星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
昨日は、最近通販で購入させて頂いたサガ関連同人誌を山ほど堪能した休日でした。
幸せ!皆様お話を創作する能力が凄いです。萌えとストーリーの絶妙な練り上げ具合。
他人様の作品を拝見するたびに、物語性を感じさせる文章力や画力が欲しいなあと思うのでした。
拍手お返事は夜にさせて頂きます!(^◇^)
幸せ!皆様お話を創作する能力が凄いです。萌えとストーリーの絶妙な練り上げ具合。
他人様の作品を拝見するたびに、物語性を感じさせる文章力や画力が欲しいなあと思うのでした。
拍手お返事は夜にさせて頂きます!(^◇^)
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ロドリオ村は小さな田舎町だ。
村人は質素な生活を営んでおり、こじんまりとした店の幾つか集まる中央の広場が、村一番の繁華地だった。
サガはその店の一つに足を踏み入れた。
ショーケースの中には、甘そうな焼き菓子や、色とりどりの飴が並んでいる。
自給自足の聖域で暮らすサガからみると、嗜好品というだけで充分贅沢に思えるが、贈り物として渡すものはもう少し体裁の整ったお菓子が良いだろうと、店の奥の方へと足を運んだ。
奥の棚には、多少高級そうな贈答用の菓子箱が並んでいた。
今日がバレンタインという稼ぎ時なイベントであることもあって、一角には綺麗にラッピングされた、手頃な価格の物も並んでいる。
見るからに女性達が喜びそうな、可愛くて華やかな品々だ。
しかしサガにはどれも同じに見えてしまう。
生活能力がわりと低めなサガにとって、こういった店に一人で買物に来るという時点で、スキルの殆どを使い果たしている。
普段の生活品や食料の購入はどうしているのかというと、村人が差し入れてくれたり、行きつけの店の馴染みの店員がサガの希望を聞き、いろいろ見繕ってくれる。それに対してサガはお金を渡すだけなのだ。
ある意味、とてもボラれやすそうな箱入り聖闘士なのだが、品物の良し悪しを見分ける眼力だけはあるものだから、今のところ被害に遭ったことはない。
ただ、その判定能力もここでは役立たなかった。
どれもそれなりに良さそうだ…となると、あとは買い手のセンスの問題だからだ。
誰にどの程度の何を買えば良いのか、サガが悩みながら立ちすくんでいる合間にも、何人もの客がプレゼントを選んでは購入していく。
悩んでいるわりに回答が見つからず、時間だけが過ぎている。
(こうなったら次に来た客の真似をして、同じものを買おう)
サガは気遣い屋であるが、一線を越えるとアバウトだった。
そんなわけで、扉の方をちらちら見ながら次の客を待っていると、そこへ飛び込んできたのはサガの見知った顔だった。
「星矢!?」
思わず驚いて声をかけると、元気に店主へ挨拶していた星矢がサガの方を振り向く。
「あれ?サガじゃないか。サガもプレゼントを買いにきたのか」
子供らしい笑顔を浮かべて、星矢はサガへと駆け寄ってきた。
「星矢が何故ここに?」
目を丸くして尋ねるサガへ、星矢は当たり前のように返す。
「サガと同じでバレンタインの用意だよ。ロドリオ村の姉さんと魔鈴さんと…あと沙織さんとシャイナさんにも買った方がいいかな」
言いながら、早くも買物かごの中へお菓子を放り込んでいる。
考えてみれば、数少ない聖域近辺の菓子店で、このような行事日に鉢合わせる確率は高いに決まっていた。
(見事に渡す相手が女性ばかりだな…)
それが世間的には普通なのだが、聖域育ちのサガはそこもズレていた。
とりあえず、サガは星矢をこの場での救世主とみなした。
「星矢、すまぬが頼みがある」
「何?」
「その、菓子を選ぶのを、手伝って欲しい」
星矢は目をぱちくりとさせた。
「サガが好きなのを適当に選べばいいんじゃないか?予算は?」
