星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
うう、今日も急遽早番かつ遅番…でもLC感想と七草がゆネタとクレープネタと返信は今日中にしたい…すみませんやるやる詐欺の昨今で…
1/1-1/3 とおる様>お返事遅くなって申し訳ありません(>x<)新年早々萌えさせていただきました!クレープを食べる黒サガ!そ…想像するだけでもだえます。とおるさんがコメントに書いてくださったネタを全部使うとこんな感じなのでしょうか。
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サガとカノンは並んで公園のベンチに腰を下ろしていた。
双子ゆえに同じ顔ではあるものの、今日のサガは髪が黒い。そして、紅い瞳を隠すために、黒のサングラスをかけている。そのため、両者の区別は簡単だ。
通行人の誰もが振り向く超絶美形の二人であった。しかし、発せられる尋常でない威圧感のためか、通常であれば餌をもとめて近寄ってくる鳩の群れも遠巻きである。
「カノンよ」
「なんだサガ」
「わたしたちはいつまで待っていれば良いのだ」
「アルデバランが来るまでだ。仕方ないだろう、オレとて本来はすぐ海界へ向かいたいのだ」
彼らがこうしているのには訳があった。人待ちである。
黒サガが聖域を出て一般市街へ降りる際には、必ず黄金聖闘士の付き添いが付く。名目上は監視だ。かつて女神に反逆した闇の人格を、何の戒めもなく自由行動させるのは危険であるという声は未だに根強い。そのため、対外的にも内部向けにも、建前としてそのような形を取ることで安全性をアピールをしているのだ。
それが形式上のものであることは、その付き添いが同じ反逆者かつ身内のカノンであっても問題ないところからも自明ではある。実質的に、それは黒サガに対する過度の誹謗や復讐を未然に防ぐ措置であった。
今日もそのようにして双子は町へ降りたのだが、海将軍筆頭であるカノンの方に仕事が入ってしまい、お目付け役の交代が必要になったというわけなのだ。
本日1番近くにいて、且つ緊急の任務が入っていないのがアルデバランであったため、二人は牡牛座の到着を待っている状況であった。
何もしない時間というのが苦手な黒サガはフンと鼻を鳴らし、空を見上げた。冬の空気は肌寒いものの、空は澄んで晴れ渡っている。
「甘いにおいがする」
ふとサガが呟いた。黄金聖闘士の嗅覚をもたずとも、公園に漂うその匂いを感じ取ることは容易だった。菓子を売る露店があるのだ。公園内を見回すと、噴水の向こう側にクレープ屋台がある。
カノンはつと立ち上がり、その店へと歩いていった。黒サガは何とはなしにそれを見ている。
戻ってきたカノンの手にはクレープが握られていた。
「ほら」
カノンが差し出したそれを、サガは妙な顔をしながら受け取った。
「これは何だ」
「何だって…さっきのあれは、買って来いっていう遠まわしな請求じゃないのか」
「何故そういうことになるのだ。わたしはこの食べ物が何かも知らぬ」
そう言うと、カノンはそう驚いた顔もせずふーんとだけ答えた。
「じゃあオレが食うから返せ」
しかし、サガはそれを無視して、手にした食べ物の匂いを嗅いでいる。
「おい…」
「わたしが貰ったのだから、わたしのものだ」
「判ったが、そんなに強く持つと潰れるぞ」
「ふむ…外で販売を行い、食品の一部しか包装されておらぬところを見ると、これは野外で手に持って食すものだな」
「そのようなプロファイリングをせずとも、それしかないだろう」
「なるほど、しかし匙がない」
サガは左手にクレープを持ったまま、右手をひらりとさせた。カップアイスのたぐいだと思っているようだ。
「どこの深窓の小娘だお前は。こうやってそのまま食うんだよ」
呆れたカノンが顔を近づけ、ぱくりとサガの手にあるクレープから一口奪い取る。
「貴様、わたしのものだと言ったろう!」
「食い方指南の駄賃だ。っていうか、オレの奢りだということを忘れていないか」
カノンのツッコミを無視して、サガも負けずにクレープの端へぱくりと噛み付く。焼き立てでまだ暖かいクレープの皮の中から、とろりと甘いクリームがあふれだしている。手にこぼさぬよう、サガはそのクリームも舌ですくいとって食べた。
「…甘い」
「デザートクレープだからな。ソーセージとチーズを包んだ奴の方が良かったか?」
「いや、これも悪くない」
サガはそういってもう一口食べ、クレープの包みをカノンの方へと差し出した。自分のものだと主張しておきながら、どうやら自分の口がふさがっている間はカノンが食っても良いということらしい。勧められるままにカノンが一口ほお張り、今度はサガがもう一口食べる。
交互に二人は食べ進めていき、最後に一口分が残った。
サガは何の遠慮もなく、最後のそれを口にした。
