星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
なんかメモから発掘。ヒュプノス+黒サガという謎場面。
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「まったく、無茶をする」
呆れの色を隠さずに、ヒュプノスは呟いた。かざした手の下では、破損したサガの肉体が神の小宇宙により復元していく。頭部はまっさきに再生させたので、聴覚を通じて音声での言葉も届いているはずだ。
寝台に広がる豊かな黒髪は、先程まで焼きこげていた。いや、髪だけでなく、身体自体ほとんど消し炭と言ってよかった。タナトスの渾身の一撃を受けたのだから当然だろう。その消し炭へヒュプノスが神力を注いで、ようやく元の形状へ復元させたのだ。ヒュプノスの手の下で、紅のまなこがパチリと瞬く。
『さすがに大したものだな、神の力というものは』
発声器官はまだ回復していないのか、小宇宙でサガが応える。とても完膚無きまでに負けた側の台詞とは思えない。これは懲りていなさそうだとヒュプノスはため息をついた。
「人間ごときが、タナトスに手加減なしの訓練を挑むなど、思い上がりも甚だしい」
『しかし、ペガサスには倒されたそうではないか』
「あれはアテナの血を受けた神聖衣を纏っていた。お前の黄金聖衣では紙きれほどの防御にもならぬ」
そうだ、あとで黄金聖衣の欠片も拾い集めてこなければと、ヒュプノスは頭を抱える。サガの肉体はこうして復元できても、タナトスの一撃により粉々になった黄金聖衣のほうは、サガの血か、それこそアテナの血でもなければ修復出来ぬだろう。同じ神である自分たちが血を提供すれば直るのかもしれないが、そこまでしてやるつもりはなかった。
『タナトスに勝てぬようでは、ほかの神々を下すことなど、夢のまた夢であろう』
「慎めサガ。神を侮辱することは許さぬ。それに、タナトスはあれで戦闘力が高い。上回る力の持ち主となると、十二神クラスだ。それは戦ったお前がよく理解していよう」
寝台の上で、黒髪のサガがゆっくりと身体を起こした。まだ相当に身体は痛むはずだというのに、それをおくびにも出さぬ精神力だけは認めてもいいと思う。
サガはそのまま寝台をおりて、1度ヒュプノスの前へと膝をついた。感謝のつもりなのか、礼の形式だけはとるらしい。しかし殊勝であったのはそこまでで、立ち上がったサガは乱暴に寝台へと腰を下ろした。神を目の前にしながら、なんのてらいも畏れもない仕草は、何も知らぬ者が見たならば頭が弱いのかとも思うだろう。
血を固めたような瞳が、爛々と楽しそうにヒュプノスを見上げる。
「技は見切ることができた。次は負けぬ」
「”1度見たものは通じぬ”か?お前たち聖闘士のその能力、神に対しても通用させるのは、お前を含め数名くらいであろうよ…だが、見切っただけで役に立たなかったではないか」
「ああ、こちらの実力の底上げが更に必要のようだ」
タナトスの放つテリブルプロビデンスを受けた黒サガは、2度目の攻撃を無効化させることに成功した。しかし、それを見たタナトスは本気となってサガを叩きのめした。技を使わず、ただ単に純粋な力でもって。
圧倒的な神力は人間のおよぶところではない。ゾウがアリを踏みつけるのに、技など使う必要がない。その結果、サガの肉体はほとんど吹き飛び、聖域と友好条約を結んでいる現状としては、ヒュプノスがサガを回復してやるしかなかったというわけであった(タナトスは死の神であるため、回復処置が苦手だ)。
ヒュプノスは肩を竦めた。こちらのサガは、もう一人のサガとは全く違っていた。傲慢な野心を隠さず、他人を信じず、それでいて子供のようにみえるところがあった。
「サガよ、お前は神になりたいのか、強くなりたいのかどちらだ」
そう尋ねると、紅の瞳が大きく見開いてから細められる。他の者にはなかなか見せぬであろうこのような顔を目に前にすると、多少は手懐けることができているのだろうかと思う。
「ペガサスは人のまま神を倒した。それでも、人として強くなるのではなく、あくまで神になることを望むか、サガよ」
再度問うと、黒髪のサガは『強くなり神となる』と答えたので、やはり子供なのだなとヒュプノスは思った。
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白サガがタナトスに魅了されていて、黒サガがヒュプノスに懐いているといいなという、ご都合妄想に溢れたマイ設定に沿ったものと思われます(`・ω・´)
