星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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シードラゴン用に用意されている海底神殿の貴賓室で、サガは寛いでいた。珍しく黒髪である。ソファーにゆったりと背を預け、海界の書物に目を通している様子は、神殿の主であるかのような遠慮のなさに見えるが、双児宮であれば寝そべっているところだ。彼なりに一応TPOをわきまえてはいるのだ。
そのサガが顔を上げて部屋の入り口を見た。
「入っても構わんぞ」
「流石だな、気配は隠していたのだが…」
扉を開けて姿を見せたのは、サガと同じ顔をした男だった。ただし色違いの。
カノンではない。写し身のごとく同じ見た目であっても、醸し出される空気が明らかに異なっている。
『きらきら』という効果表現がぴったりのオーラを身に纏い、微笑みかけてくるその姿は、白サガと呼ばれているもう一人のサガそのものだった。
「わたしに驚かないのか?」
「フン、近しい人間の姿で近づくバケモノの話ならば、カノンやアレを通じて知識を得ている」
アレというのは、もちろんもう一人の本物の白サガのことだ。
「それに、随分扉の向こうで時間をかけていたようではないか。あれだけ時間があれば、あほうとて気づくわ」
「…時間がかかったのは、お前のせいだとわかっているくせに」
白サガの姿をとったカーサは、擬態のまま拗ねたように黒サガへ反駁する。
「ああ、時間がかかったわりに期待通りの姿ではなかった」
「当たり前だ!何故1番大切な相手の姿を全裸で思い浮かべるのだ!もう一人とはいえ自分の裸であろう!うっかり読み取ったまま全裸で室内へ突入するところだったわ!化けた身体に服を纏わせるのに時間がかかったのだ!」
「ふむ、怒り方はなかなか似ている」
どこかサガは機嫌が良さそうだった。本を置いて立ち上がると、カーサの化けた白サガの傍による。そのまま何の予備動作もなく白サガの法衣をスカートめくりのように手で摘まんで持ち上げたので、思わず白サガは黒サガの頭をはたいた。
「何をする、痴れ者が!」
「下着を履いているのか」
「当たり前だ。そこは実物と違えど無視させてもらった」
「精度の低い擬態だな」
「…お前、わたしの訪れに気づいていて、わざとからかうために心を改竄していただろう」
「改竄とは人聞きの悪い。見せる領域をこちらで設定しただけだ。だが、さすがに海将軍、こちらの小細工には気づいていたか」
「二番目に大切な領域として設定されていたところに、シードラゴンの裸エプロン姿があった時点で普通は気づく!同僚の裸エプロンなど、どんな精神トラップだ!」
「アレはカノンのことをシードラゴンとは呼ばぬぞ」
駄目だしを押しつつも、黒サガは白サガの頬に手を伸ばし、そっと触れる。
「今からその姿のお前に幻朧魔皇拳をかけても良いか?」
さも謙虚な姿勢をみせているかのような発言をしだした黒サガへ、カーサはキッパリ「超断る」と素の言葉で返した。

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拙宅では海将軍と仲の良いサガですが、なかでもカーサとは軽口叩く仲です。何度か練習用に心を覗かせているうちに仲良くなりました。黒サガとは初めてですが、黒サガも白サガと同じ距離感でカーサに接してました意外です。
うあもう出勤時間なので頂いた拍手へのご返信は夜にでも(>ω<)
ぱちぱち有難うございます!超元気を頂いております!
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