星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1021]  [1020]  [1019]  [1018]  [1017]  [1016]  [1015]  [1014]  [1013]  [1012]  [1011
うう、風邪に対抗する為に沢山食べて栄養を取るのだ!…と目論んだらお腹を壊しました。ここ数日夜は大人しく寝ています。新刊感想書き込みめぐりや御礼めぐりもしたいのにー(>△<)

しかし朝はやっぱり妄想タイム。3話の続き。
=============================

「…………」
自宮へ戻ってきたカノンは、無言で部屋の入り口に立ちすくんだ。
中には輝かんばかりに美しい娘が、春の陽だまりのような微笑を浮かべてカノンを出迎えようとしている。
宮仕えの女官たちとは明らかに違う。身にまとう衣服も最上級のものだ。薄絹を重ねたAラインのドレスは、純白の生地が裾へ向かって薄紅が広がるように色合いの変わるグラデーションで、胸元を飾るピンクパールのネックレスと見事な調和が取れていた。白魚のような指に可愛らしくはまっているのは、小粒の珊瑚の指輪だろう。流れる金髪に編みこまれた白のリボンは、動くたびに変化を生み可憐さを引き立てている。
天上の女神と言われても、人は信じてしまうに違いない。その娘の後ろには何故か満足そうなサガと、櫛を片手にこれまた自慢げなテティスが立っていた。
「…………」
外から事前に把握した小宇宙によって、サガ以外の人間が宮へ入り込んでいることは、カノンも判っていた。
サガ目当てに海闘士たちが訪れるのは時折あることで、海皇の気配が感じられることが少し気になったが、聖戦後のポセイドンは封印を抜け出すことも多いので、深く気に留めていなかったのだ。
「…………」
無言のまま何のリアクションもとらないカノンを見て、サガがその娘に話しかける。
「申し訳ございません、貴方のあまりの美しさに、愚弟は声もないようで…」
違うわ!
初めてカノンが大声を出した。
「何が違うのだ。アテナと比べても遜色ないお姿を前にして、美しくないとでも言うのか」
「そうですよシードラゴン様。照れているにしても、もう少し別のお言葉があるでしょう」
呆れたようなサガに続いて、テティスまで不満そうな顔をする。
しかし、カノンはそんな言葉を聞いていない。真っ青な顔で、つかつかと一直線に双子の兄の前へ向かう。
「お…お前…、うちのポセイドン様に何をした!幻朧拳か、幻朧魔皇拳か!?」
海将軍筆頭として、さすがに中身が海神であることは瞬時に見抜いている。
外見など関係ない。たとえポセイドンがどのような姿をとろうと、海将軍は自分の主を間違えないし、見た目の美醜など気にしないだろう。
しかし、可憐な娘の姿でカノンに笑いかけたときの、たおやかげな微笑みときたら!(ちなみに娘らしい動作や表情は、サガとテティスの指導の成果による)。
違和感で鳥肌を立てまくっているカノンは、とりあえず原因を兄に求めた。
「何を言っているのだ、神に人間相手の精神技など効くか。…試した事はないが」
「では物理攻撃か!?頭を打っておかしくさせたのか!」
「お前は意外とわたしの実力をかってくれているのだな」
かみ合わない会話をしている双子の横で、娘の姿をしたポセイドンが覗き込む。
『なんだ、これでもまだ不満か?お前の兄の助言に従って、かなり努力したのだが』
やはりお前の仕業ではないかと、サガを睨みつけているカノンを他所に、ポセイドンは続けた。

『だが、お前が”うちのポセイドン”と言ってくれたことは嬉しいぞ』

途端にカノンがハッとした顔となる。それから赤くなってそっぽを向いた。
サガは何も言わず苦笑し、テティスはにこにことその様子を眺めた後、全員分のお茶を入れ直すために台所へと去っていった。

=============================
いつものごとく、自分だけが楽しい話ですみません(汗)
R様お手紙ありがとうございます!夜にでもお返事させて下さいね!
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.