星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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いつものイチャイチャLC双子
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「ちょっと歯をみせてみろ」
突然アスプロスに命じられたデフテロスは、大人しく口を開けた。兄に言われたことは基本的に何でも聞く素直な弟である。理由はどうでもいいのだ。
デフテロスの口元から覗く犬歯は鋭く、アスプロスは指を差し出して、ついとそれを撫でた。
「虫歯もなく綺麗なものだが、普通の歯だな。これが白銀聖衣をも噛み砕くとは」
デフテロスは目を瞬かせた。そういえば以前、押しかけた聖闘士たちを一掃し、邪魔な聖衣の盾を噛み砕いた気がする。あのときの聖闘士たちの根性のなさには怒りが沸いたが(※デフテロスの眼鏡に適う根性の持ち主はほとんどいない)、聖衣のほうは頑張って特殊効果を発動しようとした。敵の石化だ。流石にそれはやっかいなので、遠慮なくさっくり壊し、あとは放置しておいた。アスプロスはその時のことを誰かに聞いたのだろう。
アスプロスは感心したようにデフテロスに笑いかけた。
「小宇宙を使いこなせば、破壊点は腕だろうが脚だろうが指先だろうが関係ないとはいえ、さすがに歯でという発想はなかったな。黄金聖衣をも素手で砕くお前ならば、白銀聖衣の破壊などたやすいことかもしれんが、それにしても大したものだ」
惜しみの無い賞賛を兄から向けられて、デフテロスは言葉に詰まった。どういう反応をすればいいのか迷ったのだ。差別と嫌悪の視線の中で育った彼は、褒められた経験が殆ど無い。それは黄金聖闘士となってからも変わらない。カノン島へ引っ込んでしまったため、島民からも鬼と恐れられるだけの生活だったのだ。
「…アスプロスならもっと簡単に出来る」
しばらくしたあとに返された言葉は、たどたどしい兄賛辞の言葉だった。
賛辞自体については当然のように受け入れるアスプロスも、内容については否定する。
「俺の歯はそこまで丈夫ではない」
「必要なのは小宇宙の使い方だ。歯の丈夫さは関係ない」
「そうかな」
アスプロスはデフテロスの指を手に取り、数本を咥えるようにして、かぷりと噛み付いた。
『俺の口に入るのはこの程度のものだ。ペルセウスの盾など、噛み砕く前に俺の口が裂ける…デフテロス?』
真っ赤になったまま面白いように固まっているデフテロスの耳に、アスプロスの小宇宙通信は全く届いていなかった。

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デフテロスにとってはお兄さんのほうがいつだって破壊力あるよ!
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