星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
「サガよ、おまえの目標はアイオロスを越える事かもしれないが、オレの目標はおまえを超えることなのだからな」
とカノンが突然言い出した。ソファーにどっかりと座り、視線は手にした雑誌に向けたままである。
サガは二人分のホットワインを手に台所から出て来たところであったが、まじまじとカノンを見て、とりあえずそのワインをソファー前のテーブルへ置いた。
「確かにかつてのわたしの目標はそうだった。教皇となるために、それは必要なことであったから」
カノンのとなりへ、並ぶようにしてサガも腰を下ろす。
「今は違う。わたしの目標は、わたしの中にある。わたしは、わたし自身に打ち勝ちたい」
女神の盾をもってして、ようやく切り離されたサガの中の悪。本来は自分自身で乗り越えるべきことだったとサガは思っている。抵抗はしつづけた。けれども勝てなかったことが、自害に相当する己の罪なのだという認識は変わっていない。
「だから、わたしなどよりも大きな目標を持ってほしい」
苦笑しながらワイングラスを手にした兄の言葉をどう聞いたのか、カノンは雑誌を両手でぱしんと閉じた。
「人間は善と悪の両方を持っている。どちらかがどちらかに完全に勝つなんてのは、結局無理だ。オレはそのことを良く実感している」
「そうだろうか」
「なのに、おまえが善悪のバランスを崩したのは、オレが悪を囁き続けたせいもある。そうでなきゃ、石頭のおまえが偏るわけない」
「石頭は余計だ」
小さな抗議を無視して、カノンも目の前のワイングラスを指先で掴む。
「だからな、今度はオレが善を囁けば、わりとおまえの目標は簡単に叶うのではないか?善に偏ればいいんだろう?」
どこか得意そうに主張しだしたカノンを、サガはぽかんとした顔で見つめ返した。
「目標を叶えたおまえを、オレが越える。小さな目標だとは思わんな」
「…おまえは」
「善の側に、アテナの側に、つまりオレの側にずっといろよ」
ワイングラスのふちをサガの持つグラスに軽く当て、さっそくカノンは言動を一致させた。
とカノンが突然言い出した。ソファーにどっかりと座り、視線は手にした雑誌に向けたままである。
サガは二人分のホットワインを手に台所から出て来たところであったが、まじまじとカノンを見て、とりあえずそのワインをソファー前のテーブルへ置いた。
「確かにかつてのわたしの目標はそうだった。教皇となるために、それは必要なことであったから」
カノンのとなりへ、並ぶようにしてサガも腰を下ろす。
「今は違う。わたしの目標は、わたしの中にある。わたしは、わたし自身に打ち勝ちたい」
女神の盾をもってして、ようやく切り離されたサガの中の悪。本来は自分自身で乗り越えるべきことだったとサガは思っている。抵抗はしつづけた。けれども勝てなかったことが、自害に相当する己の罪なのだという認識は変わっていない。
「だから、わたしなどよりも大きな目標を持ってほしい」
苦笑しながらワイングラスを手にした兄の言葉をどう聞いたのか、カノンは雑誌を両手でぱしんと閉じた。
「人間は善と悪の両方を持っている。どちらかがどちらかに完全に勝つなんてのは、結局無理だ。オレはそのことを良く実感している」
「そうだろうか」
「なのに、おまえが善悪のバランスを崩したのは、オレが悪を囁き続けたせいもある。そうでなきゃ、石頭のおまえが偏るわけない」
「石頭は余計だ」
小さな抗議を無視して、カノンも目の前のワイングラスを指先で掴む。
「だからな、今度はオレが善を囁けば、わりとおまえの目標は簡単に叶うのではないか?善に偏ればいいんだろう?」
どこか得意そうに主張しだしたカノンを、サガはぽかんとした顔で見つめ返した。
「目標を叶えたおまえを、オレが越える。小さな目標だとは思わんな」
「…おまえは」
「善の側に、アテナの側に、つまりオレの側にずっといろよ」
ワイングラスのふちをサガの持つグラスに軽く当て、さっそくカノンは言動を一致させた。