星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
サガ→カノンでサガ→カーサという、例によってありえない捏造関係。
それでもオケという奇特な同士のみどうぞ(汗)
=============================
海界での空は海面にあたる。それなりに深度があるはずの海の底に、水の層を透かして太陽の光が揺らめくのは、異界だからとしか言いようがない。
薄く色づいた青の光が、やわらかく白の神殿を染める。
南氷洋の主カーサは、その神殿の下で溜息をついた。
「何か、悩み事でも?」
玲瓏たる声で尋ねたのは、溜息の元凶である双子座のサガ。
声だけでなく、見目かたちも神の造形と評される美しい男。
かつて海界と対立していた聖域の黄金聖闘士であるにも関わらず、平気で海将軍神殿へ乗り込んでくる神経の太さは、その清楚な面持ちからは一見うかがい知る事が出来ない。
(アンタのせいだよ)
心の声を口にする事はせず、カーサはもう1度溜息をつく。
この美貌の聖闘士は、海将軍筆頭・カノンの双子の兄だ。
カノンはかつて海神ポセイドンを謀り、サガは女神へ刃を向けたという。兄弟揃って、迷惑な性格をしていたのだ。
いや、過去形にするのは正しくないかもしれない。
少なくとも自分に関しては。
「何でもない」
「本当に?」
サガはふわりとカーサの顔を覗き込む。近くで見ても端正な顔だ。だが、いくら整った顔立ちであっても、カーサは興味がなかった。
その入れ物の方には。
カーサは他人の心を暴くリュムナデスだ。
敵の心をあさり、もっとも愛する人間の姿を写し取る。そして、もっとも効果的に相手を無防備とする言葉を探す。
だから、興味があるのは外面ではなく、その中身。
数えきれぬほど多くの人間の精神を覗いてきたカーサをもってしても、サガは特異な人間だった。
「ならば、いつものように頼む」
万人を魅了する微笑もくせものだ。サガは二重人格者であるが、笑顔の裏に悪意が隠されているような、そんな単純な構造であれば恐ろしくは無い。
大抵の場合、サガは光と闇で構成されている。今のサガは光だ。
「アンタ、いつも当たり前のようにモノを頼むなあ」
「だが、いつも聞き入れてくれるだろう?」
サガの両手がカーサの頬を包む。彼は元教皇でもあったという(『偽の』ではあるが)。己の口から吐かれた言葉が、他人によって実行されることに慣れすぎているのではあるまいか。
ふう、とカーサは姿を変えた。
そこに現れたのは、サガと瓜二つの似姿。
しかしサガではない。彼の弟のカノンのほうだ。
リュムナデスの術によって、サガの心から映し出されたカノンは、中身までもカノンそのままに呆れの表情をみせる。
「兄さん、こんなことはもう止めたらどうだ」
「何故?」
サガはカノンの手を引く。ソファーへと弟を座らせ、自分はその隣へと腰を下ろす。肩を寄せ合う。
手を重ねるが何をするでもない、ただそれだけの時間。
だが、カノンは顔をゆがめた。
「本物に頼めよ、こういうことは」
「カーサ。折角100%同じに化けているのに、何故素の言葉で話す」
まるで、カーサの方が悪いかのように拗ねるから性質が悪い。
カノンの肩へ、サガは頭を乗せた。
「しかし、アンタがこうしたいのは俺ではなく、カノンだろう」
カノンの顔がカノンの声で、兄を諭す。
「何を馬鹿な」
サガはくすりと笑った。その妙に生活感のない明るさが、空っぽの冷蔵庫を思い起こさせる。
「カノンは血を分けた弟だぞ。弟に想いを寄せることなど、あるわけなかろう」
「じゃあ何で、俺をカノンに化けさせるのだ」
「カノンを裏切りたくない」
言っている事が、支離滅裂だ。
黙っってしまった弟に代わり、訥々と兄は話し続ける。
「弟を裏切らずに、他人を愛そうと思ったら、こうするしかないではないか」
「……」
「カノンは言うのだ。他人を愛する事を覚えろと」
「……」
「私にはお前しかいないのだよ、カーサ」
それは確かに、サガの望みを叶えようと思ったならば、世界広しといえども、他人を写し取るリュムナデスを相手にする以外ないだろうとは思うが。
光であり、善でありながら、闇を体現するサガは化け物だ。
降りかかった火の粉を被る羽目になっているカーサは、この後のサガとの半日を思い、また溜息を付いた。
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カーサ×サガとかまたマニアックな方向でごめんなさい。
でも好きなんだもん(>ω<)!
