仕事で日本の熱海へ行く事になったアイオロスとサガは、年甲斐もなく浮き立っていた。サガの上機嫌は現地の温泉に起因し、アイオロスの上機嫌はサガとの出張それ自体によるものだ。
城戸家のあまり使われていない別荘の1つを、聖域側が日本拠点の1つとして借り上げ、日本で生活することの多い沙織のサポートとして、何名かの神官が送り込まれることになったのだ。黄金聖闘士二人はその引率兼護衛だ。
そんな内容の出張なので、名目は引率ではあるが、実質的に全く不要の二人である(地理は実務に長けた神官たちのほうが詳しく、黄金聖闘士の護衛の必要な地位でもない)。要はシオン公認の慰労旅行だ。
将来の教皇と教皇補佐の信頼関係を、公私共に深める為の策ともいえる。
サガとアイオロスは、早速事務官たちの用意してくれた地元の資料を眺めていた。
ふと、サガがとある観光施設名称に目を留めた。
「日本の歴史資料に触れるのも良いかもしれないな」
「あ、どこか行きたい所がある?」
アイオロスも覗き込む。そこには秘宝館の名があった。
「神代より続く聖域の神具や秘宝に比べれば歴史は浅いかも知れぬが、日本の秘宝を見ておくのも良い見聞になるのではないだろうか」
「そうだね、観光客に開放しているということは、一般人に見せても大丈夫なお宝なんだろうけど、逆にそれってお客を呼べる美術的価値もしくは資料的価値が高いものってことだよね」
盛り上がっていると、遊びに来ていた星矢が微妙な顔で口を挟んだ。
「…そこ、未成年は入れないよ」
アイオロスとサガが振り返り、首を傾げる。
「大丈夫だ、アイオロスのパスポートは27歳になっている。実際には14歳だが『死んでいなかった』ことにして当時の戸籍をそのまま利用したのだ」
「確かに蘇生された私の肉体は未成年かもしれないが、この身長で中身が成年なら…まあ日本の法律も許してくれるのではないだろうか」
「成年にしか秘宝を開放しないというのは、宗教的な意味合いか、宝物を公開する上での保全やセキュリティ的な意味合いか?」
星矢は遠い目で二人に答えた。
「道徳的な意味合いだと思うよ」
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秘宝館後に温泉入浴とか、とんだ新婚コース!
あと、異次元にまきこまれて上半身と下半身が別々になってしまったサガへのお言葉に笑ってしまいました。上半身が女神のところへ向かい、下半身がカノンのもとへって…えろいですKさん!(爆笑)というかサガの下半身が正直すぎます!カノンもカノンで、下半身しかないのに直ぐに兄のものだと判るという…どんだけ!
そんなシモネタ的連想から今回の秘宝館SSは沸きました。Kさんのイマジネーション溢れるお言葉に、いつもネタを頂いております!でも本当に少しは寝てくださいね(>ω<)いつも有難う御座います!
9/28 nanami様>こちらこそ日参しては萌えと感動を頂いております!nanamiさんのきちんとした背景描写のあるお話は毎回勉強になります。カクテルで二日酔いを経験するサガ(または黒サガ)を想像して悶えておりました。自律心の強いサガのこと、「不覚…」って黒歴史に数えそうです(笑)
パンドラネタへのお言葉もありがとうございました!大地母神の冠称としてのパンドラというのも、冥界の心の母(姉ですが)という感じでいいですよね!「贈る者」であったパンドラが、ハーデスの力によって「厄災を解き放つ者」にされてしまったという混合パターンも美味しいと思います(>▽<)ノ
私はサガ贔屓ですので、ついサガ寄りの捏造や解釈をしてしまうのですが、原作サガはやっぱり意志の強い光の魂を持った人だと思っています。勿論ほかの黄金聖闘士たちも…!全人類のなかの最高峰であり、選ばれ磨かれた至高の宝石のような12人が黄金聖闘士たちであって欲しいなあと思っています。
いつも心に響くお言葉をありがとうございます!サガ女神(女神サガ?笑)を楽しみにしています。裏も…(こそ)
ほかパチパチ下さった皆様に今日も心より感謝申し上げます!
皆様のそのお気持ちでやる気を増加させております。