星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
たまたま休みだった大分前の土曜の夕飯席でのこと。
あちこちTVのチャンネルをまわしていたところ、白いロボットとそれに乗る少年らしき姿が映りました。
あっ、これが噂の新ガンダムか!とリモコンの指を止めた私の横で父が一言。
「何だお前の見ていたコードギアスをやってるじゃないか」
「いやこれはガンダムだよ」
「ロボットが白いし、絵がコードギアスだろう。ガンダムの絵は違う」
還暦を越えている父のガンダム認識は初代どまりです。絵についても一般人から見たら似ているような気がしたので突っ込めませんでした。
しかし母が昨日言いました。
「お父さん、昨日は音楽仲間とレンタルしてきたDVDみてたよ。最新ガンダムとかいうの」
Σ(゜◇゜)私も見たかった!私が居る時に借りてよ!
チクショー私も買ったばかりの風魔の小次郎ドラマDVD見てやる。
あと、エリシオン編DVDも予約しました。
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アイオロスがシェスタの時間を利用して双児宮を訪れると、外観上は変わりないものの、居住部分には既に花と菓子が山のように積まれていた。
「あーあ、またモテちゃって…」
そういうアイオロスこそ、復活した英雄として老若男女問わずから山のような届け物を受けているのだが、それはそれ、これはこれという事らしい。
もともと娯楽の少ない聖域だ。
女神が帰還して、ひとときの平和を享受している聖闘士たちが多少浮かれている上に、日本育ちの女神が他教のイベントに寛容だったこともあり、雑兵や下働きの住人たちも高嶺の花である聖闘士へ、競って贈り物を届けるようになったのだった。
建前上、聖闘士に女性はいない。
仮面をつけて女を捨てた少女聖闘士と、少年聖闘士たちは同じ女神の僕としてくくられる。
『それなら男女関係無くプレゼント贈っても良いよね、元々プラトニック発祥の地だしね』
そんな大らかさがギリシア気質の良いところだ。
双児宮には二人分のプレゼントが寄せられるため、他宮より品物が多いのは当然だった。
アイオロスは腕を組んでやれやれといった風に溜息を零し、贈り物を避けながら奥へと進んだ。
「サガ、いる?」
個室となっている部屋を覗き込むと、訪問用の法衣を着たサガがいた。
アイオロスの呼びかけにニコリと笑って立ち上がり、友を出迎える。
「こんにちは、アイオロス」
「出かけるところだったか」
「ああ、ロドリオ村に用があって…ついでに買物でもしてこようかと思っているのだ」
おっとりとサガが微笑む。その微笑に何人が熱狂することか。
「バレンタインだから?」
そうだと答えるサガへ、アイオロスの独占欲がむくむく湧き上がった。
「サガもバレンタインに乗るクチか。意外だよ」
わざと責めるようなニュアンスを込め、軽く小突くとサガは慌てて言い訳をした。
「す、すまん。次期教皇の前で、浮かれて異教の祭りを楽しむ話など…その…世話になった者たちに礼をする機会が嬉しくてな…」
(へえ、浮かれてるんだ)
しどろもどろなサガの前で、アイオロスの笑顔はその内心に反比例してますます爽やかだ。
「構わないけど、誰にあげるつもりなんだ?」
「誰って…皆に」
世話になった(とサガが思っている)相手へ、平等に配るつもりなのだろう。
博愛なサガの性格を考えれば、そこまでは予想通りだ。
「女神と星矢たち青銅聖闘士とアイオリア…そしてシュラやデスやアフロディーテにはきちんとした物を贈るつもりだ。シオン様やカミュにも渡すべきだろうな。品物などで済むとは思っておらぬが」
「凄い散財しそうだけど」
「このくらい何でもない」
さらりとサガは言っているが、何でもないわけがないことを、アイオロスは知っていた。