それでもオケという奇特な同士のみどうぞ(汗)
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海界での空は海面にあたる。それなりに深度があるはずの海の底に、水の層を透かして太陽の光が揺らめくのは、異界だからとしか言いようがない。
薄く色づいた青の光が、やわらかく白の神殿を染める。
南氷洋の主カーサは、その神殿の下で溜息をついた。
「何か、悩み事でも?」
玲瓏たる声で尋ねたのは、溜息の元凶である双子座のサガ。
声だけでなく、見目かたちも神の造形と評される美しい男。
かつて海界と対立していた聖域の黄金聖闘士であるにも関わらず、平気で海将軍神殿へ乗り込んでくる神経の太さは、その清楚な面持ちからは一見うかがい知る事が出来ない。
(アンタのせいだよ)
心の声を口にする事はせず、カーサはもう1度溜息をつく。
この美貌の聖闘士は、海将軍筆頭・カノンの双子の兄だ。
カノンはかつて海神ポセイドンを謀り、サガは女神へ刃を向けたという。兄弟揃って、迷惑な性格をしていたのだ。
いや、過去形にするのは正しくないかもしれない。
少なくとも自分に関しては。
「何でもない」
「本当に?」
サガはふわりとカーサの顔を覗き込む。近くで見ても端正な顔だ。だが、いくら整った顔立ちであっても、カーサは興味がなかった。
その入れ物の方には。
カーサは他人の心を暴くリュムナデスだ。
敵の心をあさり、もっとも愛する人間の姿を写し取る。そして、もっとも効果的に相手を無防備とする言葉を探す。
だから、興味があるのは外面ではなく、その中身。
数えきれぬほど多くの人間の精神を覗いてきたカーサをもってしても、サガは特異な人間だった。
「ならば、いつものように頼む」
万人を魅了する微笑もくせものだ。サガは二重人格者であるが、笑顔の裏に悪意が隠されているような、そんな単純な構造であれば恐ろしくは無い。
大抵の場合、サガは光と闇で構成されている。今のサガは光だ。
「アンタ、いつも当たり前のようにモノを頼むなあ」
「だが、いつも聞き入れてくれるだろう?」
サガの両手がカーサの頬を包む。彼は元教皇でもあったという(『偽の』ではあるが)。己の口から吐かれた言葉が、他人によって実行されることに慣れすぎているのではあるまいか。
ふう、とカーサは姿を変えた。
そこに現れたのは、サガと瓜二つの似姿。
しかしサガではない。彼の弟のカノンのほうだ。
リュムナデスの術によって、サガの心から映し出されたカノンは、中身までもカノンそのままに呆れの表情をみせる。
「兄さん、こんなことはもう止めたらどうだ」
「何故?」
サガはカノンの手を引く。ソファーへと弟を座らせ、自分はその隣へと腰を下ろす。肩を寄せ合う。
手を重ねるが何をするでもない、ただそれだけの時間。
だが、カノンは顔をゆがめた。
「本物に頼めよ、こういうことは」
「カーサ。折角100%同じに化けているのに、何故素の言葉で話す」
まるで、カーサの方が悪いかのように拗ねるから性質が悪い。
カノンの肩へ、サガは頭を乗せた。
「しかし、アンタがこうしたいのは俺ではなく、カノンだろう」
カノンの顔がカノンの声で、兄を諭す。
「何を馬鹿な」
サガはくすりと笑った。その妙に生活感のない明るさが、空っぽの冷蔵庫を思い起こさせる。
「カノンは血を分けた弟だぞ。弟に想いを寄せることなど、あるわけなかろう」
「じゃあ何で、俺をカノンに化けさせるのだ」
「カノンを裏切りたくない」
言っている事が、支離滅裂だ。
黙っってしまった弟に代わり、訥々と兄は話し続ける。
「弟を裏切らずに、他人を愛そうと思ったら、こうするしかないではないか」
「……」
「カノンは言うのだ。他人を愛する事を覚えろと」
「……」
「私にはお前しかいないのだよ、カーサ」
それは確かに、サガの望みを叶えようと思ったならば、世界広しといえども、他人を写し取るリュムナデスを相手にする以外ないだろうとは思うが。
光であり、善でありながら、闇を体現するサガは化け物だ。
降りかかった火の粉を被る羽目になっているカーサは、この後のサガとの半日を思い、また溜息を付いた。
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カーサ×サガとかまたマニアックな方向でごめんなさい。
でも好きなんだもん(>ω<)!