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「まったく、無茶をする」
呆れの色を隠さずに、ヒュプノスは呟いた。かざした手の下では、破損したサガの肉体が神の小宇宙により復元していく。頭部はまっさきに再生させたので、聴覚を通じて音声での言葉も届いているはずだ。
寝台に広がる豊かな黒髪は、先程まで焼きこげていた。いや、髪だけでなく、身体自体ほとんど消し炭と言ってよかった。タナトスの渾身の一撃を受けたのだから当然だろう。その消し炭へヒュプノスが神力を注いで、ようやく元の形状へ復元させたのだ。ヒュプノスの手の下で、紅のまなこがパチリと瞬く。
『さすがに大したものだな、神の力というものは』
発声器官はまだ回復していないのか、小宇宙でサガが応える。とても完膚無きまでに負けた側の台詞とは思えない。これは懲りていなさそうだとヒュプノスはため息をついた。
「人間ごときが、タナトスに手加減なしの訓練を挑むなど、思い上がりも甚だしい」
『しかし、ペガサスには倒されたそうではないか』
「あれはアテナの血を受けた神聖衣を纏っていた。お前の黄金聖衣では紙きれほどの防御にもならぬ」
そうだ、あとで黄金聖衣の欠片も拾い集めてこなければと、ヒュプノスは頭を抱える。サガの肉体はこうして復元できても、タナトスの一撃により粉々になった黄金聖衣のほうは、サガの血か、それこそアテナの血でもなければ修復出来ぬだろう。同じ神である自分たちが血を提供すれば直るのかもしれないが、そこまでしてやるつもりはなかった。
『タナトスに勝てぬようでは、ほかの神々を下すことなど、夢のまた夢であろう』
「慎めサガ。神を侮辱することは許さぬ。それに、タナトスはあれで戦闘力が高い。上回る力の持ち主となると、十二神クラスだ。それは戦ったお前がよく理解していよう」
寝台の上で、黒髪のサガがゆっくりと身体を起こした。まだ相当に身体は痛むはずだというのに、それをおくびにも出さぬ精神力だけは認めてもいいと思う。
サガはそのまま寝台をおりて、1度ヒュプノスの前へと膝をついた。感謝のつもりなのか、礼の形式だけはとるらしい。しかし殊勝であったのはそこまでで、立ち上がったサガは乱暴に寝台へと腰を下ろした。神を目の前にしながら、なんのてらいも畏れもない仕草は、何も知らぬ者が見たならば頭が弱いのかとも思うだろう。
血を固めたような瞳が、爛々と楽しそうにヒュプノスを見上げる。
「技は見切ることができた。次は負けぬ」
「”1度見たものは通じぬ”か?お前たち聖闘士のその能力、神に対しても通用させるのは、お前を含め数名くらいであろうよ…だが、見切っただけで役に立たなかったではないか」
「ああ、こちらの実力の底上げが更に必要のようだ」
タナトスの放つテリブルプロビデンスを受けた黒サガは、2度目の攻撃を無効化させることに成功した。しかし、それを見たタナトスは本気となってサガを叩きのめした。技を使わず、ただ単に純粋な力でもって。
圧倒的な神力は人間のおよぶところではない。ゾウがアリを踏みつけるのに、技など使う必要がない。その結果、サガの肉体はほとんど吹き飛び、聖域と友好条約を結んでいる現状としては、ヒュプノスがサガを回復してやるしかなかったというわけであった(タナトスは死の神であるため、回復処置が苦手だ)。
ヒュプノスは肩を竦めた。こちらのサガは、もう一人のサガとは全く違っていた。傲慢な野心を隠さず、他人を信じず、それでいて子供のようにみえるところがあった。
「サガよ、お前は神になりたいのか、強くなりたいのかどちらだ」
そう尋ねると、紅の瞳が大きく見開いてから細められる。他の者にはなかなか見せぬであろうこのような顔を目に前にすると、多少は手懐けることができているのだろうかと思う。
「ペガサスは人のまま神を倒した。それでも、人として強くなるのではなく、あくまで神になることを望むか、サガよ」
再度問うと、黒髪のサガは『強くなり神となる』と答えたので、やはり子供なのだなとヒュプノスは思った。
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白サガがタナトスに魅了されていて、黒サガがヒュプノスに懐いているといいなという、ご都合妄想に溢れたマイ設定に沿ったものと思われます(`・ω・´)