星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
今日も行き過ぎた兄弟愛。
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海界から戻ったオレは、宮にいるべき兄の姿がないことに首を傾げた。
「サガ?」
声を掛けたものの返事が無い。
(出かけているのだろうか)
そう思い、小宇宙を高めてサガの気配を辿ると、探すまでもなく寝室の方から反応があった。
いつもであれば、直ぐに「おかえり」と出迎えるサガにしては珍しい。
『兄弟であっても、日常における挨拶を交わすのは大事なけじめだ』と、しつこいくらい押し付けてくるのが鬱陶しいと思っているのに、迎えが無いとそれはそれで寂しいと感じるあたり、相当サガに毒されてきたのだろうかと思いつつ、様子を見に部屋へ足を運ぶ。
閉じられた扉の前で一応ノックをしてみた(これも、サガの躾によるものだ)が、返される応えは無い。
オレは仕方なく、そのまま扉を押し開けた。
中に見えたのは、寝台の上へ身体を丸めるように沈め、荒い息を零して苦しむサガの姿。
「おい、どうしたんだよ!」
流石に慌てて駆け込み、まずは手のひらによる触診でもって体温を計る。熱は無い。
しかし、その額にはじっとりと汗が滲み、触れた手を湿らせる。
意識があるのかと頬を軽く叩くと、その衝撃に気づいたのか、うっすらとサガがまぶたを開いた。
「カノン…おかえり」
こんな時でも挨拶優先なところがサガらしい。
「おかえりじゃねえよ、どうしたんだ一体!何で人を呼ばないんだ!」
病気であれば聖闘士の自然治癒だけでは追いつかないだろうし、自分の手にも負えない。
緊急の通信を飛ばそうと小宇宙を高め始めると、汗ばんだサガの手がそっとそれを抑えた。
「違うのだカノン…」
「何が違うのだ、医者を呼ぶぞ!」
「これは…統合の調子が悪いだけで…医療では治らん…」
途切れ途切れ苦しそうに吐き出すサガは、これは他人には治せないものだと言った。
あまりに白と黒の波長が遠い時に、無理に一つになろうとすると、拒否反応が出るのだという。
「そのうちに、治まる…」
「しかし!」
苦しそうなサガの波動はこちらまで伝わるほどだ。
合うべきものが合わないような、もどかしく気持ちの悪い、それでいて切裂かれるようなこの感覚。
これを本人であるサガは何百倍も強く直に感じているのだろう。
「統合が苦しいってのなら、解けばいいだろ!」
思わず叫ぶと、サガは乱れた髪の合間から微笑んだ。
「私は、一つになることから、逃げてはならない…慣れなければ」
その瞳の色は紅く点滅しているようでもあり、青く澄んでいるようでもあり、なかなか定まらない。
カノンは兄の身体ごと抱き起こすと、睨むように顔を覗き込んだ。
「無理に型に嵌める必要はない。どんなお前だって、お前だろうに」
サガは目を見開き、それから小さく笑った。
「…お前も…どんなお前であっても、私のカノンだ」
白くなめらかなサガの指が伸びてきて、オレの頬をなぞる。
それから、倒れこむようにオレの胸に顔を埋めて、背中へと手を回してきた。
「カノン…少し、こうしていても良いか」
「ああ」
何をしたいのか、オレは直ぐに気づいた。
サガと同じオレの小宇宙は、サガを安定させる効果があるのだ。
統合による精神の乱れを、オレとの接触で癒しているのだろう。
オレの小宇宙はいわば調律の基調となる指針のようなもの。そして指針であるオレが悪の方に振れれば、サガも悪に流れる。過去の経験でオレはそれを知っていた。
「無防備にオレと同調して、また流されると思わないのか?」
そう言ってやったものの、サガが離れる気配は無い。
「お前を信じている」
胸元で即答されて苦笑する。昔はこの信頼さえ正義の押し付けと思ったものだが。
幼かったあの頃とはまた別の意味で、この優等生な兄を流してみたいと思いながら、オレはそっとサガの頭を抱きしめた。
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カノンにゴロゴロ言ってるサガが書きたかっただけのお話ですが( ><)
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海界から戻ったオレは、宮にいるべき兄の姿がないことに首を傾げた。
「サガ?」
声を掛けたものの返事が無い。
(出かけているのだろうか)