唐突になんちゃって特撮話。
拙宅サイト名は、ごらんの通り某特撮番組から頂戴したものです。
まだ物心つく前に放映していたその番組の主人公はアクマ族で、自分の種族を裏切って人間側についたものの、善悪二つの心を持つために、アクマの紋章の前では善悪の葛藤から激痛に苦しむという設定です。
敵ボスは「不滅の盾」を持ち、何度でも蘇る為に、通常の手段では倒す事が出来ません。
で、最終回で正義チームは、ボスを倒す為にとある必殺技を使います。
必殺技と書くとヒーローの技っぽいのですが、魔法陣を組んで三位一体で特攻をかけるという、多分に呪術的な技です。現に正義側のメンバーが、魔法陣の六芒星の編み方を間違えた為に、攻撃をしかけるもそのまま技を跳ね返されて死ぬというデンジャラスな結果に。
…当時は純粋な幼児だったので、この時点で「えっ、正義の側の戦士なのに死んじゃうの!?」とマジビビリですよ。
そして、この二軍の爆死のあと、主人公三人組が、同じ魔法陣を成功させて敵を倒します。倒すんですけど、成功と引き換えに敵ボスの呪いを受け、魂を封印されてしまうのです。
しかも、そこまでして倒したボスは、真のラスボスの配下でしかないのです。
お子様には相当なトラウマでした(´・ω・`)
また、「双子アクマ回路」というシステムを組み込まれた敵姉妹も出てまいりまして、これは、片方が正しい事をすると、もう片方が爆死するという欝システムです。
で、妹を助ける為に、お姉さん爆死しちゃうんだ…
サガとカノンだったらどうだろうと、今でも妄想してしまいます。
こう、三つ子の魂百までといいますか、子供だっただけに内容はちゃんとは覚えていないのですが(これを書くにもwikiの力を借りました)現在の管理人の趣味嗜好は、その当時の子供番組によって植えつけられた気がしてならないココロ。
脳内ワールドの中では星矢とリンクする部分が多いんですよ。実際にはリンクなどしていなくて、設定と設定の間に横たわる溝を、強引に琴線という名の妄想が繋いでいるという感じなのですが。
どんだけ強引かっていうとこんな感じです。
「不滅の盾」→何度でも復活する冥闘士
「不滅をも滅ぼす諸刃の魔方陣」→死と引換えの黄金十二人円陣太陽光
「主人公の封印」→ハーデスを倒してもインビジブルソードを受けて眠る星矢
トラウマ的な部分が、幼児体験時の感情を浮かび上がらせるのでしょうね。
琴線とトラウマは隣接する感情に違いない、と思うのはM的思考回路に違いない。
拙宅サイト名は、ごらんの通り某特撮番組から頂戴したものです。
まだ物心つく前に放映していたその番組の主人公はアクマ族で、自分の種族を裏切って人間側についたものの、善悪二つの心を持つために、アクマの紋章の前では善悪の葛藤から激痛に苦しむという設定です。
敵ボスは「不滅の盾」を持ち、何度でも蘇る為に、通常の手段では倒す事が出来ません。
で、最終回で正義チームは、ボスを倒す為にとある必殺技を使います。
