星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
無印&LC双子との同居クロスオーバー
去年の3/7のブログネタの焼き直し!
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黒髪のサガが不機嫌そうにソファーへ寝転んでいる。
荒れた猛獣に近づく者がいないように、この状態のサガへ近づく者は少なかったが、アスプロスはその少数の一人だった。
「起きろ。お前がソファーを占有すると俺が座れん。何があったのだ」
話しかけた理由は非常に利己的であるが、10%ほどの心配も混じっている。表面上の言動で誤解されやすいが、アスプロスは芯のところで非常に優しかった。
「…カノンとアレが、また間違えられたのだ」
アレとはもう一人の人格、通称白サガを指す。
カノンとサガは一卵性の双子であるため、当然ながらそっくりだ。ふだんは態度や雰囲気で見分けがつくものの、カノンが公共用に態度を改め、一人称を「私」にしだすと、大抵のものは判別をすることが出来ない。
「お前たちはそっくりなのだから、そういう事もあろう」
「わたしとは間違えられないのに」
黒髪のサガが拗ねている理由がわかり、ズコーとなりそうなアスプロスであった。それは無い物ねだりというものだ。
「サガ、お前は半分間違えられるのだから、まだいいだろう。俺など双子なのに一度も間違えられたことなどないのだぞ」
「……」
アスプロスには凶星扱いの双子の弟がいる。殆ど生まれたころから区別され、肌の色の違いもあって同列に扱われたことなどついぞ無かった。実力は遜色なく顔立ちもそっくりなのに、である。
「ふむ、俺も顔に灰でも塗れば弟と見間違える者も出ようか」
「すまぬ、詮無いことを言った」
さすがにアスプロスの前でいう愚痴でもないと気づいたのか、サガがソファーから起き上がる。艶やかな黒の髪が肩から零れ落ちているのを見て、アスプロスがポンと己の手を叩いた。
「俺が黒髪になってみようか」
唐突な申し出に、サガが目を丸くする。沈着冷静なサガを、本気で驚かせることができる者も少ないのだが、アスプロスはそれを知らない。
「お前が髪を染めるのか?」
「いや、手っ取り早く幻朧魔皇拳を撃つ」
「元に戻るときはどうするのだ」
「最初から解除条件を付けておけば問題なかろう。技をかけた者になら解除は可能であるのだし」
「なるほど…しかし、わたしは別にお前に間違えられたいわけでは」
「贅沢を言うな」
何が贅沢なのかサガにはちっとも判らなかったが、そもそも自分の愚痴が発端であるうえ、幻朧魔皇拳まで使おうとしている先代を見ると、突っ込みにくい。
こちらのサガが遠慮をするというのも非常に珍しいことであった。
「ではサガ、後輩であるお前が弟役だ」
「なっ…」
「当然であろう。ではそういう設定で1日ほど自己暗示をかけるゆえ、後は頼む」
「まて、まだ了承しておらん!」
慌てているサガを尻目に、無駄に実行力のあるアスプロスは、指弾による魔拳で己の頭を撃ち抜いている。
崩れ落ちてきたアスプロスの髪が徐々に闇色に染まっていくのを見て、サガは困惑にあふれた表情で動揺していたのだった。
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黒サガも相当な困ったちゃんですが、より利己的でフリーダムな黒アスぷのほうが困ったちゃんであることは間違いないので、たまには振り回される黒サガが見たいわけです(>ω<)
今日もぱちぱち有難うございます!毎日の潤いです。
最近どうも頭が重いなあと思ったら、花粉の季節になっていたのですね!
甜茶飲まねば(>△<、)
去年の3/7のブログネタの焼き直し!
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黒髪のサガが不機嫌そうにソファーへ寝転んでいる。
荒れた猛獣に近づく者がいないように、この状態のサガへ近づく者は少なかったが、アスプロスはその少数の一人だった。
「起きろ。お前がソファーを占有すると俺が座れん。何があったのだ」
話しかけた理由は非常に利己的であるが、10%ほどの心配も混じっている。表面上の言動で誤解されやすいが、アスプロスは芯のところで非常に優しかった。
「…カノンとアレが、また間違えられたのだ」
アレとはもう一人の人格、通称白サガを指す。
カノンとサガは一卵性の双子であるため、当然ながらそっくりだ。ふだんは態度や雰囲気で見分けがつくものの、カノンが公共用に態度を改め、一人称を「私」にしだすと、大抵のものは判別をすることが出来ない。
「お前たちはそっくりなのだから、そういう事もあろう」
「わたしとは間違えられないのに」
黒髪のサガが拗ねている理由がわかり、ズコーとなりそうなアスプロスであった。それは無い物ねだりというものだ。
「サガ、お前は半分間違えられるのだから、まだいいだろう。俺など双子なのに一度も間違えられたことなどないのだぞ」
「……」
アスプロスには凶星扱いの双子の弟がいる。殆ど生まれたころから区別され、肌の色の違いもあって同列に扱われたことなどついぞ無かった。実力は遜色なく顔立ちもそっくりなのに、である。
「ふむ、俺も顔に灰でも塗れば弟と見間違える者も出ようか」
「すまぬ、詮無いことを言った」
さすがにアスプロスの前でいう愚痴でもないと気づいたのか、サガがソファーから起き上がる。艶やかな黒の髪が肩から零れ落ちているのを見て、アスプロスがポンと己の手を叩いた。
「俺が黒髪になってみようか」
唐突な申し出に、サガが目を丸くする。沈着冷静なサガを、本気で驚かせることができる者も少ないのだが、アスプロスはそれを知らない。
「お前が髪を染めるのか?」
「いや、手っ取り早く幻朧魔皇拳を撃つ」
「元に戻るときはどうするのだ」
「最初から解除条件を付けておけば問題なかろう。技をかけた者になら解除は可能であるのだし」
「なるほど…しかし、わたしは別にお前に間違えられたいわけでは」
「贅沢を言うな」
何が贅沢なのかサガにはちっとも判らなかったが、そもそも自分の愚痴が発端であるうえ、幻朧魔皇拳まで使おうとしている先代を見ると、突っ込みにくい。
こちらのサガが遠慮をするというのも非常に珍しいことであった。
「ではサガ、後輩であるお前が弟役だ」
「なっ…」
「当然であろう。ではそういう設定で1日ほど自己暗示をかけるゆえ、後は頼む」
「まて、まだ了承しておらん!」
慌てているサガを尻目に、無駄に実行力のあるアスプロスは、指弾による魔拳で己の頭を撃ち抜いている。
崩れ落ちてきたアスプロスの髪が徐々に闇色に染まっていくのを見て、サガは困惑にあふれた表情で動揺していたのだった。
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黒サガも相当な困ったちゃんですが、より利己的でフリーダムな黒アスぷのほうが困ったちゃんであることは間違いないので、たまには振り回される黒サガが見たいわけです(>ω<)
今日もぱちぱち有難うございます!毎日の潤いです。
最近どうも頭が重いなあと思ったら、花粉の季節になっていたのですね!
甜茶飲まねば(>△<、)