そう思い、小宇宙を高めてサガの気配を辿ると、探すまでもなく寝室の方から反応があった。
いつもであれば、直ぐに「おかえり」と出迎えるサガにしては珍しい。
『兄弟であっても、日常における挨拶を交わすのは大事なけじめだ』と、しつこいくらい押し付けてくるのが鬱陶しいと思っているのに、迎えが無いとそれはそれで寂しいと感じるあたり、相当サガに毒されてきたのだろうかと思いつつ、様子を見に部屋へ足を運ぶ。
閉じられた扉の前で一応ノックをしてみた(これも、サガの躾によるものだ)が、返される応えは無い。
オレは仕方なく、そのまま扉を押し開けた。
中に見えたのは、寝台の上へ身体を丸めるように沈め、荒い息を零して苦しむサガの姿。
「おい、どうしたんだよ!」
流石に慌てて駆け込み、まずは手のひらによる触診でもって体温を計る。熱は無い。
しかし、その額にはじっとりと汗が滲み、触れた手を湿らせる。
意識があるのかと頬を軽く叩くと、その衝撃に気づいたのか、うっすらとサガがまぶたを開いた。
「カノン…おかえり」
こんな時でも挨拶優先なところがサガらしい。
「おかえりじゃねえよ、どうしたんだ一体!何で人を呼ばないんだ!」
病気であれば聖闘士の自然治癒だけでは追いつかないだろうし、自分の手にも負えない。
緊急の通信を飛ばそうと小宇宙を高め始めると、汗ばんだサガの手がそっとそれを抑えた。
「違うのだカノン…」
「何が違うのだ、医者を呼ぶぞ!」
「これは…統合の調子が悪いだけで…医療では治らん…」
途切れ途切れ苦しそうに吐き出すサガは、これは他人には治せないものだと言った。
あまりに白と黒の波長が遠い時に、無理に一つになろうとすると、拒否反応が出るのだという。
「そのうちに、治まる…」
「しかし!」
苦しそうなサガの波動はこちらまで伝わるほどだ。
合うべきものが合わないような、もどかしく気持ちの悪い、それでいて切裂かれるようなこの感覚。
これを本人であるサガは何百倍も強く直に感じているのだろう。
「統合が苦しいってのなら、解けばいいだろ!」
思わず叫ぶと、サガは乱れた髪の合間から微笑んだ。
「私は、一つになることから、逃げてはならない…慣れなければ」
その瞳の色は紅く点滅しているようでもあり、青く澄んでいるようでもあり、なかなか定まらない。
カノンは兄の身体ごと抱き起こすと、睨むように顔を覗き込んだ。
「無理に型に嵌める必要はない。どんなお前だって、お前だろうに」
サガは目を見開き、それから小さく笑った。
「…お前も…どんなお前であっても、私のカノンだ」
白くなめらかなサガの指が伸びてきて、オレの頬をなぞる。
それから、倒れこむようにオレの胸に顔を埋めて、背中へと手を回してきた。
「カノン…少し、こうしていても良いか」
「ああ」
何をしたいのか、オレは直ぐに気づいた。
サガと同じオレの小宇宙は、サガを安定させる効果があるのだ。
統合による精神の乱れを、オレとの接触で癒しているのだろう。
オレの小宇宙はいわば調律の基調となる指針のようなもの。そして指針であるオレが悪の方に振れれば、サガも悪に流れる。過去の経験でオレはそれを知っていた。
「無防備にオレと同調して、また流されると思わないのか?」
そう言ってやったものの、サガが離れる気配は無い。
「お前を信じている」
胸元で即答されて苦笑する。昔はこの信頼さえ正義の押し付けと思ったものだが。
幼かったあの頃とはまた別の意味で、この優等生な兄を流してみたいと思いながら、オレはそっとサガの頭を抱きしめた。
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カノンにゴロゴロ言ってるサガが書きたかっただけのお話ですが( ><)
3/10 沙紀様>「サガは精神的なM体質」に吹いてしまいました。でもそうですよね(^^;)何故かそういう印象ですよね。サガは凄く強い人で、不幸な体質や環境にも負けず頑張るのですが、どうもそれが似合いすぎる上、罪への罰を全て受け入れるような自分に厳しい人でもあるので、自分の贖罪は一生続くのだという意識で、自分が幸福になることを是としなさそうです。リアサガの場合は、そんなサガに丁度良い平穏を与えてくれそうな関係を築ける予感がします。傷を癒しあえる関係とでもいいましょうか…うう、いきなり妄想を飛ばしてごめんなさい。沙紀様の書かれたハッピーエンドなリアサガにもだもだしまくっております。また是非続きを…!