サガの生活はとても質素だ。
生活必需品以外の物を買う事が殆どなく、聖域から渡されるお金も近隣の村へ寄付してしまうか、聖域の施設用に回してしまう。
それでも何かあった時のためにと蓄えてあるお金を、サガは使うつもりでいるのだ。
「カノンにも買って来ようかな…同居でいろいろ迷惑をかけているし」
「ふうん」
「冥界で世話になったタナトスにも用意したほうがいいだろうか」
「それはあげなくて良いと思うよ」
「そうだ、カシオスの墓にも花を」
「それはアイオリアにも付き合わせよう。それより、それだけ?」
「こんなものだと思うが…」
「それでおしまいなんだ?」
問われたサガは首を傾げた。
トーンの落ちた声にアイオロスの顔を見つめ直し、ようやく目の前の相手が少し怒っている様子なのに気づく。
理由は判らぬながらも、原因は自分の発言しかないだろうとサガは慌てた。
「ま、まだ足りないだろうか?も、もっと範囲を広げねば駄目だろうか」
「いや、広げる必要はないと思うけど…」
「すまん、詫びの気持ちをこのような軽々しいイベントを利用して済ませようなど、確かに私が浅はかだった」
「浅はかだとは思わないよ」
では何が怒らせたのだろうと、サガが真剣に考えていると、アイオロスが主張した。
「オレには何もないのか?」
「………え?」
「オレだってサガから何か貰っても良い立場だと思うんだが」
真面目に考えていたサガは、どっと脱力した。
対してアイオロスは完全にむくれている。
少年ぽさの現れた友の顔を見て、思わずサガは笑い出した。
「英雄と呼ばれるお前にも、そのようなところがあるのだな」
ツボに入ったのか、そのまま涙を浮かべるほど笑い続ける双児宮の主を、アイオロスはむうと睨む。
「オレは真剣なんだぞ」
「はいはい」
「だからオレにも何か買ってくること」
サガは微笑みながら、アイオロスの前に立った。
柔らかい目元で射手座の瞳を覗き込む。
「お前には品物ではなく、双児宮での今晩の食事に招待しようと思っていたのだが…私の作る料理ゆえ大したものは出せないし、買ったものの方が良いかもしれないな」
アイオロスは大慌てで謝ると、サガの招待を丁重に受け入れたのだった。
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アイオロスもサガの前でだけは、少年ぽいところを見せてくれると良いなという妄想。
そして不器用なサガの料理が別の意味で大したことになってるといいですよ。
アイオロスがシェスタの時間を利用して双児宮を訪れると、外観上は変わりないものの、居住部分には既に花と菓子が山のように積まれていた。
「あーあ、またモテちゃって…」
そういうアイオロスこそ、復活した英雄として老若男女問わずから山のような届け物を受けているのだが、それはそれ、これはこれという事らしい。
もともと娯楽の少ない聖域だ。
女神が帰還して、ひとときの平和を享受している聖闘士たちが多少浮かれている上に、日本育ちの女神が他教のイベントに寛容だったこともあり、雑兵や下働きの住人たちも高嶺の花である聖闘士へ、競って贈り物を届けるようになったのだった。
建前上、聖闘士に女性はいない。
仮面をつけて女を捨てた少女聖闘士と、少年聖闘士たちは同じ女神の僕としてくくられる。
『それなら男女関係無くプレゼント贈っても良いよね、元々プラトニック発祥の地だしね』
そんな大らかさがギリシア気質の良いところだ。
双児宮には二人分のプレゼントが寄せられるため、他宮より品物が多いのは当然だった。
アイオロスは腕を組んでやれやれといった風に溜息を零し、贈り物を避けながら奥へと進んだ。
「サガ、いる?」
個室となっている部屋を覗き込むと、訪問用の法衣を着たサガがいた。
アイオロスの呼びかけにニコリと笑って立ち上がり、友を出迎える。
