星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
今年の年末年始は年をまたいで10連勤決定!(T▽T)
うう、今から小宇宙を溜めておかないと。
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巨蟹宮を守るデスマスクは、黄泉比良坂から近づいてくる強大な小宇宙を感じて反射的に身構えた。タナトスの小宇宙だ。巨蟹宮には冥府入り口に接近する道があり、代々守護者が許可をすれば、その空間は十二宮へと繋がる。そのため、十二宮の住人と私的な交流のある冥界者が非公式に訪れる場合、このルートを使うことが多々ある。
もちろんデスマスクも無条件に通行を許しているわけではなく、彼なりに毎回通行チェックは行っているのだ。幸い今のところ敵意をもって押し入るような者はいない。しかし、タナトスレベルの存在が万が一狼藉を働いたならば、デスマスク一人ではとても抑えられない(多分ほかの黄金聖闘士でも無理だろう)。
それゆえ、デスマスクが緊張するのも無理は無かった。
ただ、神は嘘をつかない。なので、デスマスクはいつも簡単に来訪の理由を尋ね、聖域や女神に害意なしとの回答が得られた場合には、素直に通すことにしていた。
今回も形式的な問答のあと、道を開いたデスマスクは目を点にした。
神々しく(そして禍々しい死の気配も振りまきつつ)現れたタナトスの後ろに、大量の柑橘類が浮かんでいる。厳密には魑魅魍魎たちが1匹につき1つずつ抱えて飛び回っている。タルタロスフォビアの弾代わりとなる下級霊たちだ。実の大きさはオレンジよりも大分小さいだろうか。巨蟹宮がいっきに柑橘類の香りにつつまれた。
悪い香りではない。むしろ涼やかなのだが、見た目がちょっと、いや、かなり異様である。おそらく小型トラック1台分の実が飛んでいる。
「あー、タナトスサマ。これ、ナンデスカ」
確認を入れたのは、守護者としての職務もあるが、つっこみが先に立った感がある。
「ふ、そんなことも知らぬのか。今日は冬至であろう」
「……ああ、そーデスね」
デスマスクはイタリア人であるが、東洋文化には造詣が深く、柚子湯の存在くらいは知っている。
(それ、アンタの嫌いな塵芥どもの行事ですけど)
言いかけた台詞を胸のうちにおさめ、顔だけはにこやかに相対する。
タナトスは上機嫌だ。
「お前の宮は負の気が充満していて過ごしやすいが、風呂が今ひとつゆえな。双児宮のものを使おうと思い、土産を持ってきてやったということだ」
「それは双児宮の連中も喜びますね」
十二宮はお前の別荘じゃねえぞ!という心の突っ込みもなんとか我慢する。天然のサガは喜ぶかもしれないが、カノンは多分暴れるだろう。聖戦後の三界和議のあと、タナトスは当然のように聖域へも遊びに来る。暇なのだろうか、どうせならニンフのねーちゃんたちも一緒に連れて来てくれればいいのにとデスマスクなどは思う。
まあ、人間を塵芥扱いしていた頃に比べれば格段の進歩ではある。以前は本当に人間を塵芥と思っていたタナトスが、現状ではミジンコくらいには扱いを変えている…口では相変わらず塵芥扱いではあるが。
「それにしても、珍しいですね。人間の行事に合わせてのご来訪とは」
巨蟹宮の出口へデスマスクが接待しながら案内すると、タナトスは得意そうに頷いた。
「この先のクリスマスとやらは、冥府に敵対する概念のイベントだが、冬至は夜のもっとも長くなる日。我々が地上をおとなうことに問題あるまい」
「えーと、その」
とうとう我慢できずにデスマスクは突っ込んだ。
「柚子湯ってのは無病息災を祈る習慣ですから、思いっきり死の神のアンタの意義には反すると思いますよ」
そう言った途端、タナトスの頭上を飛び回っていた魑魅魍魎たちから、デスマスクは次々と柚子をぶつけられる羽目になった。
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ぶつけられた分でデスマスクもあとで柚子湯にはいりました。うう、このあとの、双児宮でタナトスとサガが一緒に風呂にはいる話を書きたかったんだー!
今日もぱちぱちありがとうございます(>▽<)!拍手ご返信はのちほどさせて下さいね!
