映画「転校生」として映像化された、おれがあいつであいつがおれで…のような身体入れ替えネタ、サガとカノンでやったらどうかな!身体一緒ですけど!
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親書を運んできたついでに双児宮へと立ち寄ったラダマンティスは、自分を出迎えたカノンにかすかな違和感を覚えて首をかしげた。
いつもの海龍と何が違うという訳ではないのだが、強いて言えば見た目の雰囲気がどこか柔らかい。それでいて、その鋭い意思を見せる視線は、間違いなく情人のもの。
サガとカノンの判別には自信のあるラダマンティスだったが、何者かがそのように化けている可能性もある。海界には人の心を読み、その心にある者を完全に模写する能力に長けた戦士もいるという。
ラダマンティスはちまちま考える事を放棄して、目の前の男にはっきりと聞くことにした。
「お前はカノンのようだが、イメチェンでもしているのか」
カノンは驚いたように目を丸くして、がしがしと頭をかいている。
「お前は魂を見て相手を見分けられるから、逆に気づかないと思ったんだがなあ。流石というか…ま、入れよ」
有無を言わさず、手を引っ張られて双児宮の居住区エリアに連れ込まれた。
客間には既に紅茶を淹れたサガが待っていた。おそらく事前に翼竜の小宇宙を感知して用意していたのだろう。サガはラダマンティスが座ると同時にその前へとカップを置いた。
こちらの双子の片割れにも微妙に違和感を覚える。いつもより馴染みのある気配。
その指先を見て、ラダマンティスはある事に気づき、呆れたように二人を交互に見た。
「お前たち…身体が逆なのか!」
「ご名答」
「よく判ったなラダ!」
双子から同時に返事が帰ってきた。
「というわけで、ちょっとした事故で兄さんと身体が入れ替わってしまってな」
カノンから説明を受けても、ラダマンティスの呆れた顔はそのままだった。
「相変わらず聖域では非常識な事ばかり起こる」
「そんなわけで、サガの身体の間はお前にもイロイロ我慢させるが許せ」
サガの身体を持つカノンが、にやっと笑ってラダの唇を人差し指でなぞる。その指はしなやかで、整えられた爪が綺麗に色づいていた。
サガとカノンは同じ肉体スペックながら、基本的にサガの方が身体を丁寧に扱っている。先ほどラダマンティスが入れ替わりに気づいたのも、そういった細部の違いが目に付いたからだった。
「仕方がないな、お前の大事な兄上の身体では」
ラダマンティスが苦笑する。サガの身体であっても中身がカノンなので、目の前の男の表情はカノンそのものだ。対して、サガの方はカノンの身体であっても、動きが優美だ。
ふと、ラダマンティスは好奇心を起こし、カノンの大腿部の外側を軽くをなぞる。カノンはそれに気づくと、その手をぴしりと叩いた。
「てめえ、我慢させると言ったばかりだぞ!」
「なるほど」
「何がなるほどだ」
「いや、やはり違うものだなと思って。見ていろ」
ラダマンティスは反対側に座っていたサガの方を向くと、止める間もなくカノンにしたのと同じ箇所をスっとなで上げる。
「~!!!!」
サガがひくりと震えたのちに、声にならない叫びを上げて飛びさすった。冷静なサガにしては珍しく顔を赤くしている。
「お前たちは双子ゆえに敏感な箇所は同じようだが、開発されている分カノンの身体のほうが反応が良…」
「ギャラクシアンエクスプロージョン!」
ラダマンティスが言い終わる前に返ってきたのは、双子双方からの必殺技だった。
公人として来ているラダマンティスに配慮して威力が控えめだったため、簡単に防御壁は張れたのだが、カノンに散々クギを指される事になった。
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サガなんだけど、カノンの身体がラダに反応するといいなという妄想(痛)
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