星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
メジロスと紅梅サガのイメージで書きましたとか言ったら殴られそうな気がする。
(メジロス&梅サガについては前回・前々回ブログをご参照下さい)
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教皇宮での仕事を終えたサガは、控えの間へ移動し、帰り支度を始めた。
法衣用の細長いストールを肩から外し、専用のハンガーへと掛ける。
法衣はサガの私物であるが、階級を表すストールは職場用であり、仕事を終えたら外すことになっている。世間で言う制服のようなものだ。身分や職種によって、色と文様はさまざまだ。
教皇であったころは、祭事にも使用される最高級の装身具つきであったが、流石に今はランクが落ちた。身軽になったのはいいが、その身軽さが時折悔しくもある…と黒髪のサガは思う。
「今日はめずらしく君のほうだったね」
同僚であり次期教皇候補であるアイオロスが、黒髪のサガへと話しかけた。
彼は黒サガの非友好的態度にめげることもなく、もうひとりのサガへするように、いつも親しげに接する。
「あの老いぼれが、『わたし』を呼んだのでな」
そっけなくも律儀に黒サガが返事をした。
非友好的ではあるものの、職場では割り切って会話をするところが生真面目なサガらしかった。私生活では返事すらしないこともあるので、アイオロスからすれば職場はこちらのサガとコミニュケーションを果たす絶好の場所だ。
ちなみに黒サガの言う『老いぼれ』とはシオンのことである。
「議題が君向きだったからなあ」
「慈善事業計画と予算の割り振りがか?」
「だからだよ。もう一人の君だと、こういった方面へは財布の紐がゆるくなるからさ。厳しめの枠組みを最初につくって、あとから必要分だけシオン様が割増すほうがいいんじゃない?」
言いながらアイオロスは法衣を脱いでいる。普段から法衣で過ごしているサガと異なり、彼は雑兵と変わらぬ動きやすい服を好むため、仕事のあとはここで訓練着に着替えて帰るのだ。
そのままの法衣で帰るサガは、さっさと会話を切り上げて先に去ろうとしたが、アイオロスがその袖を掴んだ。
「たまには人馬宮へ寄って「断る」」
最後まで言い切ることも許されず、返事はアイオロスの声へかぶせるように神速でなされた。
「どうして?」
「何故もくそもあるか。貴様の家に寄る理由がない」
「理由があればいいのか」
アイオロスは首を傾げて辺りを見回し、テーブルの上にあった花瓶に目を留めた。その花瓶を手にしたため、どうするのかとサガが見ていると、突然花を引き抜いて、中の水をサガへと降りかける。さすがの黒サガも呆気に取られた。
「法衣も君も濡れてしまったね。よければ人馬宮に寄ってシャワーでも浴びていかない?」
「……」
返事の変わりに鉄拳が飛んだが、流石に責める者はいないだろう。アイオロスもそれは予測していたのか、片手をあげてそれを受け止める。びしりと重い拳の音が部屋に響いた。
緊迫した空気は一瞬のことで、すぐに黒サガは拳をおさめた。このままでは千日戦争になるだけとの判断だ。彼は無駄も好まない。
アイオロスが、表情だけは子犬のようにねだる。
「理由まで作ったのに、来てくれないのか?」
「シャワーは双魚宮で借りる」
黒サガは忌々しそうに水を吸った法衣を脱ぎ捨てている。
そのサガへ、アイオロスは自らの脱いだ法衣を手渡し、にこりと笑った。
黒サガはアイオロスの顔とその法衣を交互に見てから、黙ってその法衣の袖に手を通す。
着替え終わったサガの肩へ、片付けられていたストールをアイオロスが掛けた。
「双魚宮のあとでいいから、人馬宮にも寄って行くといい。もうひとりの君の着替えが置いてあるし、その法衣を置いてってもらえれば丁度いいし…君に渡したい書類もあるし」
