星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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Ωの新キャラ見たときリュウドルクっぽいと思いました。
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「あちい…」
思わず零れでたカノンの呟きに、サガが振り向いた。
ここ数日、ギリシアでは猛暑日が続いている。標高のある双児宮ですら、30度を越えるのだ。宮のなかはもう少し温度が下がるものの、冷房施設などない昔ながらの宮である。カノンはもう朝から1リットルほど水を飲んでいる。熱中症対策にはなっているものの、そろそろお腹が水でだぼだぼだ。
海界では愚痴や弱みなど全く見せぬ彼も、ここ双児宮で兄の前では、昔の素を見せる。
サガは、どこか困ったようなあの独特の微笑を浮かべ、カノンへ言った。
「涼しくしようか」
「頼む」
「では…」
おもむろにサガが取り出したのが、怪談と書かれた本だったので、カノンは心底がっかりした。
「おまえな、そういう精神論でホントに涼しくなると思ってんのかよ」
「わたしは温かくなるが、お前は冷えるかと思って」
サガが本の間から取り出したのは、1通の手紙。
何とはなしにそれを見ていたカノンだったが、ふとその手紙の中身に思い当たり、慌ててソファーから飛び起きた。サガは構わずその中身を読み上げていく。
「『兄さん、どうして判ってくれないのだ。兄さんの力とオレの力をあわせれば、聖域制覇のみならず、世界征服とて…』」
「ちょ、返せ!!!」
それは遠い遠い昔、すれ違いがちだった双子の兄へむけて、カノンが書いた置手紙。
サガが本へ挟んでおいたのが、そのまま残っていたようだ。
「本の整理をしているときに、偶然見つけてな…」
「おまえ、ひとの黒歴史をネタにするな!」
顔を赤くして手紙を取り上げようと手を伸ばすカノンと、からかうように逃げるサガ。

結果的に、カノンの体温も部屋の温度もサガのせいでかなり上昇したため、サガのおごりで村のタベルナ(冷房付き)へ涼みに行くことになった。
双子神デート
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「眠りの世界にある魂は、冥界にある魂と違って、随分と生々しいな」
タナトスが物珍しそうに辺りを見回している。
ここは夢界。ヒュプノスの司る世界だ。暇をもてあましたタナトスが、興味半分で連れてきてもらっているのだが、死界とは大きく異なる世界の構成法則に、まだ慣れぬようだ。
ここでは総てが曖昧で、感情は原始的に働き、物事は論理的な法則なく変異する。
タナトスを案内しているヒュプノスは楽しそうに笑った。
「それはそうだろう。ここにある魂たちは生きているのだからな。目覚めれば生の世界に戻る」
「人間どもは、このような夢をみているのか」
「夢を見るのは人間だけではない。神や動物、植物もまた眠りにつく。お前の夢もあるぞ」
「……勝手に見るな」
「ふふ、わかった。覗かぬように心がけよう」
ヒュプノスは機嫌がいい。タナトスがヒュプノスの管轄界を訪れたいなどと言うのは初めてのことなのだ。
「向こうにお前好みの領域がある。晴れぬ恨みを夢の中で発散する者たちによる、惨殺や流血のエリアだ」
「ほう」
「ただ、そこに集う魂たちの恨みや憎しみが深いぶん、より生々しい命に触れることになるが」
ヒュプノスは死の神である半身を見た。どんな形であれ強い想いは命の発露だ。血や暴力を好むとはいえ、生の対極を司るタナトスが不快とせぬか気にやんだのだ。
しかしタナトスはその心配を笑い飛ばした。
「構わぬ。気に入った想いがあれば、その願い、叶えてやっても良いしな」
恨む相手へ死を与えても良いと言うことだ。塵芥と蔑む人間の望みを、叶えてやってもよいと言いだすことも大変珍しい。
「では、ゆこうかタナトス」
「ああ」
タナトスを先導するようにして、ヒュプノスは夢の浮橋を渡り始めた。
リンクをさせていただいているLogos様が、拙宅タナサガをベースに三巨頭×サガのお話を書いて下さいました!アイアコス・ミーノス・ラダマンティスそれぞれとサガのお話です。リンクから是非どうぞ。わーい。
2011/05/14日記の焼き直し
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聖戦が終わり、戦後処理が一段落付くと、一連の騒乱を記録として残す作業が必要となってくる。聖域において編纂を行うのは通常教皇だが、教皇が亡くなっていた場合にはその補佐もしくは黄金聖闘士など、戦の全体を知るものが行うこともある。
当事者たちが死んでいることの多い聖戦その他のことがらを、情報少なく客観的に記すことはなかなか難しいのだが、なんといっても聖域には女神がいる。また、聖衣には着用者の記憶が積み重なる。
そういった膨大なデータを細やかに集めて、戦ったものたちの想いを汲み上げるのも、生者の努めだろう。

次期教皇としてアイオロスがその任を負ったのは当然だが、サガがその補佐としてつけられたのには皆が目を丸くした。シオンいわく「13年ものあいだ教皇をしていた者が1番詳しかろう」とのことだが、サガは僭主であったのだ。しかもアイオロスを殺害して。
その人間を編纂に関わらせるという判断は、シオンらしくもあるが、聖闘士たちの度肝をぬかせたものだ。


「あれ、君が手伝ってくれるんだ?」
集められた資料に目を通していたアイオロスは、やってきたサガの髪が黒いことに目を細め、それからにこりと笑った。
「どうせなら反体制側の主張も存分にしておこうと思ってな」
どかりと乱暴に椅子に腰を下ろしたサガは、真向かいのアイオロスを睨む。
編纂対象はサガが反乱を起こした手前あたりからなのだ。
「もちろん君の言い分も聞くよ。その上で総合的に判断するけど」
「フン」
「あと、悪いけど君が反乱起こした事件名は、聖域での認知度を鑑みて『サガの乱』で記すことになるからね。君の名を出したくないから『双子座の乱』で書こうかなと思ったんだけど、黄金聖闘士の表記にするのは、体制的に好ましくないんだってさ」
「勝手にするがいい」
「でもさ、『サガの乱』て一文字付け足すと、『サガの乱れ』になるんだよ。なんかときめく感じだよね」

その途端、黒のサガが執務机をシオンばりにちゃぶ台返ししたため、部屋には資料が舞い散る嵌めになった。そして入り口付近では資料を届けに来たシュラが、胃をシクシクと痛めさせていたのだった。
今日のΩネタあり
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「なあサガ。おまえ、あの小僧のことどう思ってんだ」
カノンはサガに尋ねた。前から気になっていたことだ。
あの小僧というのはペガサス星矢のことである。そこは双子同士、名前をださなくとも通じる。
己の野望を阻止した青銅聖闘士を、サガはことのほか可愛がっている。
好意を持っているのは見ていてわかるが、その好意が一体どこまでのものか、カノンは真正面から尋ねたのだ。このくらい直接尋ねないと、博愛なサガには通じないという判断もある。
サガは弟の問いを受け、しばし考え込んだ。
(そうだな…彼はわたしの希望そのものだ。真っ直ぐな小宇宙で、わたしを助けてくれた。いや、恩だけではない。今も彼の笑顔はわたしの心を温かくする。光輝く女神と同じように)
胸に手をあて、己の気持ちを確かめたサガは、溢れ零れる想いをそのままカノンに伝える。
「星矢は女神のようだと思う」
「……」
しかしカノンは微妙な半眼になったあと、呆れたようにサガの肩をぽんぽんと叩いて、長い長いため息を零した。
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