星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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世間では連休ですが、当業界は行楽シーズンが繁忙期です。ふ、クリスマスも正月もないです。ないのは良いんですが、イベントSSや絵を描く時間がー(><)
拍手コメントのお返事が遅れております、ごめんなさい。今日こそは帰宅したら!いつも楽しいコメントを有難うございます!心の潤いです!


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「ま、ざっとこんなモンだろ」
キャンサーのマニゴルドは、冥闘士の死体から浮かび上がった魔星の燐光を見て呟いた。タナトスの加護を受けた地上の死の森では、ベロニカは何度肉体を破壊されても蘇ったが、積尸気冥界波によって魂だけ飛ばされた世界では、復活の手段を持たなかったようだ。
ベロニカの魂もこの後は魔星封じの数珠に吸い取られていくのだろう。
「よく頑張ってたが、不死身のオカマも、冥界ではあっけなかったな」
敗北と共に腐り落ちた冥闘士の身体を足先で蹴る。浮かぶ燐光から抗議の声が上がった。
『失礼ね…私はオカマではないわ』
ぎょ、とマニゴルドが顔をあげる。燐光はふわふわと囁いた。
『私はこれでも修道女をしていたのよ。聞かせてあげたオルガンの音色はなかなかのものだったでしょう?平和につつましく暮らしていたのに、ある日突然戦火に巻き込まれて、匿った兵士達に乱暴されて私は死んだ。死んだ私の身体はぐずぐずに腐り、その身体から可愛い配下…蠅たちが生まれた。私の身体から生まれたのだから、あの子達は私の子供のようなものよね。私は生きた人間が嫌い。私は腐ったけれど、生きているあいつらのほうが汚いもの。そのうち私は冥府で自分が冥闘士であることを知った。冥衣を纏ったら身体がこうなっていたわ。多分、戦闘に向いた男性の身体に作り変えられたのでしょうね。タナトス様が、その美しい顔はそのままにっておっしゃってくれたから、私は何の不満もない。ああ、でも世界の全てを腐らせる事が出来なかったのは心残り…』
言いたいことだけ発すると、ベロニカはそのまま消えた。
「性根まで腐らせちゃ、折角の綺麗な顔も台無しだぜ」
死者の嘆きなど聞きなれているマニゴルドは、肩を竦めて聞き流しただけだった。

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