星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
うう、人様のサガ話に飢えてます(>△<)
これが禁断症状と言うものですか…沢山読みたいですよー!
それはさて置き、女神が好きすぎて目の前ではダメダメな白サガ系。
=============================
「カッ…カノン、助けてくれないか」
海界の仕事から戻ったカノンは、双児宮に入るやいなや泣きついてきたサガを見て、面倒ごとの予感に引き返したくなった。
それでも話だけは聞く姿勢を見せたのは、彼の成長の証だろう。
「一体何があったのだ」
「明日、アテナの護衛を任されることになったのだ」
城戸沙織として世界を飛び回ることの多い女神を、黄金聖闘士が護衛するのはいつものことで、今回はサガにその順番が回ってきたということのようである。
「護衛役はお前だけ?」
「ああ、わたしだけだ」
かつて自分の命を狙った相手を、単独で自分の護衛につけるとは大した度胸と許容量だとカノンは思う。しかしすぐに、完全に女神として目覚めた沙織ならサガとガチでやりあえそうなので、そこは心配なさそうだとも呑気に考え直した。
「別に一人でも問題ないだろう?遠征先が厄介な国なのか?」
「いや、日本だ」
「何の問題もなさそうじゃないか」
カノンは呆れ顔で台所へ行き、冷やしてあったビールを持ってくる。電化製品はなくとも、カミュ作成の溶けない氷による木製旧式冷蔵庫は充分その役目を果たしていた。
ソファーにどっかりと腰を落し、仕事の疲れを癒すべくビールの栓を抜いたカノンへ、サガは必死の形相で告げる。
「それが日本での会議のあとに空く時間を使って、服を買いたいと…その時一緒に見立てて欲しいと女神はおっしゃるのだ」
「……」
「どうしたらいいだろう、わたしは女性の服など」
「安心しろ。多分そこまで真剣にお前のセンスは求められていない」
おそらく女神はサガに純粋に服を見て欲しいだけなのだろう。選んだ装いをサガに褒めてもらいたい…という程度の、少女の可愛らしいお願いだとカノンは予測する。同行者がサガでなくとも、同じことを相手に言ったに違いない。
だが、真面目なサガは額面どおりに受け取ってしまい、その結果パニックに陥っているのだった。
これがまた女神相手でなければ、サガも余裕のある対応が出来たのだろう。ある意味アテナを女性として意識していなかったサガが、人間の少女沙織としての一面に触れて、どう対応していいのか判らなくなっているのだ。
「で、では、見ているだけでいいかな」
「良いと思ったらちゃんと褒めてやれよ」
「しかし、女神は何をお召しになられてもきっと似合う」
「お前本番で『何を着てもお似合いです』とか張り合いの無い事を言うんじゃないぞ。そうだ、ここで練習してみろよ、オレを女神だと思って」
「無茶を言うな。そんなごつい女神がいるか」
「仮にだっての!全く融通きかねえな。ほら、じゃあまずはスーツを買ったと想定して、良いと思うところを具体的に、ピンポイントで褒めてみろ」
「褒めればよいのか」
「ただし、褒めるだけなのも能が無い。よりよく装ってもらうための要望も添えるとベストだ」
カノンが急かすと、サガはぐっと詰まりながらも、観念したのか意を決して居ずまいを正した。
「下界の装いの素晴らしいところは、アテナの美しいおみ足が惜しげもなく露わとなるところだと思います。ただ、スカートはもっと短くても良…」
「アホかーーー!」
最後まで言わせずカノンは怒鳴った。
「よ、予想以上に駄目だなお前は!どこのセクハラ親父だ!」
「心外な、わたしは邪な想いなどなく正直に」
「他に褒めるところがあるだろう!」
「胸か?」
「身体から離れろ!自分の身体を芸術品と誇るお前の基準が世間一般的だと思うな!」
カノンはテティスの買い物に何度かつきあったことがある。しかし、そんな経験値の差よりももっと根本的な部分で、サガは女性対応に向いていなかった。
カノンは大きく溜息を付く。
「お前…意識してないところでは罪作りな笑顔と台詞を吐きまくってるくせに、意識すると全然駄目だな…」
「それほど駄目か…」
サガはすっかりしょんぼりしてしまったが、駄目なものは駄目としか言いようがない。
弟にさじを投げられたサガは、何の対応策もとれぬまま、翌日女神の護衛へと向かった。
しかし、社交辞令や美辞麗句に慣れた沙織にとっては、サガの拙くも心からの言葉の方が嬉しいものなのだということを、双子はまだ判っていない。
「その…どの服もサオリの気品と美しさの前には霞んで見える」
聖域外では『沙織』と呼ぶようにという命を律儀に守り、赤くなりながらもたどたどしく褒めるサガの台詞は、言葉だけみれば芸の無い大仰な社交辞令そのものに聞こえるだろう。しかし、アテナにはそれが100%彼の本心であると伝わっていた。
「ふふ、サガは本当に罪作りなひとですね」
世慣れたアテナは笑いながらも、目に適ったらしき数着を包ませている。ブランドのロゴの入った紙袋をアテナの代わりに受け取りつつ、サガは罪作りなのは貴女だろうと胸のうちで零していた。
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以前も書きましたが、スニオン牢のカノンを助けたのは女神としてのアテナで、十二宮編でサガのために泣いてくれたのはひとりの少女として星矢のもとへ走っていた沙織なんですよね。でもサガはその沙織を女神と呼びました。
サガにとっては沙織であろうが女神であろうが、分類なく同じ唯一人の尊い大切な女性で、黒白問わず彼女に弱いと良いなあ…とか思います。
これが禁断症状と言うものですか…沢山読みたいですよー!
