだろう。俺は一度デフテロスに殺され、デフテロスもまた俺に殺されている。それもこれも、互いのつまらぬ行き違いによってな」
カノンは目を瞠った。次元の捩れによって現代へやってきた双子座は、いつも行き過ぎるほど兄弟仲がよく、とてもそのような過去があるようには見えなかった。
「それに、俺から言わせれば、お前の兄こそお前に甘すぎる」
「はあああああ?」
今度こそカノンは心外だと声をあげた。あの口うるさく厳しいサガの、どこが甘いのだ。
「お前、サガの外面のいいところしか知らないんだろ」
「俺たちにはともかく、あの男がお前に見せている姿は外面ではなかろう。同じ宮で暮らしているのだ、あの男のお前への態度は何度も見ている」
言い争っていると、タイミングよくサガが顔を出した。サガは昨晩遅くまで仕事に関わる調べ物をしており、今朝は珍しくゆっくりとした起床だ。まだ寝起きの顔をしながら、サガが首をかしげた。
「なにか、わたしの話をしていたか?」
内容はよく聞こえていなかったとみえ、どうせつまらぬ言い争いだろうという表情が判りやすい。
アスプロスがサガを手招きした。
「丁度よい、お前に確かめたいことがあった」
「なんだろうか、アスプロス」
起きぬけのサガは、素直に招きに応じて近づいていく。目の前にまで来たというのに、さらに近寄れというアスプロスのゼスチャーへ、サガは顔を近づけた。
ふとカノンの中で、胸騒ぎと既視感が沸き起こる。
「サガ!」
思わず叫び、サガが何事かとカノンの方を向いたその一瞬を狙い、アスプロスはサガへ魔拳を放った。カノンがガタリと立ち上がる。
崩れ落ちたサガを抱え、アスプロスはその耳元へ囁くように告げた。
「これからは俺がお前の弟のカノンだ。そしてあそこにいるのが、アスプロス」
「貴様、サガに何を」
「これから見て確かめるがいい、サガが『カノン』へどのような態度でいるのか」
カノンの憤りなどどこ吹く風で、アスプロスはにっこりと神のような(ただしサガとは種類の違う)笑顔で微笑んだ。

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って途中かつ推敲する間もなくもう出勤時間(>ω<)
今日もぱちぱち有難うございます!日々の元気のもとです!そしてメールで丁寧なご連絡下さいましたA様有難うございます!リアサガ万歳!
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