仕事だよ?とアイオロスは付け足した。
「……気が向いたらな」
くるりと背を向けたサガへ、アイオロスはひらりと手を振った。
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「蜜をくれないか」ってお願いしたくせに、いいよと返事を貰うまえからマイペースにサガの花びらを啄ばむような、押せ押せ27歳アイオロスバージョン。14歳ロスバージョンだと拙宅では中々こうはならない(>ω<;)
(メジロス&梅サガについては前回・前々回ブログをご参照下さい)
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教皇宮での仕事を終えたサガは、控えの間へ移動し、帰り支度を始めた。
法衣用の細長いストールを肩から外し、専用のハンガーへと掛ける。
法衣はサガの私物であるが、階級を表すストールは職場用であり、仕事を終えたら外すことになっている。世間で言う制服のようなものだ。身分や職種によって、色と文様はさまざまだ。
教皇であったころは、祭事にも使用される最高級の装身具つきであったが、流石に今はランクが落ちた。身軽になったのはいいが、その身軽さが時折悔しくもある…と黒髪のサガは思う。
「今日はめずらしく君のほうだったね」
同僚であり次期教皇候補であるアイオロスが、黒髪のサガへと話しかけた。
彼は黒サガの非友好的態度にめげることもなく、もうひとりのサガへするように、いつも親しげに接する。
「あの老いぼれが、『わたし』を呼んだのでな」
そっけなくも律儀に黒サガが返事をした。
非友好的ではあるものの、職場では割り切って会話をするところが生真面目なサガらしかった。私生活では返事すらしないこともあるので、アイオロスからすれば職場はこちらのサガとコミニュケーションを果たす絶好の場所だ。
ちなみに黒サガの言う『老いぼれ』とはシオンのことである。
「議題が君向きだったからなあ」
「慈善事業計画と予算の割り振りがか?」
「だからだよ。もう一人の君だと、こういった方面へは財布の紐がゆるくなるからさ。厳しめの枠組みを最初につくって、あとから必要分だけシオン様が割増すほうがいいんじゃない?」
言いながらアイオロスは法衣を脱いでいる。普段から法衣で過ごしているサガと異なり、彼は雑兵と変わらぬ動きやすい服を好むため、仕事のあとはここで訓練着に着替えて帰るのだ。
そのままの法衣で帰るサガは、さっさと会話を切り上げて先に去ろうとしたが、アイオロスがその袖を掴んだ。
「たまには人馬宮へ寄って「断る」」
最後まで言い切ることも許されず、返事はアイオロスの声へかぶせるように神速でなされた。
「どうして?」
「何故もくそもあるか。貴様の家に寄る理由がない」
「理由があればいいのか」
アイオロスは首を傾げて辺りを見回し、テーブルの上にあった花瓶に目を留めた。その花瓶を手にしたため、どうするのかとサガが見ていると、突然花を引き抜いて、中の水をサガへと降りかける。さすがの黒サガも呆気に取られた。
「法衣も君も濡れてしまったね。よければ人馬宮に寄ってシャワーでも浴びていかない?」
「……」
返事の変わりに鉄拳が飛んだが、流石に責める者はいないだろう。アイオロスもそれは予測していたのか、片手をあげてそれを受け止める。びしりと重い拳の音が部屋に響いた。
緊迫した空気は一瞬のことで、すぐに黒サガは拳をおさめた。このままでは千日戦争になるだけとの判断だ。彼は無駄も好まない。
アイオロスが、表情だけは子犬のようにねだる。
「理由まで作ったのに、来てくれないのか?」
「シャワーは双魚宮で借りる」
黒サガは忌々しそうに水を吸った法衣を脱ぎ捨てている。
そのサガへ、アイオロスは自らの脱いだ法衣を手渡し、にこりと笑った。
黒サガはアイオロスの顔とその法衣を交互に見てから、黙ってその法衣の袖に手を通す。