3/11 11時頃 k様>車田先生の絵をそっくりに描ける方というのは憧れますよね。私がそういう絵を描けたら、当然双子を絡ませたりロスサガったり、腐妄想の限りを尽くします。何となくどちら様のFCに参加なさっておられたか判ったような気がいたしました(^^)。
k様も星矢ではサガが1番お好きでいらっしゃるとか!そしてゴールド好きでいらっしゃるとも。ますます同士ですねと勝手に親近感をつのらせております…たたた、ただ、拙宅をご覧頂いてお分かりかと思いますが、当方はかなり腐ったサガファンですので、いろいろサイトを見て「何じゃこれはー」な内容も多いかと思いますが、ご容赦頂ければ幸いです(ドキドキ)。
そしてご指摘のとおり、サガ×星矢も大好きです!逆も大好きなのですが!(笑)
まさに真紅の少年伝説はバイブルでして、「どうしてそんなラブラブなの!」とにまにましてしまいます。十二宮編のラストで、うずくまるサガを、敵にも関わらず星矢が心配してあげる場面も心のバイブルです。あの二人を見ていると、純粋に先輩として星矢を導こうと頑張るサガと、それを慕う主人公という気がして癒されます。元ラスボス×主人公というのもツボなのです。…って、熱く腐妄想を語ってすみません(>ω<;)また遊びにいらしてくださったのが嬉しくて、ついまくし立ててしまいました。今後もお暇な折にはぜひ足を運んでやって下さいね。
ほか、ぱちぱち下さった皆様に御礼もうしあげます!心の糧です(^▽^)
3/11 11時頃 k様>車田先生の絵をそっくりに描ける方というのは憧れますよね。私がそういう絵を描けたら、当然双子を絡ませたりロスサガったり、腐妄想の限りを尽くします。何となくどちら様のFCに参加なさっておられたか判ったような気がいたしました(^^)。
k様も星矢ではサガが1番お好きでいらっしゃるとか!そしてゴールド好きでいらっしゃるとも。ますます同士ですねと勝手に親近感をつのらせております…たたた、ただ、拙宅をご覧頂いてお分かりかと思いますが、当方はかなり腐ったサガファンですので、いろいろサイトを見て「何じゃこれはー」な内容も多いかと思いますが、ご容赦頂ければ幸いです(ドキドキ)。
そしてご指摘のとおり、サガ×星矢も大好きです!逆も大好きなのですが!(笑)
まさに真紅の少年伝説はバイブルでして、「どうしてそんなラブラブなの!」とにまにましてしまいます。十二宮編のラストで、うずくまるサガを、敵にも関わらず星矢が心配してあげる場面も心のバイブルです。あの二人を見ていると、純粋に先輩として星矢を導こうと頑張るサガと、それを慕う主人公という気がして癒されます。元ラスボス×主人公というのもツボなのです。…って、熱く腐妄想を語ってすみません(>ω<;)また遊びにいらしてくださったのが嬉しくて、ついまくし立ててしまいました。今後もお暇な折にはぜひ足を運んでやって下さいね。
ほか、ぱちぱち下さった皆様に御礼もうしあげます!心の糧です(^▽^)