星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
海の世界は、いつも色鮮やかに美しい。
カノンの守る北大西洋の柱へ向かって歩きながら、サガはこの世界の空である水面を見上げた。それなりに厚いはずの海水の層は、不思議なことに太陽光をよく通し、天空を透かして揺らめいている。
視線を道の先へ戻すと、遠くにカノンと自分の姿が見えた。おそらく、というか100%、カーサが化けているのだろう。
リュムナデスのカーサは、相手の愛する者に姿を変えることが出来る。そして修行という名のもと、よくカノンやサガ相手にその技を使う。聖闘士である双子座を自由に海界で歩かせてくれる感謝も込めて、自分たちはそれに協力する。
嫌悪感はない。特にサガは、カノン相手に自分の姿が形作られるのを見るだけで嬉しかった。
カーサの化けたサガが、書類をカノンの目の前でからかうようにひらひらさせている。カノンはぶっきらぼうながら機嫌が良さそうだ。
(もしも、カノンとわたしが同じ陣営で仕事をしたならば、あのような光景を見ることが出来たのだろうか)
少し考え、自分であれば職場であのようにふざけあう事はないなと思う。カノンもそれを善しとしないだろう。それでも、あのようであれたらいいのにと思う。無いものねだりだ。
サガは足をとめた。まだカノンはこちらに気づかない。カーサが化けているということは、知覚をある程度カーサに支配されているはずで、感覚が鈍くなっているのだろう。それでもサガが語りかければ来訪に気づく。
サガは敢えて黙ってみていた。
カノンとサガが屈託なく共にある理想の空間を、自分が破るのは勿体無い気がしたので。
しかし、佇んでいるサガのことは、さすがに海将軍のカーサが気づいた。
『何やってるんですか』
『その、わたしは邪魔かなと…』
『アホですかアンタは!』
小宇宙通信でカーサが怒鳴る。その瞬間に偽者のサガの姿は消えてカーサが現れ、感覚を開放されたカノンは本物のサガの訪れに気づいたようだ。カーサと軽口を叩いていたときの雰囲気は消え去り、いつもの不敵な、サガの前でのカノンに戻っている。
(やはりカノンはわたしに心を許しては居ないのだろうか)
少しだけ落胆の気持ちが沸いてくる。
『違うだろ!アンタもシードラゴンも、ホントにアホだな』
カーサがまた突っ込んでくる。
『そうだろうか』
『そうだ。何故そうなのかは自分で考えてくれ。だが、俺の虚像のせいで、本物のアンタが近づいてこないなんてことになったら、俺がシードラゴンに恨まれる。勘弁してくれ』
『何故カノンがお前を恨むのだ?』
そんな会話をしている合間に、動かぬサガの元までカノンが迎えに歩いてきた。
「サガ、何をぼーっとしている」
「いや、その…お前の職場は楽しそうだな」
「はあ?何だ、堅苦しい聖域の愚痴でもしにきたのか」
カノンが怪訝な顔で突き放したような物言いをする。しかし、その態度の後ろに兄への心配があるのは自明のことだった。サガに通じていないだけで。
カノンの後ろでカーサが盛大にため息をつき「何でアンタたちはそんなに二人揃うと馬鹿になるんですか」と言ってカノンに小突かれたが、カーサは自分は悪くないと心の中で呟いていた。
============================
以前、職場で観賞用水槽の入れ替えがあり、それまでは淡水魚であったところを、海水を入れて海水魚にしたんです。そうしたら、同じライティングであるにも関わらず、海水だとライトがすごく青くなって幻想的に見えました。
海水と真水だと光の吸収率なんかが変わるからだと思うのですが、そんなわけで、海底神殿のあたりは神殿の白と光の青があいまって、とても綺麗なんじゃないかなあと勝手に妄想しております。
カノンの守る北大西洋の柱へ向かって歩きながら、サガはこの世界の空である水面を見上げた。それなりに厚いはずの海水の層は、不思議なことに太陽光をよく通し、天空を透かして揺らめいている。
視線を道の先へ戻すと、遠くにカノンと自分の姿が見えた。おそらく、というか100%、カーサが化けているのだろう。
リュムナデスのカーサは、相手の愛する者に姿を変えることが出来る。そして修行という名のもと、よくカノンやサガ相手にその技を使う。聖闘士である双子座を自由に海界で歩かせてくれる感謝も込めて、自分たちはそれに協力する。
嫌悪感はない。特にサガは、カノン相手に自分の姿が形作られるのを見るだけで嬉しかった。
カーサの化けたサガが、書類をカノンの目の前でからかうようにひらひらさせている。カノンはぶっきらぼうながら機嫌が良さそうだ。
(もしも、カノンとわたしが同じ陣営で仕事をしたならば、あのような光景を見ることが出来たのだろうか)
少し考え、自分であれば職場であのようにふざけあう事はないなと思う。カノンもそれを善しとしないだろう。それでも、あのようであれたらいいのにと思う。無いものねだりだ。
サガは足をとめた。まだカノンはこちらに気づかない。カーサが化けているということは、知覚をある程度カーサに支配されているはずで、感覚が鈍くなっているのだろう。それでもサガが語りかければ来訪に気づく。
サガは敢えて黙ってみていた。
カノンとサガが屈託なく共にある理想の空間を、自分が破るのは勿体無い気がしたので。
しかし、佇んでいるサガのことは、さすがに海将軍のカーサが気づいた。
『何やってるんですか』
『その、わたしは邪魔かなと…』
『アホですかアンタは!』
小宇宙通信でカーサが怒鳴る。その瞬間に偽者のサガの姿は消えてカーサが現れ、感覚を開放されたカノンは本物のサガの訪れに気づいたようだ。カーサと軽口を叩いていたときの雰囲気は消え去り、いつもの不敵な、サガの前でのカノンに戻っている。
(やはりカノンはわたしに心を許しては居ないのだろうか)
少しだけ落胆の気持ちが沸いてくる。
『違うだろ!アンタもシードラゴンも、ホントにアホだな』
カーサがまた突っ込んでくる。
『そうだろうか』
『そうだ。何故そうなのかは自分で考えてくれ。だが、俺の虚像のせいで、本物のアンタが近づいてこないなんてことになったら、俺がシードラゴンに恨まれる。勘弁してくれ』
『何故カノンがお前を恨むのだ?』
そんな会話をしている合間に、動かぬサガの元までカノンが迎えに歩いてきた。
「サガ、何をぼーっとしている」
「いや、その…お前の職場は楽しそうだな」
「はあ?何だ、堅苦しい聖域の愚痴でもしにきたのか」
カノンが怪訝な顔で突き放したような物言いをする。しかし、その態度の後ろに兄への心配があるのは自明のことだった。サガに通じていないだけで。
カノンの後ろでカーサが盛大にため息をつき「何でアンタたちはそんなに二人揃うと馬鹿になるんですか」と言ってカノンに小突かれたが、カーサは自分は悪くないと心の中で呟いていた。
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以前、職場で観賞用水槽の入れ替えがあり、それまでは淡水魚であったところを、海水を入れて海水魚にしたんです。そうしたら、同じライティングであるにも関わらず、海水だとライトがすごく青くなって幻想的に見えました。
海水と真水だと光の吸収率なんかが変わるからだと思うのですが、そんなわけで、海底神殿のあたりは神殿の白と光の青があいまって、とても綺麗なんじゃないかなあと勝手に妄想しております。