星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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いつもの翼竜+双子をだらだらと
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ラダマンティスが双児宮の居住エリアでカノンと寛いでいると、サガが入ってきた。
それだけならいつもの事なのだが、今日のサガは髪の色が黒い。
黒サガの傲岸不遜な見下し口調と雰囲気は、微妙にハーデスがアンドロメダに降臨したときの状態に似ているので、ラダマンティスはほんの少し彼が苦手だった(もっともラダマンティスは『ハーデス様の方が千倍優美で気品がある』とも思っていたが)

「貴様に尋ねたいことがある」
黒サガは部屋に足を踏み入れるなり、命令口調でラダマンティスに声をかけた。黒サガにとってその口調は別に悪気があっての事ではなく、単にそれが自然体なのだろう。
(ハーデス様とパンドラ様とミーノスとカノンを混ぜて図々しくした感じか?)
考えてみると、全員ラダマンティスにとって頭の上がらない相手だ。
それに気づいて彼はやや遠い目になった。
「”貴様”ではなくラダマンティスだ」
「そのような事はどうでもよい。貴様なら冥府の地理に詳しかろう」
「まあ、多少は。だが聖域の人間に教えられる内容は限られている」
「冥府の地底温泉情報があれば提供しろ」
「………」
いっそう遠い目になっているラダマンティスを尻目に、隣で話を聞いていたカノンが身を乗り出して会話に参加してきた。サガの風呂好きに隠れて目立たないが、カノンも海龍の業を持つだけあって水の携わるリラクゼーションを好むところがある。
「おいラダ。温泉があるのならオレも行ってみたいぞ。一緒に行かないか」
「翼竜よ、温泉であっても、血の池や煮えたタール池は除外しろ」
「それが聖戦後に復興した冥府には、女神の意向で死者を拷問するエリアは無いって話だぜ、サガ」
「そうなのか、つまらん」
「温泉施設なんぞないだろうから、基本的に露天風呂ってことになるのか?」

珍しく普通の兄弟のように盛り上がっている双子だった。
しかし、ふと隣で黙っているラダマンティスに気づいたのか顔を見合わせる。

カノンが心配そうに声をかけてきた。
「すまん、ラダはひょっとして地底温泉は無理か…?」
黒サガの方は遠慮のない物言いで嘲笑してくる。
「そういえば冥闘士は冥衣の力により死界での滞在を可能とするそうだな。ということは、冥府でそれを脱ぎ捨て温泉に浸かる事など不可能なのであろう。冥衣に依存せねばならぬ冥闘士とは不便なものよ」
悔しいが黒サガの言うとおりで、ラダマンティスは聖闘士のように小宇宙の修行などしたことはない。
三巨頭ランクになれば気の扱い方など黄金聖闘士に引けを取らぬと自負はしているものの、エイトセンシズとなると試す機会もなかったし、冥府で試して失敗することは、すなわち死ぬということであるから、独学で気軽に挑戦出来る物でもない。
しかしここで引いては冥闘士の名誉にも関わる。
「くっ、カノンと温泉に入るためであれば、エイトセンシズなど直ぐに目覚めてみせる!」
ラダマンティスの返答に今度は黒サガが遠い目になった。
「貴様が拘るのはそちらなのか」
カノンはと言えばそれなりに感動したらしく、翼竜の手を握り締め目をキラキラさせている。
「よし、そうとなれば早速特訓だ。ラダなら直ぐ小宇宙の扱い方くらいマスター出来る」
どうも本気のようだ。
「それは嬉しいが、敵陣の人間を八識に導いてよいのか」
「黄金聖闘士は全員八識まで目覚めてるから、ラダも目覚めてやっと平等ってところだろ」
「うっ…」
そう、実は冥府が戦場になった場合、冥闘士は圧倒的に不利なのだった。
八識に目覚めた聖闘士は、聖衣を破損されたり脱ぎ捨てる必要に迫られても、冥府でカノンがしたように小宇宙の燃焼によって敵と戦う事が出来る。
しかし、死界での冥闘士はサープリスを破壊されたら終わりだ。

カノンはニヤリと笑う。
「ま、お前が敵に回ったときにはオレが真っ先に叩き潰しに行くからさ」
「カノン…」
「そういうわけで、びしびしオレとサガが鍛えるからそのつもりでいろ」
「なに!?お前だけではないのか?」
「サガの方が他人に教えるのは上手いのだ」
勝手に師匠役に混ぜられた黒サガは目をぱちりと瞬かせている。
しかし、すぐにこちらも物騒な笑みを浮かべた。
「一週間以内に温泉に行くつもりでいるゆえ、死ぬ気で覚えろ」
「ラダなら三日でいいんじゃないか?」
温泉のために何故か命の極限に迫る修行を強要させられることになった。

修行の褒美が自身のパワーアップとカノンとの温泉旅行と思えば悪くないが、この双子たちにはますます頭があがらなくなりそうだと、ラダマンティスは内心こっそり溜息をついた。

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ラダも結構高圧的な物言いなので、そんな彼と傲岸不遜な双子の会話は格好よく楽しそうな予感!拙宅の二次創作ラダと双子だと文才無くてアレですが(>ω<;)
黒サガは黒サガでラダがすこーーーーーーーしシュラに似ていると思っているかもしれないよ!(融通が利かなくて真面目で武人なところとか)

関係ないですが前聖戦天貴星のサープリスの目の部分が左右色違いでオッドアイなのが気になります。
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