星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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いつものLC双子と無印双子クロスオーバー
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アスプロスが本を読んでいる。
デフテロスはイヤホンを耳に音楽を聞いている。
それ自体は普通の光景だ。時空を超えて今世の双児宮へ紛れ込んだ二人は、今ではすっかり現代文明に馴染み、聖域暮らしの人間よりもよほど現代社会的な暮らしをしている。
普通でなくみえるのは、アスプロスがデフテロスを背もたれ代わりにしているからだ。
壁際に座っていたデフテロスの足の間に入り込み、デフテロスの胸へ背中を預けて寄りかかると、まるで当たり前のように本をめくり始める。デフテロスも当たり前のように兄の身体を抱え込み、音楽に没頭している。
一部始終を見ていたカノンは、物凄く突っ込みたかったのだが、どう突っ込んだらいいのか考えているうちにタイミングを逃していた。
そこへサガがやってきた。
サガは過去の双子座の様子をみると、首をかしげて声をかけた。
「暑くないのか?」
よし、とカノンは心の中で頷いた。まずは無難なツッコミだ。
デフテロスは黙ったままサガの方を見る。音楽を聞きながらも、サガの問いは理解したようだ。どういう聴力だ。しかしこちらの無口な弟は答える気がないらしく、返事をしたのは本から顔を上げもせぬ兄の方だった。
「カノン島に比べれば、聖域は避暑地のようなものだ」
「そうかもしれないが、何故ソファーに座らずに、そのような場所へ?」
「ソファーよりも、居心地が良いからだ」
「そうなのか?」
サガの空気の読めなさはともかく、的確なツッコミだとカノンが端で頷いている。
するとアスプロスは立ち上がってカノンを手招きした。一体何だと近づくと、強引に座らせられ、それだけでなく、今までデフテロスにしていたように、足の間に割り込まれる。
アスプロスの長髪はサガのものよりさらりとした直毛だが、それが目前に広がり、胸へと後頭部が押し付けられた。
(何だこの図は)
唖然としたカノンだが、すぐにサガとデフテロスの鋭い眼光に睨まれて我に返る。
そんななか、アスプロスだけが涼しい顔でサガへ告げた。
「お前の弟は寄りかかり心地が今ひとつだな…」
サガが明らかにムッとした。サガは他人の挑発に乗るタイプではないのだが、アスプロス相手には勝手が違うのか、わかりやすい反応をすることが多い。
「それならお前は心地の良いデフテロスのほうに戻ればよかろう。わたしの弟から離れろ」
アスプロスをカノンの足の間から追い立て、代わりにサガがその場所へ入ってくる。
そして、さきほどアスプロスがデフテロスにしていたように、カノンに寄りかかる。
(だから何だこの図)
ふわりとサガの髪の香が鼻腔をくすぐり、状況についていけず固まったカノンだ。サガの見当違いな弟擁護がカノンの耳に入ってくる。
「居心地は悪くないではないか。お前の趣味の問題だ」
「そうか?それこそ貴様の趣味の問題であろう、サガ」
小馬鹿にしたようなアスプロスの目が、ちらりとカノンを見た。視線が交錯すると、カノンにしか気づかれない小宇宙通信で囁かれる。
『感謝してもらおうか』

この状況の何を感謝すべきなのかさっぱり分からぬカノンであったが、とりあえず自分の腕の中に収まっているサガを抱きしめて落ち着かせることに専念する。
いつの間にか暑さのことなど忘れていたので、これは確かに暑さ対策にはなるのだなと思いながら。

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うう、推敲の時間など勿論ない!
今日もパチパチありがとうございます!出勤前の癒しです!コメントご返信とメール返信は夜にさせて下さいね(>▽<)
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