星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
眠くて今日もぐだぐだな推敲もない萌え書きなぐり
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聖戦後にサガはカノンと一緒に暮らすようになりました。
サガは傍目から見てもそれはそれは嬉しそうです。カノンが改心した事によって弟に対する心痛が無くなったため、ベタ甘なくらい世話を焼きまくっていました。
自分と対等な立場で話せる相手が傍に居てくれるようになったという意味でも、カノンの存在はサガの心を和ませます。
なにせ13年間のサガは偽教皇としてほとんど誰にも心を許す事は出来ませんでしたし、時折話をするシュラやアフロディーテ、そしてデスマスクは配下としての節を曲げなかったため、少なくとも同じ目線の高さでは会話することが叶わなかったのです。
離れていた年月の溝を埋めようと、サガはいろんな事をカノンに聞きましたし、聖域での出来事を弟に語りもしました。
カノンはそんな兄の態度を口では「うぜえな」などと言いながら満更でもなさそうです。
そのうち本当にサガの関心が自分に向いている事が判ると、彼の方も兄に対する態度が変わり始めました。
「カノン、海界ではどのように暮らしていたのだ?冥界とまではゆかぬだろうが、ポセイドンの治める地も異界には違い有るまい」
「ああ、海神の加護によって海底の異相に居住可能な場所がいくつもあるのだ。聖域の海バージョンみたいなものだな。そこでの暮らしは地上とそう変わらん」
「海の底であるのに呼吸がかなうというのも、不思議なものだ」
「マリーナたちも元は地上の人間だからな。神域の波動に慣れなくて、初めのうちは上手く呼吸の出来ぬものも出る」
「それは大変だろう。そのような時にはどうするのだ。携帯酸素でも常備しているのか?」
「いや、もっと簡単な方法があるのさ。人工呼吸というな…こういう風に」
カノンは兄の顔を引き寄せると、唇を重ねました。サガは真っ赤になりましたが、尋ねたのは自分であり、弟は単に質問へ答えてくれただけだと思うと、赤くなった自分の方が間違っている気もするので抗議出来ません。
存分にマウス・トゥ・マウスを堪能したカノンを、それでもサガは軽く睨みました。
「人工呼吸に舌を入れる必要はない気がするのだが…」
「あー、それは相手が気を失ったりしているときは、舌が気道を塞いでいるとまずいからな。こちらも舌を差し込んでの確認が必要なんだ」
「そ、そういうものなのか…」
弟に対して疑う事をしなくなったサガ相手に、カノンはアレな大嘘を付き放題です。
そして、そんな嘘のおこぼれを二人の知らぬところであずかる人間もおりました。
シュラが勅命先の土産を持って双児宮を尋ねてくると、黒サガがそれを出迎えました。シュラが尋ねてくる時は、比較的黒サガに出会える確率が高いような気がします。
山羊座の手渡した土産を受け取りつつ、黒サガはもう一人の自分がカノンから聞いたという話を伝えました。
「シュラ、今日は海界での人工呼吸の仕方とやらを教わった」
「………はあ」
「このようにするらしい」
「───!」
役得なのか不幸なのかよくわかりませんが、シュラは黒サガに突っ込む勇気はありませんでした。真っ赤になって口元を押さえ、それは溺れてもいない相手に行わない方が良いのではと進言するのが限界です。
しかし常識人の悲しさで、カノンに釘を刺しておかなければという事だけは決意しています。サガが席を外した隙に双子座の弟を探すと、幸い隣の自室にいたので直ぐ見つかりました。
「カノン!あまりサガにデタラメを教えるのは…!」
突然部屋に乱入された上、抗議を受けたカノンは意味が判らずキョトンとしておりましたが、要領を得ぬシュラの説明を聞くうちに不機嫌そうな顔になっていきます。
「てめえ、惚気にきたのか?」
「いやそうではなく、サガをあまり騙すなと…」
「ニブい白サガならともかく、黒い方のあれが騙されるわけないだろう」
「は?」
「ニブいのはお前もかよ!とにかくオレは感謝されこそすれ、文句言われる覚えはねえな!」
取り付くしまもありません。
ただ、今後は嘘をつく事はしないと約束はしてくれました。
カノン曰く「トンビに油揚げなのは悔しい」「正攻法で行く」とのことですが、シュラにはちっとも意味がわかりません。
