星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
前回の続き。サガと海神。
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海界へ遊びに下ったサガは、いつものように北大西洋の宮でカノンの仕事が終わるのを待っていた。
最近は海闘士たちも慣れたもので、黄金聖闘士であるサガ訪問に対し、多少の警戒心を払いつつも基本放置状態である。
海龍の従者が用意してくれた紅茶をのんびり頂きながら、サガは聖域に居るときよりも余程寛いでいた。
硬めのソファーへ身体を預けながら、ふと空間の揺らぎを感じてカップを傾ける手が止まる。原因を探るため意識を集中させたあと、サガは眉をひそめた。
(海神の小宇宙がこの部屋へ集まっている…)
だがそれは、いつものポセイドンの小宇宙とは比べるべくもない小さな波動だった。黄金聖闘士たるサガであればこそ、わずかな変化に気づくことが出来たのだ。精神感応で隣室の海闘士や従者たちの様子を調べたものの、気づいた者はなく、サガは首を傾げる。
(お忍びということか?)
考えている合間にも、その気配は確かなものとなって目の前に人の形を取り始めている。
(わたしは此処にいても良いのだろうか)
ポセイドンが内密にシードラゴンを訪れるということならば、この場は遠慮すべきなのかもしれないと考えかけ、支配界内の聖闘士の存在に気づかぬ海神でもあるまいと思い直す。
おそらく、サガの存在など把握した上で、この宮を降臨の場に選んだのだ。
サガは椅子から立ち上がると、出現地点の前で跪いた。相手は異界の神なれど、自分は客分の身であり、海龍の兄としては礼をとるべきであると判断したからだ。
部屋の中に光が溢れ、ゆっくりとポセイドンが顕現する。海の波動が穏やかに満ちてゆく。
以前にも海神の降臨に立ち会った経験のあるサガは、それほど慌てることもなく、顔を伏せたまま降臨の完了を待った。
建前としては、ポセイドンはアテナの封印によって壷へ閉じ込められていることになっている。
しかし、聖戦後に結ばれた講和条約のあと女神はその封を緩めた。ただでさえ本気の海神の前では効力の薄い封である。ポセイドンは比較的自由に壷を抜け出しては、こうして時折海界に示現しているのだった。公然の秘密というやつだ。
封印を隠れ蓑に影で自由に動くことのできる立場を手に入れた海神と、封印を女神の威光として示しつつ、海神の協力を取り付けたい聖域の思惑は一致している。
それを知っているサガは、此度の降臨がどのような理由であれ、口外するつもりはない。
空間の揺らぎが落ち着くと、雄大な神威のこもった意思が、直接サガの脳へと響いた。
『久しいな、双子座の聖闘士よ』
サガは一層こうべを垂れる。
「は、御身による我ら双子への温情、常日頃より感謝を忘れてはおりませぬ」
『堅苦しい挨拶はよい』
どこか機嫌のよさそうなポセイドンに、サガは内心で首を捻りつつ目的を尋ねた。
「弟は不在にございますが…」
『構わぬ。奴の留守を狙って来たのだ。ここで帰りを待ち、驚かそうと思ってな』
「はあ」
どうやら、思った以上に私的な降臨であったようだ。
聖域ではアテナの奔放さに聖闘士たちが振り回されることもあるが、どうやら海界においてもそのあたりは大差ないらしい。
「では弟が戻るまで、酒でも用意いたしま…~~~~~!!!」
顔をあげかけて、サガはビクリと固まり、声にならぬ叫び声をあげる。
目の前には全裸の美しい女性が、前を隠しもせずにサガを見下ろしていたのだった。
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秋の夜長の筈なのに、早晩から眠いですよ…(>◇<)
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海界へ遊びに下ったサガは、いつものように北大西洋の宮でカノンの仕事が終わるのを待っていた。
最近は海闘士たちも慣れたもので、黄金聖闘士であるサガ訪問に対し、多少の警戒心を払いつつも基本放置状態である。
海龍の従者が用意してくれた紅茶をのんびり頂きながら、サガは聖域に居るときよりも余程寛いでいた。
硬めのソファーへ身体を預けながら、ふと空間の揺らぎを感じてカップを傾ける手が止まる。原因を探るため意識を集中させたあと、サガは眉をひそめた。
(海神の小宇宙がこの部屋へ集まっている…)
だがそれは、いつものポセイドンの小宇宙とは比べるべくもない小さな波動だった。黄金聖闘士たるサガであればこそ、わずかな変化に気づくことが出来たのだ。精神感応で隣室の海闘士や従者たちの様子を調べたものの、気づいた者はなく、サガは首を傾げる。
(お忍びということか?)
考えている合間にも、その気配は確かなものとなって目の前に人の形を取り始めている。
(わたしは此処にいても良いのだろうか)
ポセイドンが内密にシードラゴンを訪れるということならば、この場は遠慮すべきなのかもしれないと考えかけ、支配界内の聖闘士の存在に気づかぬ海神でもあるまいと思い直す。
おそらく、サガの存在など把握した上で、この宮を降臨の場に選んだのだ。
サガは椅子から立ち上がると、出現地点の前で跪いた。相手は異界の神なれど、自分は客分の身であり、海龍の兄としては礼をとるべきであると判断したからだ。
部屋の中に光が溢れ、ゆっくりとポセイドンが顕現する。海の波動が穏やかに満ちてゆく。
以前にも海神の降臨に立ち会った経験のあるサガは、それほど慌てることもなく、顔を伏せたまま降臨の完了を待った。
建前としては、ポセイドンはアテナの封印によって壷へ閉じ込められていることになっている。
しかし、聖戦後に結ばれた講和条約のあと女神はその封を緩めた。ただでさえ本気の海神の前では効力の薄い封である。ポセイドンは比較的自由に壷を抜け出しては、こうして時折海界に示現しているのだった。公然の秘密というやつだ。
封印を隠れ蓑に影で自由に動くことのできる立場を手に入れた海神と、封印を女神の威光として示しつつ、海神の協力を取り付けたい聖域の思惑は一致している。
それを知っているサガは、此度の降臨がどのような理由であれ、口外するつもりはない。
空間の揺らぎが落ち着くと、雄大な神威のこもった意思が、直接サガの脳へと響いた。
『久しいな、双子座の聖闘士よ』
サガは一層こうべを垂れる。
「は、御身による我ら双子への温情、常日頃より感謝を忘れてはおりませぬ」
『堅苦しい挨拶はよい』
どこか機嫌のよさそうなポセイドンに、サガは内心で首を捻りつつ目的を尋ねた。
「弟は不在にございますが…」
『構わぬ。奴の留守を狙って来たのだ。ここで帰りを待ち、驚かそうと思ってな』
「はあ」
どうやら、思った以上に私的な降臨であったようだ。
聖域ではアテナの奔放さに聖闘士たちが振り回されることもあるが、どうやら海界においてもそのあたりは大差ないらしい。
「では弟が戻るまで、酒でも用意いたしま…~~~~~!!!」
顔をあげかけて、サガはビクリと固まり、声にならぬ叫び声をあげる。
目の前には全裸の美しい女性が、前を隠しもせずにサガを見下ろしていたのだった。
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秋の夜長の筈なのに、早晩から眠いですよ…(>◇<)