それはさて置き、女神が好きすぎて目の前ではダメダメな白サガ系。
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「カッ…カノン、助けてくれないか」
海界の仕事から戻ったカノンは、双児宮に入るやいなや泣きついてきたサガを見て、面倒ごとの予感に引き返したくなった。
それでも話だけは聞く姿勢を見せたのは、彼の成長の証だろう。
「一体何があったのだ」
「明日、アテナの護衛を任されることになったのだ」
城戸沙織として世界を飛び回ることの多い女神を、黄金聖闘士が護衛するのはいつものことで、今回はサガにその順番が回ってきたということのようである。
「護衛役はお前だけ?」
「ああ、わたしだけだ」
かつて自分の命を狙った相手を、単独で自分の護衛につけるとは大した度胸と許容量だとカノンは思う。しかしすぐに、完全に女神として目覚めた沙織ならサガとガチでやりあえそうなので、そこは心配なさそうだとも呑気に考え直した。
「別に一人でも問題ないだろう?遠征先が厄介な国なのか?」
「いや、日本だ」
「何の問題もなさそうじゃないか」
カノンは呆れ顔で台所へ行き、冷やしてあったビールを持ってくる。電化製品はなくとも、カミュ作成の溶けない氷による木製旧式冷蔵庫は充分その役目を果たしていた。
ソファーにどっかりと腰を落し、仕事の疲れを癒すべくビールの栓を抜いたカノンへ、サガは必死の形相で告げる。
「それが日本での会議のあとに空く時間を使って、服を買いたいと…その時一緒に見立てて欲しいと女神はおっしゃるのだ」
「……」
「どうしたらいいだろう、わたしは女性の服など」
「安心しろ。多分そこまで真剣にお前のセンスは求められていない」
おそらく女神はサガに純粋に服を見て欲しいだけなのだろう。選んだ装いをサガに褒めてもらいたい…という程度の、少女の可愛らしいお願いだとカノンは予測する。同行者がサガでなくとも、同じことを相手に言ったに違いない。
だが、真面目なサガは額面どおりに受け取ってしまい、その結果パニックに陥っているのだった。
これがまた女神相手でなければ、サガも余裕のある対応が出来たのだろう。ある意味アテナを女性として意識していなかったサガが、人間の少女沙織としての一面に触れて、どう対応していいのか判らなくなっているのだ。
「で、では、見ているだけでいいかな」
「良いと思ったらちゃんと褒めてやれよ」
「しかし、女神は何をお召しになられてもきっと似合う」
「お前本番で『何を着てもお似合いです』とか張り合いの無い事を言うんじゃないぞ。そうだ、ここで練習してみろよ、オレを女神だと思って」
「無茶を言うな。そんなごつい女神がいるか」
「仮にだっての!全く融通きかねえな。ほら、じゃあまずはスーツを買ったと想定して、良いと思うところを具体的に、ピンポイントで褒めてみろ」
「褒めればよいのか」
「ただし、褒めるだけなのも能が無い。よりよく装ってもらうための要望も添えるとベストだ」
カノンが急かすと、サガはぐっと詰まりながらも、観念したのか意を決して居ずまいを正した。
「下界の装いの素晴らしいところは、アテナの美しいおみ足が惜しげもなく露わとなるところだと思います。ただ、スカートはもっと短くても良…」
「アホかーーー!」
最後まで言わせずカノンは怒鳴った。
「よ、予想以上に駄目だなお前は!どこのセクハラ親父だ!」
「心外な、わたしは邪な想いなどなく正直に」
「他に褒めるところがあるだろう!」
「胸か?」
「身体から離れろ!自分の身体を芸術品と誇るお前の基準が世間一般的だと思うな!」
カノンはテティスの買い物に何度かつきあったことがある。しかし、そんな経験値の差よりももっと根本的な部分で、サガは女性対応に向いていなかった。
カノンは大きく溜息を付く。
「お前…意識してないところでは罪作りな笑顔と台詞を吐きまくってるくせに、意識すると全然駄目だな…」
「それほど駄目か…」
サガはすっかりしょんぼりしてしまったが、駄目なものは駄目としか言いようがない。
弟にさじを投げられたサガは、何の対応策もとれぬまま、翌日女神の護衛へと向かった。
しかし、社交辞令や美辞麗句に慣れた沙織にとっては、サガの拙くも心からの言葉の方が嬉しいものなのだということを、双子はまだ判っていない。
「その…どの服もサオリの気品と美しさの前には霞んで見える」
聖域外では『沙織』と呼ぶようにという命を律儀に守り、赤くなりながらもたどたどしく褒めるサガの台詞は、言葉だけみれば芸の無い大仰な社交辞令そのものに聞こえるだろう。しかし、アテナにはそれが100%彼の本心であると伝わっていた。
「ふふ、サガは本当に罪作りなひとですね」
世慣れたアテナは笑いながらも、目に適ったらしき数着を包ませている。ブランドのロゴの入った紙袋をアテナの代わりに受け取りつつ、サガは罪作りなのは貴女だろうと胸のうちで零していた。
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以前も書きましたが、スニオン牢のカノンを助けたのは女神としてのアテナで、十二宮編でサガのために泣いてくれたのはひとりの少女として星矢のもとへ走っていた沙織なんですよね。でもサガはその沙織を女神と呼びました。
サガにとっては沙織であろうが女神であろうが、分類なく同じ唯一人の尊い大切な女性で、黒白問わず彼女に弱いと良いなあ…とか思います。