星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1963]  [1962]  [1961]  [1960]  [1959]  [1958]  [1957]  [1956]  [1955]  [1954]  [1953
2011/05/14日記の焼き直し
=============================

聖戦が終わり、戦後処理が一段落付くと、一連の騒乱を記録として残す作業が必要となってくる。聖域において編纂を行うのは通常教皇だが、教皇が亡くなっていた場合にはその補佐もしくは黄金聖闘士など、戦の全体を知るものが行うこともある。
当事者たちが死んでいることの多い聖戦その他のことがらを、情報少なく客観的に記すことはなかなか難しいのだが、なんといっても聖域には女神がいる。また、聖衣には着用者の記憶が積み重なる。
そういった膨大なデータを細やかに集めて、戦ったものたちの想いを汲み上げるのも、生者の努めだろう。

次期教皇としてアイオロスがその任を負ったのは当然だが、サガがその補佐としてつけられたのには皆が目を丸くした。シオンいわく「13年ものあいだ教皇をしていた者が1番詳しかろう」とのことだが、サガは僭主であったのだ。しかもアイオロスを殺害して。
その人間を編纂に関わらせるという判断は、シオンらしくもあるが、聖闘士たちの度肝をぬかせたものだ。


「あれ、君が手伝ってくれるんだ?」
集められた資料に目を通していたアイオロスは、やってきたサガの髪が黒いことに目を細め、それからにこりと笑った。
「どうせなら反体制側の主張も存分にしておこうと思ってな」
どかりと乱暴に椅子に腰を下ろしたサガは、真向かいのアイオロスを睨む。
編纂対象はサガが反乱を起こした手前あたりからなのだ。
「もちろん君の言い分も聞くよ。その上で総合的に判断するけど」
「フン」
「あと、悪いけど君が反乱起こした事件名は、聖域での認知度を鑑みて『サガの乱』で記すことになるからね。君の名を出したくないから『双子座の乱』で書こうかなと思ったんだけど、黄金聖闘士の表記にするのは、体制的に好ましくないんだってさ」
「勝手にするがいい」
「でもさ、『サガの乱』て一文字付け足すと、『サガの乱れ』になるんだよ。なんかときめく感じだよね」

その途端、黒のサガが執務机をシオンばりにちゃぶ台返ししたため、部屋には資料が舞い散る嵌めになった。そして入り口付近では資料を届けに来たシュラが、胃をシクシクと痛めさせていたのだった。
<<< 夢の更紗 HOME 独特な表現 >>>
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.