星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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「あけましておめでとうございます」
星矢が元気に挨拶をして頭を下げた。聖闘士たちが年明けに十二宮の階段を昇って、女神へ新年の拝謁を行うのは恒例の行事だ。星矢はその途中で各宮へ立ち寄り、知己の黄金聖闘士へも声をかけてゆく。
声をかけられた双児宮のあるじ達も、早朝ながらちゃんと起きていて、にこりと(カノンは多少ぶっきらぼうに)年初めの挨拶を返す。
星矢はにこにこと二人へ近づき、はい!と、まずはカノンへ写真を加工した年賀状を手渡した。ラダマンティスの写真だ。受け取ったカノンは微妙な顔をしている。
「今年は辰年だからね!ワイバーンで」
「おい小僧、色々突っ込んでいいか」
「ちゃんと許可とってるよ。本人を連れてこようと思ったんだけど、新年は忙しくて無理だって。明日の午後に訪問してもいいかって言ってた」
「…いつの間にそんな頼みごとをしたり、メッセンジャーを引き受けるほど親しくなったのだ」
ぶつぶつ言いながら、カノンはやっぱり微妙な顔をしていた。とはいえ、この場合素直に嬉しそうな顔をすることが出来ない性格であるだけで、ラダマンティスの来訪予告自体は喜んでいるのだ。
星矢はサガのほうに向き合った。
「サガにもいろんな写真を考えたんだよ。紫龍とか辰巳とか市とかライミとか。でもシードラゴンの実物が一緒にいるからいいかなって」
サガの表情は変わらなかったが、弟であるカノンには兄もまた内心で微妙な反応をしていることが手に取るように分かる。
サガお気に入りの後輩は、悪戯っぽく先輩の顔を見上げた。
「サガ、東洋では鯉が龍になったりするって知ってる?」
「デスマスクから聞いたことがある。滝を昇りきった鯉が龍と化すのだろう?」
「他にも、人間に愛されてた鯉が龍になるんだよ。竜鯉(りょうり)っていうんだ。鯉の側が人間からの愛情を感じないといけないんだけど」
少しだけ躊躇うように、星矢は言葉を置いてから続ける。
「オレは胸の中にコイを飼ってる。だからサガからの愛情があれば、すぐにでも龍に変わるよ」
思わぬ告白にサガは一瞬驚いたように目を見開いた。かつて偽教皇として、どのような事態にも動じず冷静にあしらってきた彼が、このように人間らしい感情をあらわにするのは珍しいことだ。
それこそ鯉のように口をぱくぱくさせていると、カノンが星矢をサガの前から引き剥がした。
「新年早々油断のならんガキだな。ほら、さっさと女神に挨拶してこい」
「ちぇ、強引にでもラダマンティスを連れてくれば良かった」
軽口を叩き合う星矢は、すでにいつもの調子に戻っている。
サガはほっとしたように微笑んで、今度は自分から星矢へ近づき、額へ祝福のキスを落とした。
「わたしはいつでもお前を愛しているよ」
慈愛と尊敬が主成分の、アガペーに近いそれではあるが、サガにとっても星矢は特別なのだ。
星矢はにこにこしながら、追加で紙袋をサガに渡した。
ペガサスが去った後にその袋を開けてみると、中には二人分の沖縄菓子「ドラ//ンボール」とド○ラのぬいぐるみが入っていた。日本野球に詳しくない二人は、何故ドラゴン繋がりでコアラのぬいぐるみなのか判らず、しばし頭を悩ませたと言う。
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今年もよろしくお願いします(>ω<)
拍手ご返信は仕事後の夜にさせてくださいね!今朝は超早出勤なので朝のブログ時間が足りなくてちょっと半端SSです(汗)HPアップの際にでも書き足したい…とくにサガと星矢のラブラブ部分を!
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