そう言ってやったら、サガは眼をパチリと瞬かせ、それから
「そんなことはない」
と、何時ものようにおっとりとも聞こえる声で答えた。
ああ、こいつには1日両手分も人類を心の中で滅亡させているオレの内面なんて、理解できやしないのだと思う。心の中で殺した人間の数に比べたら、実際に手をかけた奴の数なんてささいなものだ。
オレの怒りには理由なんてない。だから和らげる方法も判らない。八つ当たりをする以外に、この憎しみを宥める手段を持たない。人は死ねばいい。世界は滅べばいい。オレは世界を呪っている。
するとサガは眼を伏せた。
「私もお前と変わらない。私は…代わりに心で神を殺している」
声にならない後半の呟きは、オレの耳に届く事はなかった。
以下、昨晩書くはずだったラダカノでタナサガ前提な冥界会議
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冥府の片隅で三巨頭が珍しくも真剣な顔で顔をつき合わせている。
互いにそれ程仲が良いとはいえない三人であったが、聖戦後はほぼ壊滅した自軍の建て直しと界の復興の為に、協力せざるをえない場面が増えたのだ。
「今までは敗北を喫しつつも、拮抗していた冥界軍と女神軍の戦力バランスが、随分と崩れているように思う」
アイアコスが吐き出し、残りの顔ぶれもそれに頷く。
「特に神聖衣とやらの存在は脅威ですね。神をも倒すほどの闘衣というのは反則的ですよ」
「冥衣も強化を望めないだろうか。その、神の血で」
ミーノスとアイアコスが言うも、隣でラダマンティスが首を振った。
「無理だろうな。ハーデス様は己の肉体を愛しておられる。かつてペガサスに付けられた傷ひとつを理由に、エリシオンへ閉じ篭ったお方だぞ。そんなお方が我らの為に身体を傷つけ血を与えてくださると思うか」
「そうなんだよなあ…」
アイアコスが溜息を付く。ミーノスも表情は変えぬものの、方法が判っていながら得られぬ戦力を前にして、内心穏やかにはいられないに違いなかった。ミーノスは、神の道でその差異を見せ付けられている。戦う前から闘衣の差で決着がついてしまうのではたまらない。
すると、隣から穏やかな提案がなされた。
「ハーデスの血は無理でも、従属神の体液あたりならば如何か」
「なるほど、ハーデス様の血では恐れ多いが、あの連中ならば…っうお!?何故貴様がここに居るのだサガ!」
真横にいたラダマンティスが、重鎮らしからぬ驚きを見せ、それを隠すように聖域の将へと突っ込む。ここは冥府の最深部である。ハデな黄金聖衣を着用した聖闘士が、簡単に侵入できて良い場所ではないのだ。
一方サガは、翼竜がイライラするほどの長閑な口調で答えた。
「エリシオンへ向かう途中なのだが、通り道である冥界の現場責任者…お前たちにも、挨拶をしておくべきかと思ってな」
聖域の黄金聖闘士の主格である彼は、何故か冥界の神であるタナトスと交流が深い。同盟が結ばれたとはいえ、勝手に冥府を行き来する者たちの存在はラダマンティスの頭痛の種だ。
頭を抱える翼竜の横で、ガルーダとグリフォンが何だという顔をした。
「サガの方だったのか」
「てっきりカノンかと思ったので黙っていましたよ」
ラダマンティスは思わず同僚二人にも突っ込む。
「気づいていたのなら言え!カノンであろうが良いわけなかろう!」
しかし、同僚二人は冷ややかな視線を返した。
「そいつ、当たり前のようにお前の隣に行ったからさ」
「カノンは貴方の城にも足繁く通っているのでしょう?今更咎めるのもヤボかと思いまして」
名目は真面目な三巨頭会議であったにもかかわらず、話題のせいで口調が次第に日常用へと戻ってきてしまっている。
もう一つの頭痛の種に話題が移行しそうになり、ラダマンティスは咳払いをすると無理やり話を元へ戻した。
「た、確かに体液でも神のものであれば効果はありそうだ。しかし、あのようなもので代用などと、貴様は冥闘士を愚弄するつもりか」
サガとタナトスの関係を知っているだけに、サガの提案はラダマンティスにとっては破廉恥な言い分にしか聞こえない。
アイアコスとミーノスも渋い顔をした。
「戦で手段は選ぶなと思うが…オレも嫌だ」
「まあ、殆どの兵士は嫌がるのではないですか?小宇宙とはいわば『やる気』のようなもの。冥衣のパワーがアップしても士気が下がっては、使いこなせず無用の長物になりかねません」
ラダマンティスは、珍しく意見の一致をみた同僚に同意する。
「全くだ。せめてハーデス様のものなら考えるが」
「「えええっ!?」」