必殺技と書くとヒーローの技っぽいのですが、魔法陣を組んで三位一体で特攻をかけるという、多分に呪術的な技です。現に正義側のメンバーが、魔法陣の六芒星の編み方を間違えた為に、攻撃をしかけるもそのまま技を跳ね返されて死ぬというデンジャラスな結果に。
…当時は純粋な幼児だったので、この時点で「えっ、正義の側の戦士なのに死んじゃうの!?」とマジビビリですよ。
そして、この二軍の爆死のあと、主人公三人組が、同じ魔法陣を成功させて敵を倒します。倒すんですけど、成功と引き換えに敵ボスの呪いを受け、魂を封印されてしまうのです。
しかも、そこまでして倒したボスは、真のラスボスの配下でしかないのです。
お子様には相当なトラウマでした(´・ω・`)
また、「双子アクマ回路」というシステムを組み込まれた敵姉妹も出てまいりまして、これは、片方が正しい事をすると、もう片方が爆死するという欝システムです。
で、妹を助ける為に、お姉さん爆死しちゃうんだ…
サガとカノンだったらどうだろうと、今でも妄想してしまいます。
こう、三つ子の魂百までといいますか、子供だっただけに内容はちゃんとは覚えていないのですが(これを書くにもwikiの力を借りました)現在の管理人の趣味嗜好は、その当時の子供番組によって植えつけられた気がしてならないココロ。
脳内ワールドの中では星矢とリンクする部分が多いんですよ。実際にはリンクなどしていなくて、設定と設定の間に横たわる溝を、強引に琴線という名の妄想が繋いでいるという感じなのですが。
どんだけ強引かっていうとこんな感じです。
「不滅の盾」→何度でも復活する冥闘士
「不滅をも滅ぼす諸刃の魔方陣」→死と引換えの黄金十二人円陣太陽光
「主人公の封印」→ハーデスを倒してもインビジブルソードを受けて眠る星矢
トラウマ的な部分が、幼児体験時の感情を浮かび上がらせるのでしょうね。
琴線とトラウマは隣接する感情に違いない、と思うのはM的思考回路に違いない。
大全のサガの頁に「心が邪悪に染まると共に、その髪は白から黒に変わり」と書いてあって、自分もサガ登場当時、ふつーに白髪(銀髪)だと思い込んでいた事を思い出しました。
全然話は変わって腐妄想なんですが、タナトスを双児宮に連れ込んでラブラブ(死語)なサガの場合、カノンが怒って「じゃあオレもポセイドンを連れてくるからな!」なんて事になったら周囲が大迷惑そうですよね!(いきなり飛ばした妄想ですみません)
タナトスは、ポセイドンが折角エリシオンへ送った黄金聖衣を破壊しているので、ポセイドンもちくちく嫌味を言いそうです(拙宅では、ポセイドンが黄金聖衣を飛ばしてくれて、その砕けた黄金聖衣成分と持ち主の魂のお陰で、星矢たちの神聖衣化が可能になったという捏造設定なので、無駄には終わってないんですが)。
タナトスとポセイドンですと、星矢世界ではポセイドンの方が格上ですよね。険悪な神々の機嫌をとる双子でも良いですし、険悪な双子がそれぞれに見せ付けるように神にべたべたして、神々が美味しい状態なのもいいなあ!