うう、今から小宇宙を溜めておかないと。
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巨蟹宮を守るデスマスクは、黄泉比良坂から近づいてくる強大な小宇宙を感じて反射的に身構えた。タナトスの小宇宙だ。巨蟹宮には冥府入り口に接近する道があり、代々守護者が許可をすれば、その空間は十二宮へと繋がる。そのため、十二宮の住人と私的な交流のある冥界者が非公式に訪れる場合、このルートを使うことが多々ある。
もちろんデスマスクも無条件に通行を許しているわけではなく、彼なりに毎回通行チェックは行っているのだ。幸い今のところ敵意をもって押し入るような者はいない。しかし、タナトスレベルの存在が万が一狼藉を働いたならば、デスマスク一人ではとても抑えられない(多分ほかの黄金聖闘士でも無理だろう)。
それゆえ、デスマスクが緊張するのも無理は無かった。
ただ、神は嘘をつかない。なので、デスマスクはいつも簡単に来訪の理由を尋ね、聖域や女神に害意なしとの回答が得られた場合には、素直に通すことにしていた。
今回も形式的な問答のあと、道を開いたデスマスクは目を点にした。
神々しく(そして禍々しい死の気配も振りまきつつ)現れたタナトスの後ろに、大量の柑橘類が浮かんでいる。厳密には魑魅魍魎たちが1匹につき1つずつ抱えて飛び回っている。タルタロスフォビアの弾代わりとなる下級霊たちだ。実の大きさはオレンジよりも大分小さいだろうか。巨蟹宮がいっきに柑橘類の香りにつつまれた。
悪い香りではない。むしろ涼やかなのだが、見た目がちょっと、いや、かなり異様である。おそらく小型トラック1台分の実が飛んでいる。
「あー、タナトスサマ。これ、ナンデスカ」
確認を入れたのは、守護者としての職務もあるが、つっこみが先に立った感がある。
「ふ、そんなことも知らぬのか。今日は冬至であろう」
「……ああ、そーデスね」
デスマスクはイタリア人であるが、東洋文化には造詣が深く、柚子湯の存在くらいは知っている。
(それ、アンタの嫌いな塵芥どもの行事ですけど)
言いかけた台詞を胸のうちにおさめ、顔だけはにこやかに相対する。
タナトスは上機嫌だ。
「お前の宮は負の気が充満していて過ごしやすいが、風呂が今ひとつゆえな。双児宮のものを使おうと思い、土産を持ってきてやったということだ」
「それは双児宮の連中も喜びますね」
十二宮はお前の別荘じゃねえぞ!という心の突っ込みもなんとか我慢する。天然のサガは喜ぶかもしれないが、カノンは多分暴れるだろう。聖戦後の三界和議のあと、タナトスは当然のように聖域へも遊びに来る。暇なのだろうか、どうせならニンフのねーちゃんたちも一緒に連れて来てくれればいいのにとデスマスクなどは思う。
まあ、人間を塵芥扱いしていた頃に比べれば格段の進歩ではある。以前は本当に人間を塵芥と思っていたタナトスが、現状ではミジンコくらいには扱いを変えている…口では相変わらず塵芥扱いではあるが。
「それにしても、珍しいですね。人間の行事に合わせてのご来訪とは」
巨蟹宮の出口へデスマスクが接待しながら案内すると、タナトスは得意そうに頷いた。
「この先のクリスマスとやらは、冥府に敵対する概念のイベントだが、冬至は夜のもっとも長くなる日。我々が地上をおとなうことに問題あるまい」
「えーと、その」
とうとう我慢できずにデスマスクは突っ込んだ。
「柚子湯ってのは無病息災を祈る習慣ですから、思いっきり死の神のアンタの意義には反すると思いますよ」
そう言った途端、タナトスの頭上を飛び回っていた魑魅魍魎たちから、デスマスクは次々と柚子をぶつけられる羽目になった。
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ぶつけられた分でデスマスクもあとで柚子湯にはいりました。うう、このあとの、双児宮でタナトスとサガが一緒に風呂にはいる話を書きたかったんだー!
今日もぱちぱちありがとうございます(>▽<)!拍手ご返信はのちほどさせて下さいね!