「こんにちは、アイオロス」
「出かけるところだったか」
「ああ、ロドリオ村に用があって…ついでに買物でもしてこようかと思っているのだ」
おっとりとサガが微笑む。その微笑に何人が熱狂することか。
「バレンタインだから?」
そうだと答えるサガへ、アイオロスの独占欲がむくむく湧き上がった。
「サガもバレンタインに乗るクチか。意外だよ」
わざと責めるようなニュアンスを込め、軽く小突くとサガは慌てて言い訳をした。
「す、すまん。次期教皇の前で、浮かれて異教の祭りを楽しむ話など…その…世話になった者たちに礼をする機会が嬉しくてな…」
(へえ、浮かれてるんだ)
しどろもどろなサガの前で、アイオロスの笑顔はその内心に反比例してますます爽やかだ。
「構わないけど、誰にあげるつもりなんだ?」
「誰って…皆に」
世話になった(とサガが思っている)相手へ、平等に配るつもりなのだろう。
博愛なサガの性格を考えれば、そこまでは予想通りだ。
「女神と星矢たち青銅聖闘士とアイオリア…そしてシュラやデスやアフロディーテにはきちんとした物を贈るつもりだ。シオン様やカミュにも渡すべきだろうな。品物などで済むとは思っておらぬが」
「凄い散財しそうだけど」
「このくらい何でもない」
さらりとサガは言っているが、何でもないわけがないことを、アイオロスは知っていた。
サガの生活はとても質素だ。
生活必需品以外の物を買う事が殆どなく、聖域から渡されるお金も近隣の村へ寄付してしまうか、聖域の施設用に回してしまう。
それでも何かあった時のためにと蓄えてあるお金を、サガは使うつもりでいるのだ。
「カノンにも買って来ようかな…同居でいろいろ迷惑をかけているし」
「ふうん」
「冥界で世話になったタナトスにも用意したほうがいいだろうか」
「それはあげなくて良いと思うよ」
「そうだ、カシオスの墓にも花を」
「それはアイオリアにも付き合わせよう。それより、それだけ?」
「こんなものだと思うが…」
「それでおしまいなんだ?」
問われたサガは首を傾げた。
トーンの落ちた声にアイオロスの顔を見つめ直し、ようやく目の前の相手が少し怒っている様子なのに気づく。
理由は判らぬながらも、原因は自分の発言しかないだろうとサガは慌てた。
「ま、まだ足りないだろうか?も、もっと範囲を広げねば駄目だろうか」
「いや、広げる必要はないと思うけど…」
「すまん、詫びの気持ちをこのような軽々しいイベントを利用して済ませようなど、確かに私が浅はかだった」
「浅はかだとは思わないよ」
では何が怒らせたのだろうと、サガが真剣に考えていると、アイオロスが主張した。
「オレには何もないのか?」
「………え?」
「オレだってサガから何か貰っても良い立場だと思うんだが」
真面目に考えていたサガは、どっと脱力した。
対してアイオロスは完全にむくれている。
少年ぽさの現れた友の顔を見て、思わずサガは笑い出した。
「英雄と呼ばれるお前にも、そのようなところがあるのだな」
ツボに入ったのか、そのまま涙を浮かべるほど笑い続ける双児宮の主を、アイオロスはむうと睨む。
「オレは真剣なんだぞ」
「はいはい」
「だからオレにも何か買ってくること」
サガは微笑みながら、アイオロスの前に立った。
柔らかい目元で射手座の瞳を覗き込む。
「お前には品物ではなく、双児宮での今晩の食事に招待しようと思っていたのだが…私の作る料理ゆえ大したものは出せないし、買ったものの方が良いかもしれないな」
アイオロスは大慌てで謝ると、サガの招待を丁重に受け入れたのだった。
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アイオロスもサガの前でだけは、少年ぽいところを見せてくれると良いなという妄想。
そして不器用なサガの料理が別の意味で大したことになってるといいですよ。