どっちのパターンでも周囲の宮は心臓痛くて大迷惑ですけど。
双子を通じて神々や異界の闘士が交流するようなお話も大好きです。
全然話は変わって腐妄想なんですが、タナトスを双児宮に連れ込んでラブラブ(死語)なサガの場合、カノンが怒って「じゃあオレもポセイドンを連れてくるからな!」なんて事になったら周囲が大迷惑そうですよね!(いきなり飛ばした妄想ですみません)
タナトスは、ポセイドンが折角エリシオンへ送った黄金聖衣を破壊しているので、ポセイドンもちくちく嫌味を言いそうです(拙宅では、ポセイドンが黄金聖衣を飛ばしてくれて、その砕けた黄金聖衣成分と持ち主の魂のお陰で、星矢たちの神聖衣化が可能になったという捏造設定なので、無駄には終わってないんですが)。
タナトスとポセイドンですと、星矢世界ではポセイドンの方が格上ですよね。険悪な神々の機嫌をとる双子でも良いですし、険悪な双子がそれぞれに見せ付けるように神にべたべたして、神々が美味しい状態なのもいいなあ!
どっちのパターンでも周囲の宮は心臓痛くて大迷惑ですけど。
双子を通じて神々や異界の闘士が交流するようなお話も大好きです。
サイトのTALK頁にアンケート結果を格納致しました(^-^)
結果頁でも書かせて頂きましたが、上位3項目が全部聖衣以外なのです。さすがサガ。
票が入った闘衣については、どれも脳内でサガに着用させてはニラニラしていました。あと、神の冥衣を着せてもらったサガに、他の所持聖衣たち(双子座の聖衣と冥衣)がむくれるといいなとかまで妄想しました。
双子座聖衣のほうは直球で不満げですが、双子座冥衣の方は、一応自分の作成者&守護すべき神の冥衣にあたるので、いっそう複雑ですよ。「でも自分の方が似合う…」と心の中で主張していそうです。
シードラゴンの鱗衣は、「主(カノン)の双子の兄が自分を着こなせるのは当然」という感じで割とクール。サガがどの闘衣を着用しようが、自分にはあまり関係ないので冷静です。むしろ主のカノンの方が(略)。
皆様のご投票のお陰でとても楽しかったです。またこういったアンケートをやらかし始めた折には、ご協力いただければ幸いです(ぺこ)
アンケートご協力有難う御座いました。
68票頂戴いたしました。ニ重投票なしの仕様でしたので、約1週間という短い投票期間にしては(そして拙宅のような弱小サイトにしては)随分多くの方にご協力頂いたと思います。嬉しさで小躍りしております。
結果は近々まとめてアップさせて頂きます(>▽<)
それにしても太陽のまぶしい季節になってまいりました。
以下、エピG経由の聖戦後妄想。
=============================
ギリシアの夏は日差しが強い。
アイオロスは石段に腰を下ろし、照りつける太陽に瞳を細めた。
向こうからアイオリアとサガが歩いてくる。組み手でもしたのだろう、二人とも軽く汗をにじませている。
サガの銀髪もアイオリアの金髪も、太陽を反射して輝くようだ。
「紫外線、強そうだなあ」
見とれつつも、思わずアイオロスは呟いた。
零した言葉が届いたのか、アイオリアがにこりと笑う。
「何を言っているんだ兄さん、当然紫外線はカットしているよ」
「西ヨーロッパで日差し対策は常識だろう、アイオロス」
サガの声が続く。アイオロスは目をぱちりとさせた。
「まさかお前たち、紫外線カットの化粧品などを使っているのか?」
サガはともかく、アイオリアがそのような類のものに興味を持つとは思えない(ちなみに、アイオロスはサガの性格に対して、やや誤解がある)。
意外さが声にも滲んだのだろう、アイオリアが呆れたように答えた。
「兄さん、小宇宙で遮断しているに決まっているだろう」
「…は?」
「アイオリアの言うとおりだ。遮断しすぎもカルシウムの減少を招くゆえ、適宜にな」
「…ちょっと待て、小宇宙でどうやって」
アイオロスの目が点になる。
しかし、サガとアイオリアの二人は、アイオロスが何を驚いているのか判らずに首を捻った。
「放射能を遮断するより簡単だぞ、兄さん」