カノンは新鮮な面持ちでそれを眺めた。もうひとりのサガは、何かを半分に出来なかったとき、または余分が出たときには必ずそれをカノンへ与えようとしたものだ。何も持たぬ弟へ譲り与えることが兄の務めだとでもいうように。たった一つの例外が双子座の黄金聖衣だった。
サガが弟に対して何の気遣いもなく己を優先した行為を見ても、何故かカノンの心は軽かった。
そんなカノンの視線に気づいているのか、黒髪のサガがちらりとカノンを見て、にやりと笑う。
「最後のひと口を、お前にやろうか」
そういって差し出したのは、クレープを手にしていた左手だ。その指先には流石に垂れたのか、生クリームがひとすくい分乗っている。
「お前な…そういうのはひと口とか言わんのだ」
「いらなければ、わたしが舐めるが」
「いらないとは言っていない」
猫がじゃれるように、首を伸ばしてサガの指先をざらりと舌で舐める。目に入った爪は、相変わらず綺麗に整えられていた。時折アフロディーテあたりが手入れをしてやっているのだろう。
サガの指が動いて、カノンの唇をなぞった。完全に面白がっている。
「あー…そういうことは、双児宮の中だけにしたほうが良いと思うぞ」
しかし、突然少し離れた場所から聞きなじんだ隣宮のアルデバランの声が聞こえて、双子はびくりと飛び上がった。
アルデバランはあくまで他意なく、人の良さそうな顔で首を傾げ、双子に片手を上げて挨拶をする。
「待たせたな。俺は瞬間移動が苦手なので、ムウにここまでテレポートで送ってもらったのだ…少し遅くなった」
「………」
気恥ずかしさで視線を泳がせているカノンを残し、サガは無言で立ち上がり、クレープ屋の方へと歩いていく。何事かと見送ったアルデバランのところへ彼が戻ってきた時には、新しい焼き立てのクレープが右手に握られていた。
サガはそれをアルデバランに差し出した。
「今見たことは忘れろ」
「口止めせずとも、誰かに話したりはせんぞ?」
それでも有難そうに受け取っているアルデバランを残して、カノンのほうは挨拶もそこそこに海界へと飛ぶ。
ベンチへ座り直し、アルデバランが食べ終わるのを待ちながら、サガはまた空を見上げた。公園の空気も、弟も、アルデバランも、そして女神も、何もかもが甘い世界だと思った。
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うう、とおるさんに頂いた元ネタコメントの数々の方が萌える…OTZ
MY脳内にある公園のベンチにサガを座らせ、その隣へ黄金聖闘士たちを順番に一人ずつ置いて、それぞれとクレープを食ってる図を12人分妄想してみたのですが、サガは誰と並んでクレープを一緒に食べても似合うなあと思いました。
素敵なコメントを本当に有難うございました!お忙しそうですが、いつも心より応援させて頂いております!
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サガとカノンは並んで公園のベンチに腰を下ろしていた。
双子ゆえに同じ顔ではあるものの、今日のサガは髪が黒い。そして、紅い瞳を隠すために、黒のサングラスをかけている。そのため、両者の区別は簡単だ。
通行人の誰もが振り向く超絶美形の二人であった。しかし、発せられる尋常でない威圧感のためか、通常であれば餌をもとめて近寄ってくる鳩の群れも遠巻きである。
「カノンよ」
「なんだサガ」
「わたしたちはいつまで待っていれば良いのだ」
「アルデバランが来るまでだ。仕方ないだろう、オレとて本来はすぐ海界へ向かいたいのだ」
彼らがこうしているのには訳があった。人待ちである。
黒サガが聖域を出て一般市街へ降りる際には、必ず黄金聖闘士の付き添いが付く。名目上は監視だ。かつて女神に反逆した闇の人格を、何の戒めもなく自由行動させるのは危険であるという声は未だに根強い。そのため、対外的にも内部向けにも、建前としてそのような形を取ることで安全性をアピールをしているのだ。
それが形式上のものであることは、その付き添いが同じ反逆者かつ身内のカノンであっても問題ないところからも自明ではある。実質的に、それは黒サガに対する過度の誹謗や復讐を未然に防ぐ措置であった。
今日もそのようにして双子は町へ降りたのだが、海将軍筆頭であるカノンの方に仕事が入ってしまい、お目付け役の交代が必要になったというわけなのだ。
本日1番近くにいて、且つ緊急の任務が入っていないのがアルデバランであったため、二人は牡牛座の到着を待っている状況であった。
何もしない時間というのが苦手な黒サガはフンと鼻を鳴らし、空を見上げた。冬の空気は肌寒いものの、空は澄んで晴れ渡っている。
「甘いにおいがする」
ふとサガが呟いた。黄金聖闘士の嗅覚をもたずとも、公園に漂うその匂いを感じ取ることは容易だった。菓子を売る露店があるのだ。公園内を見回すと、噴水の向こう側にクレープ屋台がある。
カノンはつと立ち上がり、その店へと歩いていった。黒サガは何とはなしにそれを見ている。
