「ラダに無理言って触手を借りてきてやったぞ、感謝しろ」
「ヒャヒャヒャ、オレは触手ではなくて地伏星の…」
ライミが自己紹介する間もなくカノンは殴って気絶させ、その触手部分を引きずって皆に見せた。
「こら、客人に手荒な真似は…」
倒れているライミを心配しているのはサガだけで、残りのメンツは間近でみる冥衣に興味津々だ。
「聖衣と比べて強度はどうなんだ?」
「伸縮性がありますね。触手の一節分でも貰えれば、材質を調べられるのですが」
闘衣としての冥衣に反応を示しているのがデスマスクとムウ。特に修復師のムウは分解したくてウズウズしているようだ。パソコンを見るとまずハードやスペックに興味をしめすのがこの二人だ。
「これをどうやって動かしているのかな」
「小宇宙でしょう。星雲鎖のような自動防御は無いようですから」
稼動面への興味を示すのはアイオロスとアフロディーテ。こちらはソフト派と思われる。瞬時にこの冥衣の形状を把握し、その攻撃の軌跡をシミュレーションしている様子だ。
「そんな事を知る為に冥闘士を呼んだのかね。大人の触手の使い道を探るためではないのかね」
シャカは細かいことを考える前に圧倒的な小宇宙で敵を倒すので、冥衣がどうあろうと気にしない。電波でありながら物事の真実を掴む力に長けているシャカの一言で、黄金聖闘士(の一部)は我に返った。
「そうですね、折角触手を借りたのですしね」
「何か大人的目的に使わないと勿体ねえな」
「え…そんな目的で借りたのか…?」
羊と蟹を呆れた目で見る獅子一名。
サガはそもそもシャカの言葉の意味が良く判っていないので遠巻きに聞いている。シュラは関わりたくないのでさらに遠巻きだ。
「アイオリア、ちょっと使い方の見本を見せてください」
「何を当たり前のように言い出すのだムウ。オレに恨みでもあるのか」
「誤解ですよ。貴方が困ると面白いなと思っているだけです」
「オレはお前のそういうところが…って、こら!やめろ!」
アイオリアの抗議は無視され、シャカに押さえつけられたアイオリアへ、デスマスクやムウがぐるぐると触手を巻いていく。
「ハーデス戦の時、サガとシュラは見てらしたんですよね?こんな感じでしたか?」
一通り巻き終えてムウが爽やかに二人に告げる。シュラは聞こえないフリをしたが、サガは真面目に答えた。
「そうだな。大体そんな感じであったように思う。あの時もアイオリアを見て思ったのだが、そんな風に触手を身に巻いていると…」
「萌えますか?」
「…大リーグ養成ギブスのようだ」
「あははは、サガは上手いこと言うな!リアってそういうの似合うよな」
「アイオロス。筋肉男の貴方も同類ですよ」
「何だその健全な感想は!せっかく触手を借りてきてやったのに宝の持ち腐れじゃないか!」
「宝か…?」
ムウとサガとアイオロスの会話にカノンがぶつぶつ文句を言い、それへシュラが更に遠い目になっている。
結局、養成ギブスなアイオリアが記念写真を1枚撮られただけで、ライミは返却されていってしまったのだった。アイオリアは怒ったが、後でサガとアイオロスが散々慰めた上、食事を奢ったので結果オーライ。
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すいません、またちょっと頭に虫が沸く時期で。
どなたか触手×サガを恵んでください。
此処を読んでおられる方など、殆ど居ない予感ですが!(>ω<;)
ライミもラダマンティスと同じく、相手にトドメをさせそうな状況での他者の介入を「オレの獲物だ!」って阻止してるんですが、全然ラブに発展しませんね。顔の差ですね。