星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
23日のSSの続き
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「思うに、あれは育った環境が悪いと思うんだよね」
目の前のアイオロスが、ため息をついてグラスを呷った。中身はオレンジジュース。貴様なんぞにまともな飲み物を用意する気はない…という意思表示だったのだが、美味しそうに飲まれている。お子様なのか大物なのかワカラン。
「次期教皇が聖域を批判していいのか。というか、海界までお前は愚痴を言いに来たのか」
「カノンなら、私の言っていることを判ってくれると思ったからさ」
突然アイオロスから来訪の予告があり、緊急の案件かとシードラゴンの鱗衣フル着用で出迎えてみれば、個人的な用件だという。
それでもそんなことは建前で、外では話せぬほど内密の案件かもしれないと、北大西洋の宮殿に部屋を用意して話を聞いてみれば、思った以上に個人的すぎる内容なのだった。
「サガってさ、双子座としては君を影としていたわけだろう?」
「サガがそうしたかったわけじゃない。双子座は代々そういうシステムなんだ」
「どっちにしろ、影の君はサガの振りしなきゃならなかったんだろ?」
「まあな」
「そしてサガは己の中にも闇を持っていた。二つの人格はせめぎ合い、負けたほうは身体の主導権を譲らねばならなかった」
「ああ」
「だから、サガは勘違いしてるんだよ」
「何をだ」
「相手に負けて自分が優位に立てなかったときや、自分が影の役目を担う時には、その相手に全てを譲らなきゃならないと思ってる。アイデンティティーまで含めて。それ以外を知らないんだ」
ぎり…と握る拳に力が篭ってしまう。
こいつはサガのことを本当に良く見ている。
「次期教皇サマとしては、最大のライバルとなるであろう未来の補佐が従順なのは嬉しいんじゃねえの?」
もちろん厭味だ。
サガがまたおかしくなりはじめている事は知っていた。いや、聖域の他の連中はそんな風には考えず「過去を反省しておとなしくなった」「アイオロスとも仲良くやっている」と思っているだろう。
オレからすれば、覇気のないサガなんて気持ち悪くてしょうがない。他人に何と言われようが、こいつを押しのける勢いで、また頂点を目指せばいいのに。
「私が補佐に欲しいのは、意見を切磋琢磨できる相手であって、私の言葉を繰り返すオウムじゃないんだよ」
このやろう、サガを鳥扱いしたな。
自分の聖衣に羽があるからってサガを同類にするな。
「それは直接あの馬鹿に言え」
そう言ってやると、アイオロスは初めて困ったような顔をした。
「その、こんなこと言ってサガに嫌われたくないし。君ならいい案を出してくれそうかなと」
ここで殴らなかった自分を褒めたい。
出かかった拳を、海将軍筆頭である自分の立場と次期教皇たる射手座の立場を考えて、なんとか押さえた。これが双児宮だったら殴ってた。
「知るか、お前とサガの問題だろう。勝手にしろ」
しかし、アイオロスはグラスを手にしたまま、きょとんとした。
「私とサガの問題にしてしまっていいのか?」
何か自分が取り返しのつかない失言をしたような、嫌な予感がする。
「君はサガの半身みたいだから、君の意向も聞いておこうと思ったけれど、好きにしていいのなら勝手にしてしまうよ?何せ未来の補佐殿は私に従順だからね」
さきほどのオレの台詞は、厭味として通じていたらしい。
部屋の空気が一変する。
「私は贅沢なのかもしれない。どうせならサガが自分の意志で跪いてくれないと、気に食わないんだよ」
「…貴様にサガを渡すものか」
「そう?」
アイオロスの笑顔の後ろに、昔サガに感じたのと同じ闇が見えた。
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それにしても今日は寒かったですね(>x<)
寒い時には温泉!温泉とくればサガ!アイオロスとサガにも温泉旅行に行かせたいココロ!
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「思うに、あれは育った環境が悪いと思うんだよね」
目の前のアイオロスが、ため息をついてグラスを呷った。中身はオレンジジュース。貴様なんぞにまともな飲み物を用意する気はない…という意思表示だったのだが、美味しそうに飲まれている。お子様なのか大物なのかワカラン。
「次期教皇が聖域を批判していいのか。というか、海界までお前は愚痴を言いに来たのか」
「カノンなら、私の言っていることを判ってくれると思ったからさ」
突然アイオロスから来訪の予告があり、緊急の案件かとシードラゴンの鱗衣フル着用で出迎えてみれば、個人的な用件だという。
それでもそんなことは建前で、外では話せぬほど内密の案件かもしれないと、北大西洋の宮殿に部屋を用意して話を聞いてみれば、思った以上に個人的すぎる内容なのだった。
「サガってさ、双子座としては君を影としていたわけだろう?」
「サガがそうしたかったわけじゃない。双子座は代々そういうシステムなんだ」
「どっちにしろ、影の君はサガの振りしなきゃならなかったんだろ?」
「まあな」
「そしてサガは己の中にも闇を持っていた。二つの人格はせめぎ合い、負けたほうは身体の主導権を譲らねばならなかった」
「ああ」
「だから、サガは勘違いしてるんだよ」
「何をだ」
「相手に負けて自分が優位に立てなかったときや、自分が影の役目を担う時には、その相手に全てを譲らなきゃならないと思ってる。アイデンティティーまで含めて。それ以外を知らないんだ」
ぎり…と握る拳に力が篭ってしまう。
こいつはサガのことを本当に良く見ている。
「次期教皇サマとしては、最大のライバルとなるであろう未来の補佐が従順なのは嬉しいんじゃねえの?」
もちろん厭味だ。
サガがまたおかしくなりはじめている事は知っていた。いや、聖域の他の連中はそんな風には考えず「過去を反省しておとなしくなった」「アイオロスとも仲良くやっている」と思っているだろう。
オレからすれば、覇気のないサガなんて気持ち悪くてしょうがない。他人に何と言われようが、こいつを押しのける勢いで、また頂点を目指せばいいのに。
「私が補佐に欲しいのは、意見を切磋琢磨できる相手であって、私の言葉を繰り返すオウムじゃないんだよ」
このやろう、サガを鳥扱いしたな。
自分の聖衣に羽があるからってサガを同類にするな。
「それは直接あの馬鹿に言え」
そう言ってやると、アイオロスは初めて困ったような顔をした。
「その、こんなこと言ってサガに嫌われたくないし。君ならいい案を出してくれそうかなと」
ここで殴らなかった自分を褒めたい。
出かかった拳を、海将軍筆頭である自分の立場と次期教皇たる射手座の立場を考えて、なんとか押さえた。これが双児宮だったら殴ってた。
「知るか、お前とサガの問題だろう。勝手にしろ」
しかし、アイオロスはグラスを手にしたまま、きょとんとした。
「私とサガの問題にしてしまっていいのか?」
何か自分が取り返しのつかない失言をしたような、嫌な予感がする。
「君はサガの半身みたいだから、君の意向も聞いておこうと思ったけれど、好きにしていいのなら勝手にしてしまうよ?何せ未来の補佐殿は私に従順だからね」
さきほどのオレの台詞は、厭味として通じていたらしい。
部屋の空気が一変する。
「私は贅沢なのかもしれない。どうせならサガが自分の意志で跪いてくれないと、気に食わないんだよ」
「…貴様にサガを渡すものか」
「そう?」
アイオロスの笑顔の後ろに、昔サガに感じたのと同じ闇が見えた。
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それにしても今日は寒かったですね(>x<)
寒い時には温泉!温泉とくればサガ!アイオロスとサガにも温泉旅行に行かせたいココロ!