星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1324]  [1323]  [1322]  [1321]  [1320]  [1319]  [1318]  [1317]  [1316]  [1315]  [1314
今日も出勤前妄想
=============================

また来るからねとアイオロスが去っていった後には、へたり込んだサガと、サガを慰める星矢が残された。
「大丈夫か、サガ。あいつは一体何者なんだ」
「…彼はねずみだ」
「ねずみ?」
「正確にはねずみ型スパイロボット…猫の駆除対象の1つ」
未来科学の発展方向が、いまひとつ理解できない星矢であったが、今はそんなことよりもサガのことが心配だった。
「いつも冷静なサガがあんなに怖がるなんて、一体何があったんだよ」
落ち着かせるように、サガの背中を撫でながら尋ねると、サガは自嘲気味に零した。
「みっともないところを見せてしまったな…家を守る立場にありながら、ねずみをあれほど怖がるなど、わたしは猫失格だ」
「みっともなくはないぞ、ちょっと驚きはしたけど」
星矢の知るサガはいつも大人びていて、何事にも動じず、神のようなという形容に相応しい完璧さを誇る青年だった。それでいて奢ることなく、誰にでも優しい。そんなサガの事を、星矢は大好きだった。
そのサガは憂いに満ちた面差しでうち萎れ、睫毛を震わせている。
「昔、わたしもまだ若くて…仲良くしようと言う奴の甘言に乗ってしまったのだ」
「甘言て…騙されたの?」
「仲良くするどころか、奴は散々わたしを噛んだ後に、あんなことを…」
「………」
「猫耳は落ちてしまい、わたしはねずみに懐柔された駄目猫の烙印を押された。ねずみと猫が仲良くなれるわけがなかったのだ」
「…それ、あのひと的には仲良くしたつもりだったんじゃ…」
あまり深く追求するとやぶ蛇になりそうな予感がして、星矢は曖昧に突っ込む。
しかし、サガは何も言わず溜息をついた。
整った指先で床へ転がったままになっている三笠を拾い上げると、ぱく…とそれを口にしている。
(あ、それでもお土産は食べるんだ)
複雑な顔をしている星矢の前で、サガは黙々と三笠を食べ続けている。
覚えた胸の痛みを持て余しながら、星矢はサガが食べ終わるまで、ずっと黙ったまま隣でそれを見つめていた。

=============================
ぱちぱち下さった皆様に御礼申し上げます(>ω<)日々の栄養剤です。
コメントの返信は次回にさせて下さいね!
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<<< 猫ロボの妹 HOME 妄想の続き >>>
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.