しかし同僚の方はラダマンティスの意見に賛同しなかった。
「お前、カノンに言いつけてやろうか」
「貴方にそういう趣味があったとは」
「か、カノンは関係ないだろう!それに趣味などではない!選択を迫られればの話だ!」
すっかり会議ではなくなっている。
喧々囂々とやりあっている三巨頭を前にして、サガは黄金聖衣をキラキラさせながら首を傾げて見せた。
「タナトスの涙が、何故それほどまでに嫌われるのだ?」
三巨頭の会話がぴたりと止まる。
確かにサガは体液としか言っていなかったが。
サガは立ち上がると、にこりと言い放った。
「まあ、タナトスがお前たちの為に涙を流す事など、血を流す以上にありえなさそうだがな」
立ち去っていくサガの背中に、ラダマンティスの怒声が響く。
「お、お前…統合サガだな!」
振り向いたサガは、それこそ神のごとく悠然と微笑んだ。
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ぐだぐだ会議。
こんなだったら本当にサガとカノンは「聖域の迷惑双子」と冥界で呼ばれていそうです。でも下級冥闘士たちには人気に違いない(またご都合ドリームが)
よ、夜にお返事をと書いておきながら寝てしまい、朝になるのは拙宅では仕様です(土下座)
昨日は素敵小説をowleyesさんから頂いたんですよ!(寝てしまったので気づいたのは朝でしたが…)タナサガですよタナサガ!(ロスサガ前提)是非リンクからowleyesさんのサイトへ飛んで最新版をご覧下さい(>▽<)
時間を置いて拙宅でも転載させて頂く気満々です。
それで、先日ブログで吐き出していた、神の血の代わりに白い体液で代用する…というネタですが、血の代わりにタナトスあたりの精●を冥衣にかけられたら、三巨頭(というかラダマンティス)は泣きますよね。
そんな下らない小ネタを出勤前に書こうと思ったのですが時間切れでした。夜に早めに帰れたらこっそりこの下にでも書き足します。
ヒュプノスの夢釣りの話を書いておいて何ですが、サガは精神系の攻撃には凄く強そうですよね。
もともと精神力はあきれるほど強いですし、自身も精神系の技をもっておりますし、白サガへの精神的な誘惑ならば、黒サガのほうが同じ自分だけに、深くえげつなく弱点を突いてきそうですし。しかも13年間それに屈しきる事はないという。
カノンとサガが同じ一輝の技をくらったときの反応を思うと、サガは(技の相殺があったであろうとはいえ)己の勝利という都合の良い幻影を見たのに対し、海界でのカノンはお兄さんに怒られてる過去を思い出すわけですよ。どんだけカノンの中をお兄さんが占めてるの…カノン可愛いすぎる…
百万回言われてますが、カノンがカーサの技にかかったら、絶対にサガが真っ先に出てきますね!でも、そんなカノンが大好きですよ!(>▽<)
ヒュプノスの夢釣りをカノンでもやりたいなあと思っていた矢先、他所様で素敵夢神様が見れたので嬉しさでもだもだしました。ホントにヒュプノスはあちこちで人間の夢に介入して遊べばいいのに。
今日もぱちぱち有難う御座います(^▽^)一日の活力源です!返信は仕事から戻った夜にさせて下さいね。
友人と宝飾工房のお店を見ていたときの事。
友人「あっ、ほら、ネプチューントパーズ!」
私「えっ、うん、どうしたの急に」
友人「ほら、双子の弟の」
私「カノンのことなら、シードラゴンなんだ…」
友人「ネプチューンじゃないのか?!海に居たのに!」
私「ちなみに、仕えていたのはポセイドンね…」
相変わらずハンパに星矢を覚えようとしてくれてありがとうTちゃん。オフでは唯一星矢のことを話せる相手がこんな状態です(T▽T)。オタ話に飢えています。
でも惜しい!ポセイドントパーズだったら迷わずネタにしていました!
サガが海界に来ている時、ポセイドンがわざとカノンを寵愛しまくって、サガを妬かせよう作戦を敢行しないかな。サガが妬いたのを見てカノンが慌てるのを楽しむ二重構造。でもサガは中々妬かない上、妬いたと思ったら「居心地がよさそうだな。もう暫く海界でゆっくりしてくるといい」などと言ってカノンを置いて帰ってしまい、カノンがしょんぼり。
ポセイドンがやりすぎたと気づいて、いろいろフォローしてくれるような、そんなご都合妄想。双子は可愛いですよね!私がポセイドンならあの双子をいじりまくりますよ!翼竜やアイオロスまでご招待して、四人同じ場所に置いたらどうなるか観察とかね!
でもってソレントに「人間関係で遊ぶのはお止めください」と怒られるのです。妄想の世界は自由でいいですね。