首を捻りつつも、とりあえず安心したような残念なような気持ちで黒サガの元へと戻るのでした。
聖戦後にサガはカノンと一緒に暮らすようになりました。
サガは傍目から見てもそれはそれは嬉しそうです。カノンが改心した事によって弟に対する心痛が無くなったため、ベタ甘なくらい世話を焼きまくっていました。
自分と対等な立場で話せる相手が傍に居てくれるようになったという意味でも、カノンの存在はサガの心を和ませます。
なにせ13年間のサガは偽教皇としてほとんど誰にも心を許す事は出来ませんでしたし、時折話をするシュラやアフロディーテ、そしてデスマスクは配下としての節を曲げなかったため、少なくとも同じ目線の高さでは会話することが叶わなかったのです。
離れていた年月の溝を埋めようと、サガはいろんな事をカノンに聞きましたし、聖域での出来事を弟に語りもしました。
カノンはそんな兄の態度を口では「うぜえな」などと言いながら満更でもなさそうです。
そのうち本当にサガの関心が自分に向いている事が判ると、彼の方も兄に対する態度が変わり始めました。
「カノン、海界ではどのように暮らしていたのだ?冥界とまではゆかぬだろうが、ポセイドンの治める地も異界には違い有るまい」
「ああ、海神の加護によって海底の異相に居住可能な場所がいくつもあるのだ。聖域の海バージョンみたいなものだな。そこでの暮らしは地上とそう変わらん」
「海の底であるのに呼吸がかなうというのも、不思議なものだ」
「マリーナたちも元は地上の人間だからな。神域の波動に慣れなくて、初めのうちは上手く呼吸の出来ぬものも出る」
「それは大変だろう。そのような時にはどうするのだ。携帯酸素でも常備しているのか?」
「いや、もっと簡単な方法があるのさ。人工呼吸というな…こういう風に」
カノンは兄の顔を引き寄せると、唇を重ねました。サガは真っ赤になりましたが、尋ねたのは自分であり、弟は単に質問へ答えてくれただけだと思うと、赤くなった自分の方が間違っている気もするので抗議出来ません。
存分にマウス・トゥ・マウスを堪能したカノンを、それでもサガは軽く睨みました。
「人工呼吸に舌を入れる必要はない気がするのだが…」
「あー、それは相手が気を失ったりしているときは、舌が気道を塞いでいるとまずいからな。こちらも舌を差し込んでの確認が必要なんだ」
「そ、そういうものなのか…」
弟に対して疑う事をしなくなったサガ相手に、カノンはアレな大嘘を付き放題です。
そして、そんな嘘のおこぼれを二人の知らぬところであずかる人間もおりました。
シュラが勅命先の土産を持って双児宮を尋ねてくると、黒サガがそれを出迎えました。シュラが尋ねてくる時は、比較的黒サガに出会える確率が高いような気がします。
山羊座の手渡した土産を受け取りつつ、黒サガはもう一人の自分がカノンから聞いたという話を伝えました。
「シュラ、今日は海界での人工呼吸の仕方とやらを教わった」
「………はあ」
「このようにするらしい」
「───!」
役得なのか不幸なのかよくわかりませんが、シュラは黒サガに突っ込む勇気はありませんでした。真っ赤になって口元を押さえ、それは溺れてもいない相手に行わない方が良いのではと進言するのが限界です。
しかし常識人の悲しさで、カノンに釘を刺しておかなければという事だけは決意しています。サガが席を外した隙に双子座の弟を探すと、幸い隣の自室にいたので直ぐ見つかりました。
「カノン!あまりサガにデタラメを教えるのは…!」
突然部屋に乱入された上、抗議を受けたカノンは意味が判らずキョトンとしておりましたが、要領を得ぬシュラの説明を聞くうちに不機嫌そうな顔になっていきます。
「てめえ、惚気にきたのか?」
「いやそうではなく、サガをあまり騙すなと…」
「ニブい白サガならともかく、黒い方のあれが騙されるわけないだろう」
「は?」
「ニブいのはお前もかよ!とにかくオレは感謝されこそすれ、文句言われる覚えはねえな!」
取り付くしまもありません。
ただ、今後は嘘をつく事はしないと約束はしてくれました。
カノン曰く「トンビに油揚げなのは悔しい」「正攻法で行く」とのことですが、シュラにはちっとも意味がわかりません。
首を捻りつつも、とりあえず安心したような残念なような気持ちで黒サガの元へと戻るのでした。