「その適当というのが判らないのだ。普通は幾らぐらいの菓子を贈るものなのだろうか」
当のサガは真剣に困っていて、縋るような目つきになっている。
星矢は笑って並んでいる菓子の説明をしてやり、サガの予算と購入個数を聞いて簡単なアドバイスをした。バレンタイン用に包装されたものは割高なので、美味しくてお勧めな菓子を買い、自分でラッピングするという方法も教えておく。
悩みの晴れた顔で礼を言うサガだったが、まだ何か口ごもっていた。
「サガ、ここまで来たら全部聞いてやるから言ってみなよ」
促すと、年上の黄金聖闘士は、普段の取り澄ました完璧さからは程遠い表情で、ぼそりと呟いた。
「お前に…お前にも買いたいのだが、お前はどれが好きだろうか」
星矢は思わず笑い出した。
このサガが、贈り物の品を直接本人に尋ねる程、本当に悩んでいたのだ。
その場で値段が判ってしまうだろうとか、予算を先に聞いているのに高いものは頼みにくいぞとか、そんな相手への配慮まですっ飛ぶほどいっぱいいっぱいでいる。
(この人、本当に生活面では不器用なんだな…)
しかし星矢は、それをサガに気づかせないためにも、遠慮しない事にした。
「こっちのドライフルーツ入りケーキがいいな。日持ちするし姉さんが世話になってる家の人と一緒に食えそうだから。あと、アドバイス代としてこっちの生チョコも一箱欲しい」
「生チョコ?」
「生クリームたっぷりの柔らかいチョコ。美味しいからサガも食べてみなよ」
首をかしげているサガへ、店主が試食用の生チョコを1つ持ってきてくれた。
星矢と店主が顔見知りであるという理由だけでなく、二人が大量に購入するとみてのサービスだろう。
賽の目状の生チョコを摘んで口に入れたサガの顔が、ぱああっと綻んだ。
「…美味い」
「だろ?」
「お前が勧めるだけある味だ」
甘いもの好きなサガは相当気に入ったようで、自分用にも生チョコの箱をかごへ追加している。
「サガとお揃いのチョコか…悪くないかも」
星矢がこそりと呟いたのにも気づかず、サガは大量の菓子類をその店で購入すると、嬉々としながら双児宮へ戻って行ったのだった。
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今回は先にあげると言われたので、貰うだけに留めた星矢なのです。
ホワイトデーにお返し遊園地デートでもするといいよ!
ロドリオ村は小さな田舎町だ。
村人は質素な生活を営んでおり、こじんまりとした店の幾つか集まる中央の広場が、村一番の繁華地だった。
サガはその店の一つに足を踏み入れた。
ショーケースの中には、甘そうな焼き菓子や、色とりどりの飴が並んでいる。
自給自足の聖域で暮らすサガからみると、嗜好品というだけで充分贅沢に思えるが、贈り物として渡すものはもう少し体裁の整ったお菓子が良いだろうと、店の奥の方へと足を運んだ。
奥の棚には、多少高級そうな贈答用の菓子箱が並んでいた。
今日がバレンタインという稼ぎ時なイベントであることもあって、一角には綺麗にラッピングされた、手頃な価格の物も並んでいる。
見るからに女性達が喜びそうな、可愛くて華やかな品々だ。
しかしサガにはどれも同じに見えてしまう。
生活能力がわりと低めなサガにとって、こういった店に一人で買物に来るという時点で、スキルの殆どを使い果たしている。
普段の生活品や食料の購入はどうしているのかというと、村人が差し入れてくれたり、行きつけの店の馴染みの店員がサガの希望を聞き、いろいろ見繕ってくれる。それに対してサガはお金を渡すだけなのだ。
ある意味、とてもボラれやすそうな箱入り聖闘士なのだが、品物の良し悪しを見分ける眼力だけはあるものだから、今のところ被害に遭ったことはない。
ただ、その判定能力もここでは役立たなかった。
どれもそれなりに良さそうだ…となると、あとは買い手のセンスの問題だからだ。
