案の定コミスタでのトーン貼りは全然進まないという…あれって印刷されるとまた違う感じになるんですよね(汗)網目の濃さとかどうやって判断すればイインダー。家に残ってるスクリーントーンの網目の%表示を参考にすればいいのかな。むーん。
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デフテロスがフライパンをじっと見つめている。
調理しているのは目玉焼きだ。
ちなみに、今までは村まで卵を買いに降りていたのだが(それも、農家の鶏小屋の卵を貰って、お金をこっそりその場へ置いてくるというようなやり方だ)、アスプロスが鶏を何羽か調達してきたので、手軽に卵の入手が可能となったのだ。
修行に専念していた聖戦までの2年間は、ほかの事に気を回す余裕など無く、いつ死ぬかわからぬ身であることも相まって、家畜を買うことなど考え付きもしなかった。しかし、兄と二人で生活を始めた今ならば、なるほどアスプロスの言うとおり、もう少し利便性を考えたほうが良さそうだと思う。
アスプロスが買ってきた鶏の卵でつくる、最初の目玉焼きがこのフライパンの中の卵というわけだ。
それだけならば、いつものように焼けばいいだけなのだが、デフテロスはこの卵に自分の気持ちを込めようと考えた。
(俺は口下手だ。ならば、わかりやすく目に見える形に例えれば良い)
そんなわけで、デフテロスは念動力と小宇宙を駆使し、黄身の部分をハート型に整えた目玉焼きを作成しているのだった。白身より凝固温度の低い黄身を、火力調節機能などない昔ながらの直火で調理しつつ、圧力で黄身が破けてしまわぬよう気を配りながら焼くのはなかなか大変なのだが、デフテロスの料理の腕前がそれをカバーした。
さっそく出来上がった黄身部分がハート型の目玉焼きを兄の前に出すと、兄はデフテロスの顔と目玉焼きを交互に見てなにやら考え込んでいる。
デフテロスが内心ドキドキしながら反応を待っていると、アスプロスがフッと笑って立ち上がった。
「俺にも卵を1つ寄越せ」
真新しい卵を手渡されたアスプロスは、同じようにフライパンを手にした。
そして小宇宙を燃やし始める。
デフテロスのように料理の腕がないアスプロスは、次元操作によって熱を異次元へと逃すという無駄な高技術をつかい、焦がさず目玉焼きを作って見せた。
出来上がった目玉焼きを覗き込んでみれば、黄身部分が星型になっている。
「面白い挑戦だが、まだまだだな」
思考回路が斜め上に行きがちなアスプロスは、今回も独自解釈で、その目玉焼きを自分への挑戦と受け止めたらしい。
「…味は俺のもののほうが上だと思う」
思わずぼそりと零しされたデフテロスの返事に、アスプロスが詰まる。
食べる者のことを考えて作られた、デフテロスの目玉焼きの方が美味しいことは、食べる前からアスプロスにも予測できたからだ。
「ならば引き分けか」
アスプロスはそう言ってテーブルに戻り、ハート型の目玉焼きをむしゃむしゃ食べ始めている。
デフテロスもテーブルに座り、兄の作った目玉焼きを味わって食べ始めた。
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そして、コメント返信の方のイニシャル化で、何を間違えたかK様をT様と表記しておりました(>△<;)タ行はかすりもしないよ!お心当たりの方、こっそり直しておきましたごめんなさい(ぺこ)
今日もパチパチ押してくださった皆様に御礼申し上げます。毎日の清涼剤です!