星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
/(^O^)\去年の双子誕SSをまだサイトの方へアップしてなかったことに気づき、大慌てて作業しました。大丈夫今年の誕生日は明日だからセーフ!
そして前回SSの続きで黒白サガ。
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教皇の職務の1つに瞑想(メディテーション)がある。神殿に居ながらにして聖域や外の世界を体感し、視るための秘術だ。しかし、いまサガは己の内面を視るために、それを行っている。
精神の階層を順番に降りていきながら、サガは片割れを捜していた。黒のサガと呼ばれている半魂は、呼び名のとおり心の影や闇に潜んでいることが多く、とても見つけにくいのがかつての常であった。
しかし、サガはほどなくして、彼が横たわっているのを見つけ出した。思っていたよりは浅く明るい表層の精神エリアだ。ふわりと泳ぐように近づくも、彼は背を向けて転がったまま、こちらを見ない。
「何をふてくされているのだ?」
同じサガであるがゆえに、互いの心情は何となく伝わってくる。
背中へ率直に尋ねると、ごろりと身を返した黒髪の半魂が、サガを睨み返した。
「お前の方こそが本当だと、あの小娘に認められて良かったな」
言葉こそ嘲笑と厭味をない交ぜにして発せられていたが、紅の瞳には傷ついたような色が浮かんでいる。先ほどの女神との会話を聞いていたのだろう。
サガは視線を合わせるように、その場へ腰を下ろした。
「アテナは、お前が偽であるとはおっしゃっておられない」
「屁理屈を」
「あの方は、”サガ”の正義を信じてくださったのだ…サガにはお前も含まれる、少なくともわたしはそう受け止めた」
「……」
「お前の…いいや、わたし達のなしたことは、正当化できるものではない。それでも奥底に一片の正義はもっていたのだと、アテナは信じてくださったのだ」
「……」
「だから、お前がしょげることなど、ないぞ」
「誰がしょげている!」
がばりと身を起こした黒のサガへ、白のサガは微笑んだ。
「他人の言葉なぞ気にも留めぬお前が、成長したものだ」
「言葉1つに揺らがされる弱さを、成長だと!?」
「ほう、揺らがされていることも認めるのか」
ぐっと黒のサガが言葉に詰まる。『外』では決して見せることのない素の表情だ。誰も知らぬ心の中で、同じ自分である白の半魂にしか見せることのない本心の発露。互いに認めあい、交じり合うことを許した聖戦後になって、初めて可能となった光と闇の交流であった。
「気になど留めぬ。だが揺らがされる。この感情は何だ。怒りか?」
「その感情が何であるか決めるのは、お前だよ…だが、お前を揺らがせることのできる相手が増えているのは、喜ばしいような、妬けるような、不思議な心地がする」
囁くように告げる白の半魂の頬へ、黒の半魂は手を差し伸ばしそっと触れた。
「お前だけがいればいいのに、何故それではいけないのだ」
「…ここでは、わたし達だけだろう」
白の半魂は、黒の半魂の指先へ絡めるようにして、己の手を重ねた。
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いちゃいちゃしてますけど、これも同一人物同士だからセーフ!
というマイルールで今後も行きます。
そして前回SSの続きで黒白サガ。
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教皇の職務の1つに瞑想(メディテーション)がある。神殿に居ながらにして聖域や外の世界を体感し、視るための秘術だ。しかし、いまサガは己の内面を視るために、それを行っている。
精神の階層を順番に降りていきながら、サガは片割れを捜していた。黒のサガと呼ばれている半魂は、呼び名のとおり心の影や闇に潜んでいることが多く、とても見つけにくいのがかつての常であった。
しかし、サガはほどなくして、彼が横たわっているのを見つけ出した。思っていたよりは浅く明るい表層の精神エリアだ。ふわりと泳ぐように近づくも、彼は背を向けて転がったまま、こちらを見ない。
「何をふてくされているのだ?」
同じサガであるがゆえに、互いの心情は何となく伝わってくる。
背中へ率直に尋ねると、ごろりと身を返した黒髪の半魂が、サガを睨み返した。
「お前の方こそが本当だと、あの小娘に認められて良かったな」
言葉こそ嘲笑と厭味をない交ぜにして発せられていたが、紅の瞳には傷ついたような色が浮かんでいる。先ほどの女神との会話を聞いていたのだろう。
サガは視線を合わせるように、その場へ腰を下ろした。
「アテナは、お前が偽であるとはおっしゃっておられない」
「屁理屈を」
「あの方は、”サガ”の正義を信じてくださったのだ…サガにはお前も含まれる、少なくともわたしはそう受け止めた」
「……」
「お前の…いいや、わたし達のなしたことは、正当化できるものではない。それでも奥底に一片の正義はもっていたのだと、アテナは信じてくださったのだ」
「……」
「だから、お前がしょげることなど、ないぞ」
「誰がしょげている!」
がばりと身を起こした黒のサガへ、白のサガは微笑んだ。
「他人の言葉なぞ気にも留めぬお前が、成長したものだ」
「言葉1つに揺らがされる弱さを、成長だと!?」
「ほう、揺らがされていることも認めるのか」
ぐっと黒のサガが言葉に詰まる。『外』では決して見せることのない素の表情だ。誰も知らぬ心の中で、同じ自分である白の半魂にしか見せることのない本心の発露。互いに認めあい、交じり合うことを許した聖戦後になって、初めて可能となった光と闇の交流であった。
「気になど留めぬ。だが揺らがされる。この感情は何だ。怒りか?」
「その感情が何であるか決めるのは、お前だよ…だが、お前を揺らがせることのできる相手が増えているのは、喜ばしいような、妬けるような、不思議な心地がする」
囁くように告げる白の半魂の頬へ、黒の半魂は手を差し伸ばしそっと触れた。
「お前だけがいればいいのに、何故それではいけないのだ」
「…ここでは、わたし達だけだろう」
白の半魂は、黒の半魂の指先へ絡めるようにして、己の手を重ねた。
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いちゃいちゃしてますけど、これも同一人物同士だからセーフ!
というマイルールで今後も行きます。