星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
晴れると早起き出来るので、出勤前に少しだけ落ち着いてSS書く時間が確保できるココロ。でも推敲時間まではない。
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目の前でサガが星矢の顔の泥を拭いてやっている。
星矢は顔だけでなく、服も埃で汚れていた。何故かと言うと俺がみっちりと稽古をつけたからだ。
サジタリアスの聖衣を纏うことのある彼を、同じ射手座である俺が鍛えるのは当然で、それは先達としての義務とも言えるだろう。
もっとも、ペガサスの聖衣は神聖衣へ進化することが可能なので、今さら黄金聖衣は必要ではないかもしれないが。
稽古を終えたあと、人馬宮へ戻ろうとした俺に、星矢は双児宮へ寄っていこうと提案した。星矢とサガは仲が良いのだ。
サガは己の野望を星矢によって阻まれたにも関わらず、何の遺恨もなく星矢へ愛情を向ける。もう一人のサガの時ですらそうらしい。星矢も屈託なくそれに応える。
今もサガは、それはそれは嬉しそうに星矢の面倒をみている。彼が年下の者へ優しい事を差し引いても、これほど愛情全開の視線を受ける事が出来るのは、星矢くらいしか思い浮かばない。他の者に対しての愛情の発露は、何らかの自制心・遠慮・体裁などのフィルターを通すのがサガの常だというのに。
俺相手のときとは大違いだ。
内心でこっそりと溜息をつく。
分かっている、サガが星矢に優しいのは後輩だからだ。そして誰よりも星矢が頑張る者だからだ。ほうっておけないのだ。
俺に構わないのは、同輩かつ対等と認めてくれているからであり、俺もサガに面倒をみられたいわけではない。
しかし、しかしだ。甘やかさずとも、俺とて優しくはされたいのだ。
星矢は13歳、俺は14歳。1つしか違わぬはずの年齢を思い出してまた落ち込む。聖戦後に蘇生されて最年少黄金聖闘士となり、仲間たちとの年齢が逆転して気づいた事がある。かつては年長という立場で封じられてきた我侭な感情を、俺も人並みに持っていたということを(だからといって、感情をそのままに露わとして許されるわけはない。俺が教皇候補であるという立場は変わらない)。
ぼんやり頬杖をついて、テーブルの向こうの二人を見ていたら、ふいに冷たいものが頭から降ってきた。びっくりして顔をあげる。視界に映ったのは、グラスを両手に持ったカノンだった。
「うっかり手が滑ったすまんな」
あきらかに棒読みなセリフだ。
黄金聖闘士である俺が、カノンの接近に気づかず、水をかけられるまで放心していたという状況は褒められたものではない。それほどまでに内面に浸っていた己を反省する。もっとしっかりしなければ。
カノンは口で謝罪しただけで、まだ水の入っているほうのグラスを星矢の側のテーブルへ置きに行った。代わりにサガが慌てて乾布を持って俺の方へ来る。
「弟が粗相をしてすまない、大丈夫か?」
乾布を濡れてしまった服に当てながら、心配そうに聞かれた。
「いや、これくらい何ということもない」
「しかし…」
実際大した被害でもないのだが。
サガは俺の顔をみて目をパチリとさせ、それから少し笑った。
「よく見れば、お前の顔も泥だらけだな」
程よく水で湿った布が、俺の顔にも押し当てられる。先ほど星矢がされていたように。
間近で見るサガの睫毛はとても長く、それが瞬くさまはとても綺麗だ。
こしこしと顔を拭かれながら、俺はふとカノンを見た。カノンはこちらに背を向け、サガと入れ違いに星矢と話をしている。
「すまないな」
サガが目を伏せて、もう1度呟いた。
それは何故かカノンに向けられているような気がした。
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カノンはライバルであっても弱っている相手には優しいのです多分。
アイオロスも聡いので、後でカノンに気遣われた事に気づきます。
でもってサガは、星矢に構いすぎてアイオロスを放置していると気づかせてくれたカノンに謝るのでした…という説明なしでも分かるような文章力が欲しいよう(>△<;)