誰にどの程度の何を買えば良いのか、サガが悩みながら立ちすくんでいる合間にも、何人もの客がプレゼントを選んでは購入していく。
悩んでいるわりに回答が見つからず、時間だけが過ぎている。
(こうなったら次に来た客の真似をして、同じものを買おう)
サガは気遣い屋であるが、一線を越えるとアバウトだった。
そんなわけで、扉の方をちらちら見ながら次の客を待っていると、そこへ飛び込んできたのはサガの見知った顔だった。
「星矢!?」
思わず驚いて声をかけると、元気に店主へ挨拶していた星矢がサガの方を振り向く。
「あれ?サガじゃないか。サガもプレゼントを買いにきたのか」
子供らしい笑顔を浮かべて、星矢はサガへと駆け寄ってきた。
「星矢が何故ここに?」
目を丸くして尋ねるサガへ、星矢は当たり前のように返す。
「サガと同じでバレンタインの用意だよ。ロドリオ村の姉さんと魔鈴さんと…あと沙織さんとシャイナさんにも買った方がいいかな」
言いながら、早くも買物かごの中へお菓子を放り込んでいる。
考えてみれば、数少ない聖域近辺の菓子店で、このような行事日に鉢合わせる確率は高いに決まっていた。
(見事に渡す相手が女性ばかりだな…)
それが世間的には普通なのだが、聖域育ちのサガはそこもズレていた。
とりあえず、サガは星矢をこの場での救世主とみなした。
「星矢、すまぬが頼みがある」
「何?」
「その、菓子を選ぶのを、手伝って欲しい」
星矢は目をぱちくりとさせた。
「サガが好きなのを適当に選べばいいんじゃないか?予算は?」
「その適当というのが判らないのだ。普通は幾らぐらいの菓子を贈るものなのだろうか」
当のサガは真剣に困っていて、縋るような目つきになっている。
星矢は笑って並んでいる菓子の説明をしてやり、サガの予算と購入個数を聞いて簡単なアドバイスをした。バレンタイン用に包装されたものは割高なので、美味しくてお勧めな菓子を買い、自分でラッピングするという方法も教えておく。
悩みの晴れた顔で礼を言うサガだったが、まだ何か口ごもっていた。
「サガ、ここまで来たら全部聞いてやるから言ってみなよ」
促すと、年上の黄金聖闘士は、普段の取り澄ました完璧さからは程遠い表情で、ぼそりと呟いた。
「お前に…お前にも買いたいのだが、お前はどれが好きだろうか」
星矢は思わず笑い出した。
このサガが、贈り物の品を直接本人に尋ねる程、本当に悩んでいたのだ。
その場で値段が判ってしまうだろうとか、予算を先に聞いているのに高いものは頼みにくいぞとか、そんな相手への配慮まですっ飛ぶほどいっぱいいっぱいでいる。
(この人、本当に生活面では不器用なんだな…)
しかし星矢は、それをサガに気づかせないためにも、遠慮しない事にした。
「こっちのドライフルーツ入りケーキがいいな。日持ちするし姉さんが世話になってる家の人と一緒に食えそうだから。あと、アドバイス代としてこっちの生チョコも一箱欲しい」
「生チョコ?」
「生クリームたっぷりの柔らかいチョコ。美味しいからサガも食べてみなよ」
首をかしげているサガへ、店主が試食用の生チョコを1つ持ってきてくれた。
星矢と店主が顔見知りであるという理由だけでなく、二人が大量に購入するとみてのサービスだろう。
賽の目状の生チョコを摘んで口に入れたサガの顔が、ぱああっと綻んだ。
「…美味い」
「だろ?」
「お前が勧めるだけある味だ」
甘いもの好きなサガは相当気に入ったようで、自分用にも生チョコの箱をかごへ追加している。
「サガとお揃いのチョコか…悪くないかも」
星矢がこそりと呟いたのにも気づかず、サガは大量の菓子類をその店で購入すると、嬉々としながら双児宮へ戻って行ったのだった。
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今回は先にあげると言われたので、貰うだけに留めた星矢なのです。
ホワイトデーにお返し遊園地デートでもするといいよ!