着替え終わったサガの肩へ、片付けられていたストールをアイオロスが掛けた。
「双魚宮のあとでいいから、人馬宮にも寄って行くといい。もうひとりの君の着替えが置いてあるし、その法衣を置いてってもらえれば丁度いいし…君に渡したい書類もあるし」
仕事だよ?とアイオロスは付け足した。
「……気が向いたらな」
くるりと背を向けたサガへ、アイオロスはひらりと手を振った。
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「蜜をくれないか」ってお願いしたくせに、いいよと返事を貰うまえからマイペースにサガの花びらを啄ばむような、押せ押せ27歳アイオロスバージョン。14歳ロスバージョンだと拙宅では中々こうはならない(>ω<;)
3/6 はに丸様>白サガは百合のイメージ同意です!百合もキリスト教モチーフですよね(>▽<)百合って清楚かつ処女の象徴なのにリリスの名前を冠されていたりして、魔性を連想させるといいますか、エロいと思うのです(`・ω・´)拙宅では百合にサガのきらきらゴージャス感も追加してカサブランカイメージにしております。
白サガだけですと、闇の部分の黒サガが分離していることもあって聖人系統のはずなのに、綺麗すぎてどこか魔性を感じさせる印象もあります。黒サガが分かりやすいおっかなさであるなら、白サガは底の知れないおっかなさといいますか。
アイオロス=英雄の死という妄言へのご感想もありがとうございます!そうですよね、ギリシアでは英雄は死を通して神へと変移するという部分も含めて妄想しておりましたので、はに丸さんのお言葉に「そうそう、そうなんですよ!」ってパソコンのこちら側で頷きまくりでした!アイオロスは死によって神聖を得て、神と人間を繋ぐ半神のような位置となり皆を見守ってくれているという…そんな彼が「神のようだ」と言われつつも失墜して命を自ら絶った殉教系のサガと組み合わさることによるドラマといいますか、二つの価値観の衝突といいますか、そのあたりが私のなかの厨ニ病を燃え上がらせてくれるのです(>▽<)ノ
はに丸さんのロス×黒にも、正反対の存在同志の出会いと浸食などを勝手に感じては、毎回もだもださせて頂いております!インスピレーション発信しまくりの素敵なコメントや作品をいつもありがとうございます!こ、こちらでなんですが、蟹と仲のいい黒サガ(そして無自覚やきもちロス)がドストライクでした!
ほかパチパチ下さった皆様に御礼申し上げます。毎日のエネルギー源です♪
白サガだけですと、闇の部分の黒サガが分離していることもあって聖人系統のはずなのに、綺麗すぎてどこか魔性を感じさせる印象もあります。黒サガが分かりやすいおっかなさであるなら、白サガは底の知れないおっかなさといいますか。
アイオロス=英雄の死という妄言へのご感想もありがとうございます!そうですよね、ギリシアでは英雄は死を通して神へと変移するという部分も含めて妄想しておりましたので、はに丸さんのお言葉に「そうそう、そうなんですよ!」ってパソコンのこちら側で頷きまくりでした!アイオロスは死によって神聖を得て、神と人間を繋ぐ半神のような位置となり皆を見守ってくれているという…そんな彼が「神のようだ」と言われつつも失墜して命を自ら絶った殉教系のサガと組み合わさることによるドラマといいますか、二つの価値観の衝突といいますか、そのあたりが私のなかの厨ニ病を燃え上がらせてくれるのです(>▽<)ノ
はに丸さんのロス×黒にも、正反対の存在同志の出会いと浸食などを勝手に感じては、毎回もだもださせて頂いております!インスピレーション発信しまくりの素敵なコメントや作品をいつもありがとうございます!こ、こちらでなんですが、蟹と仲のいい黒サガ(そして無自覚やきもちロス)がドストライクでした!
ほかパチパチ下さった皆様に御礼申し上げます。毎日のエネルギー源です♪