戻ってきたカノンの手にはクレープが握られていた。
「ほら」
カノンが差し出したそれを、サガは妙な顔をしながら受け取った。
「これは何だ」
「何だって…さっきのあれは、買って来いっていう遠まわしな請求じゃないのか」
「何故そういうことになるのだ。わたしはこの食べ物が何かも知らぬ」
そう言うと、カノンはそう驚いた顔もせずふーんとだけ答えた。
「じゃあオレが食うから返せ」
しかし、サガはそれを無視して、手にした食べ物の匂いを嗅いでいる。
「おい…」
「わたしが貰ったのだから、わたしのものだ」
「判ったが、そんなに強く持つと潰れるぞ」
「ふむ…外で販売を行い、食品の一部しか包装されておらぬところを見ると、これは野外で手に持って食すものだな」
「そのようなプロファイリングをせずとも、それしかないだろう」
「なるほど、しかし匙がない」
サガは左手にクレープを持ったまま、右手をひらりとさせた。カップアイスのたぐいだと思っているようだ。
「どこの深窓の小娘だお前は。こうやってそのまま食うんだよ」
呆れたカノンが顔を近づけ、ぱくりとサガの手にあるクレープから一口奪い取る。
「貴様、わたしのものだと言ったろう!」
「食い方指南の駄賃だ。っていうか、オレの奢りだということを忘れていないか」
カノンのツッコミを無視して、サガも負けずにクレープの端へぱくりと噛み付く。焼き立てでまだ暖かいクレープの皮の中から、とろりと甘いクリームがあふれだしている。手にこぼさぬよう、サガはそのクリームも舌ですくいとって食べた。
「…甘い」
「デザートクレープだからな。ソーセージとチーズを包んだ奴の方が良かったか?」
「いや、これも悪くない」
サガはそういってもう一口食べ、クレープの包みをカノンの方へと差し出した。自分のものだと主張しておきながら、どうやら自分の口がふさがっている間はカノンが食っても良いということらしい。勧められるままにカノンが一口ほお張り、今度はサガがもう一口食べる。
交互に二人は食べ進めていき、最後に一口分が残った。
サガは何の遠慮もなく、最後のそれを口にした。
カノンは新鮮な面持ちでそれを眺めた。もうひとりのサガは、何かを半分に出来なかったとき、または余分が出たときには必ずそれをカノンへ与えようとしたものだ。何も持たぬ弟へ譲り与えることが兄の務めだとでもいうように。たった一つの例外が双子座の黄金聖衣だった。
サガが弟に対して何の気遣いもなく己を優先した行為を見ても、何故かカノンの心は軽かった。
そんなカノンの視線に気づいているのか、黒髪のサガがちらりとカノンを見て、にやりと笑う。
「最後のひと口を、お前にやろうか」
そういって差し出したのは、クレープを手にしていた左手だ。その指先には流石に垂れたのか、生クリームがひとすくい分乗っている。
「お前な…そういうのはひと口とか言わんのだ」
「いらなければ、わたしが舐めるが」
「いらないとは言っていない」
猫がじゃれるように、首を伸ばしてサガの指先をざらりと舌で舐める。目に入った爪は、相変わらず綺麗に整えられていた。時折アフロディーテあたりが手入れをしてやっているのだろう。
サガの指が動いて、カノンの唇をなぞった。完全に面白がっている。
「あー…そういうことは、双児宮の中だけにしたほうが良いと思うぞ」
しかし、突然少し離れた場所から聞きなじんだ隣宮のアルデバランの声が聞こえて、双子はびくりと飛び上がった。
アルデバランはあくまで他意なく、人の良さそうな顔で首を傾げ、双子に片手を上げて挨拶をする。
「待たせたな。俺は瞬間移動が苦手なので、ムウにここまでテレポートで送ってもらったのだ…少し遅くなった」
「………」
気恥ずかしさで視線を泳がせているカノンを残し、サガは無言で立ち上がり、クレープ屋の方へと歩いていく。何事かと見送ったアルデバランのところへ彼が戻ってきた時には、新しい焼き立てのクレープが右手に握られていた。
サガはそれをアルデバランに差し出した。
「今見たことは忘れろ」
「口止めせずとも、誰かに話したりはせんぞ?」
それでも有難そうに受け取っているアルデバランを残して、カノンのほうは挨拶もそこそこに海界へと飛ぶ。
ベンチへ座り直し、アルデバランが食べ終わるのを待ちながら、サガはまた空を見上げた。公園の空気も、弟も、アルデバランも、そして女神も、何もかもが甘い世界だと思った。
============================
うう、とおるさんに頂いた元ネタコメントの数々の方が萌える…OTZ
MY脳内にある公園のベンチにサガを座らせ、その隣へ黄金聖闘士たちを順番に一人ずつ置いて、それぞれとクレープを食ってる図を12人分妄想してみたのですが、サガは誰と並んでクレープを一緒に食べても似合うなあと思いました。
素敵なコメントを本当に有難うございました!お忙しそうですが、いつも心より応援させて頂いております!