今日も朝からしょーもない妄想。
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サガは情の深い男ですが、愛情の発露の仕方がちょっぴり歪んでいるので、受け止める側は結構大変です。
そんな事を知らないタナトスが「双子座の聖闘士を忠誠心ごと俺に貸せ」などと女神に図々しく言い出しました。
そんな事を言われても女神は余裕です。タナトスではサガを扱えないことをよーく判っているからです。内心では『顔を洗って出直していらっしゃい』と思いつつも、それを正直に言うと角が立つので一応やんわりと諌めます。
「誰を選ぶのかは彼らが決めることですよ」
勿論そんな忠告を聞くようなタナトスではありません。
「人間に自由意志などあるものか。貴女に向いていた意識のベクトルを俺に向ければいいだけだろう」
と言って勝手にサガへ意識操作を施し、連れ帰ってしまいました。
周囲で見ていた黄金聖闘士たちは大慌ててです。すぐ彼を取り戻すよう女神に進言しましたが、女神は何故か
「2~3日様子を見ましょうか」
とのんびりしているのです。それだけでなく、教皇シオンや一番怒りそうなアイオロスまで
「そうですな」
「夕方には送り返されてくるんじゃないですかね」
などと呑気な事を言っています。
全然納得のいかない黄金聖闘士たちでしたが、女神と教皇と教皇候補が揃ってそう言うのでは仕方がありません。何か目算があるのだろうとしぶしぶ引き下がりました。
ところが本当に、夕方にはタナトスがサガを連れて戻ってきたのです。
「アテナ、お前のところの双子座はどういう性格をしているのだ!」
「あら、おかえりなさいタナトス」
女神の挨拶と同時に、アイオロスが来客用のお茶請けセットを持ってこさせました。予測されていただけあって準備万端です。
「隙を見れば俺を神殺しの短剣で刺そうとするわ、悪態をつくわ、今までの方が余程従順であったぞ」
「それは彼に愛されている証拠ですわ。良かったですね」
ニッコリと微笑む女神の顔には『いい気味です』の文字が浮かんで見えました。
「とにかく、あのような面倒な玩具はいらん!」
「では元通りにして返してください」
そんなわけで聖闘士レンタルは半日で終了したのでした。
「勿体無い事を言うなあ。サガはじゃれているだけなのに」
手を付けられることなく余った茶菓子をつまみ、アイオロスが不満げに呟いています。
「そうよね。認めた相手だからこそ試そうとするのよね、サガは」
女神も頷いています。
「あの試練を乗り越えると本当の信頼を得られるのじゃが…しかし、確かに物騒ではある」
実際に殺されたことのあるシオンは、少しだけタナトスの肩を持ちました。
傍で聞いていたほかの黄金聖闘士たちは、やはり今ひとつ納得できず
(サガより貴方達のほうが物騒なのでは?)
そんな感想を持っていたのでした。
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もーSSですらない感じ…