「ああ、確かアイオリアは原発テロの現場に派遣された事があったな…聖闘士になりそこねた男が外界に迷惑をかけたゆえ、私が抹殺の命を下したのだった。あの頃のお前は、まだ髪を赤く染めていた」
「サ、サガ、それは兄さんに言わないでくれ!」
「良いではないか。アイオロスもお前の昔の話は聞きたいと思うぞ、なあアイオロス?」
「……………」
問いかけられるも、アイオロスは遠い目のままで。
(確かに常よりも、サガとアイオリアの身体を濃い目の小宇宙が包んでいるなとは思っていたが)
額を片手で押さえた射手座を、サガが「貧血か?」と心配そうに覗き込む。
(アテナよ、俺が死んでいる間に、何だか弟と友人が人外になってしまった気がします)
それでも、彼らからの愛情が変わらぬ事に感謝しつつ、アイオロスは大丈夫だと笑い返した。
=============================
原作アイオロスが蘇生されて、エピG経由の二人(特に弟のアイオリア)を見たら、相当びっくりする予感。でも射手座は器用なので、すぐに小宇宙の応用技も覚えそう。
68票頂戴いたしました。ニ重投票なしの仕様でしたので、約1週間という短い投票期間にしては(そして拙宅のような弱小サイトにしては)随分多くの方にご協力頂いたと思います。嬉しさで小躍りしております。
結果は近々まとめてアップさせて頂きます(>▽<)
それにしても太陽のまぶしい季節になってまいりました。
以下、エピG経由の聖戦後妄想。
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ギリシアの夏は日差しが強い。
アイオロスは石段に腰を下ろし、照りつける太陽に瞳を細めた。
向こうからアイオリアとサガが歩いてくる。組み手でもしたのだろう、二人とも軽く汗をにじませている。
サガの銀髪もアイオリアの金髪も、太陽を反射して輝くようだ。
「紫外線、強そうだなあ」
見とれつつも、思わずアイオロスは呟いた。
零した言葉が届いたのか、アイオリアがにこりと笑う。
「何を言っているんだ兄さん、当然紫外線はカットしているよ」
「西ヨーロッパで日差し対策は常識だろう、アイオロス」
サガの声が続く。アイオロスは目をぱちりとさせた。
「まさかお前たち、紫外線カットの化粧品などを使っているのか?」
サガはともかく、アイオリアがそのような類のものに興味を持つとは思えない(ちなみに、アイオロスはサガの性格に対して、やや誤解がある)。
意外さが声にも滲んだのだろう、アイオリアが呆れたように答えた。
「兄さん、小宇宙で遮断しているに決まっているだろう」
「…は?」
「アイオリアの言うとおりだ。遮断しすぎもカルシウムの減少を招くゆえ、適宜にな」
「…ちょっと待て、小宇宙でどうやって」
アイオロスの目が点になる。
しかし、サガとアイオリアの二人は、アイオロスが何を驚いているのか判らずに首を捻った。
「放射能を遮断するより簡単だぞ、兄さん」
「ああ、確かアイオリアは原発テロの現場に派遣された事があったな…聖闘士になりそこねた男が外界に迷惑をかけたゆえ、私が抹殺の命を下したのだった。あの頃のお前は、まだ髪を赤く染めていた」
「サ、サガ、それは兄さんに言わないでくれ!」
「良いではないか。アイオロスもお前の昔の話は聞きたいと思うぞ、なあアイオロス?」
「……………」
問いかけられるも、アイオロスは遠い目のままで。
(確かに常よりも、サガとアイオリアの身体を濃い目の小宇宙が包んでいるなとは思っていたが)
額を片手で押さえた射手座を、サガが「貧血か?」と心配そうに覗き込む。
(アテナよ、俺が死んでいる間に、何だか弟と友人が人外になってしまった気がします)
それでも、彼らからの愛情が変わらぬ事に感謝しつつ、アイオロスは大丈夫だと笑い返した。
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原作アイオロスが蘇生されて、エピG経由の二人(特に弟のアイオリア)を見たら、相当びっくりする予感。でも射手座は器用なので、すぐに小宇宙の応用技も覚えそう。