サガやアイオロスの一人称で話を書くと、堅い感じになりますね。
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目の前でサガが星矢の顔の泥を拭いてやっている。
星矢は顔だけでなく、服も埃で汚れていた。何故かと言うと俺がみっちりと稽古をつけたからだ。
サジタリアスの聖衣を纏うことのある彼を、同じ射手座である俺が鍛えるのは当然で、それは先達としての義務とも言えるだろう。
もっとも、ペガサスの聖衣は神聖衣へ進化することが可能なので、今さら黄金聖衣は必要ではないかもしれないが。
稽古を終えたあと、人馬宮へ戻ろうとした俺に、星矢は双児宮へ寄っていこうと提案した。星矢とサガは仲が良いのだ。
サガは己の野望を星矢によって阻まれたにも関わらず、何の遺恨もなく星矢へ愛情を向ける。もう一人のサガの時ですらそうらしい。星矢も屈託なくそれに応える。
今もサガは、それはそれは嬉しそうに星矢の面倒をみている。彼が年下の者へ優しい事を差し引いても、これほど愛情全開の視線を受ける事が出来るのは、星矢くらいしか思い浮かばない。他の者に対しての愛情の発露は、何らかの自制心・遠慮・体裁などのフィルターを通すのがサガの常だというのに。
俺相手のときとは大違いだ。
内心でこっそりと溜息をつく。
分かっている、サガが星矢に優しいのは後輩だからだ。そして誰よりも星矢が頑張る者だからだ。ほうっておけないのだ。
俺に構わないのは、同輩かつ対等と認めてくれているからであり、俺もサガに面倒をみられたいわけではない。
しかし、しかしだ。甘やかさずとも、俺とて優しくはされたいのだ。
星矢は13歳、俺は14歳。1つしか違わぬはずの年齢を思い出してまた落ち込む。聖戦後に蘇生されて最年少黄金聖闘士となり、仲間たちとの年齢が逆転して気づいた事がある。かつては年長という立場で封じられてきた我侭な感情を、俺も人並みに持っていたということを(だからといって、感情をそのままに露わとして許されるわけはない。俺が教皇候補であるという立場は変わらない)。
ぼんやり頬杖をついて、テーブルの向こうの二人を見ていたら、ふいに冷たいものが頭から降ってきた。びっくりして顔をあげる。視界に映ったのは、グラスを両手に持ったカノンだった。
「うっかり手が滑ったすまんな」
あきらかに棒読みなセリフだ。
黄金聖闘士である俺が、カノンの接近に気づかず、水をかけられるまで放心していたという状況は褒められたものではない。それほどまでに内面に浸っていた己を反省する。もっとしっかりしなければ。
カノンは口で謝罪しただけで、まだ水の入っているほうのグラスを星矢の側のテーブルへ置きに行った。代わりにサガが慌てて乾布を持って俺の方へ来る。
「弟が粗相をしてすまない、大丈夫か?」
乾布を濡れてしまった服に当てながら、心配そうに聞かれた。
「いや、これくらい何ということもない」
「しかし…」
実際大した被害でもないのだが。
サガは俺の顔をみて目をパチリとさせ、それから少し笑った。
「よく見れば、お前の顔も泥だらけだな」
程よく水で湿った布が、俺の顔にも押し当てられる。先ほど星矢がされていたように。
間近で見るサガの睫毛はとても長く、それが瞬くさまはとても綺麗だ。
こしこしと顔を拭かれながら、俺はふとカノンを見た。カノンはこちらに背を向け、サガと入れ違いに星矢と話をしている。
「すまないな」
サガが目を伏せて、もう1度呟いた。
それは何故かカノンに向けられているような気がした。
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カノンはライバルであっても弱っている相手には優しいのです多分。
アイオロスも聡いので、後でカノンに気遣われた事に気づきます。
でもってサガは、星矢に構いすぎてアイオロスを放置していると気づかせてくれたカノンに謝るのでした…という説明なしでも分かるような文章力が欲しいよう(>△<;)
サガやアイオロスの一人称で話を書くと、堅い感じになりますね。