生き返ったアイオロス(14歳)がサガ(28歳)に会ってみたら、凄く格好よくなっていて相変わらずキラキラで、さらに13年前には無かった愁いが追加された美味しい大人になっていました。ていうか後輩も弟も全員立派な大人になってました。
てな状態の場合、アイオロスは一体どんな視線で彼らを眺めるのだろうなと思うのです。
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「現状の俺では、まだ皆の上に立つ資格があるとは思えない」
蘇生後に教皇即位の儀を示唆されたアイオロスは、きっぱりと拒否した。
そして、彼を取り囲む黄金聖闘士たちと前教皇シオンをぐるりと見回す。
「謙遜しているわけでも、卑下しているわけでもない。ただ、13年分遅れている俺が、かつて指名を受けたからという理由だけで継げるほど、教皇の地位は甘いものではないと思っているのだ。今の俺は一番年下であり、皆より経験値も低い。死んでいた間の世界情勢にも疎い。無論それを言い訳にする気などないし、必ず追いつき全員に教皇に相応しい男として認めさせてみせる。しかし」
一息ついてアイオロスは続けた。
「それまでは、俺よりも相応しい者が聖域を治めるべきだ」
話を聞いたシオンが肩を竦める。
「ふん、それでお主は誰を推すのだ?」
「サガを」
英雄と呼ばれる少年は、間髪いれずかつて自分を貶めた相手の名を挙げた。
場にざわめきが走るなか、指名された青年…統合状態でこの場に赴いていたサガは、フッと笑った。
「私に教皇の権力を与えたら、今度こそ二度とお前にその座を返さぬかもしれんぞ?」
「その力があるのならば、それでもいいさ」
返すアイオロスも不敵な笑顔で、だが楽しそうに付け加える。
「俺はサガに負けるつもりはないけど」
チリ…、と小さな火花がとぶ。それは険悪なものではなく、暖かな信頼と正常なる競争心の証だった。
会話を交わしている二人から、少し離れた場所でデスマスクがこそりと呟く。
「あいつら、皆の前でイチャついてる自覚ねーんだろーな…」
ムウが隣で同意しつつ、二人の肩を持った。
「あれくらいなら良いじゃないですか?それに、自覚あってやらかす方が困りますよ」
「それもそうだ」
「今日はサガが混ざっていて良かったですね。白いあの人や黒いあの人でしたら、きっと凄い愁嘆場や修羅場に…」
「わははは、それは逆に見てえ」
「「…そこ、聞こえているぞ!!」」
小声で話すも隠すつもりの無い蟹と羊の会話は、しっかり本人達の耳に届いていて、サガとアイオロスは揃って後輩を睨みつけたのだった。
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14歳のアイオロスに対して、年上の保護者風に振舞うサガな話も書きたかった!
拍手ありがとうございます(^▽^)お返事は夜にさせて下さいね!