星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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よ、ようやく連勤最終日…そんでもって昨夜は新年会 (:D)+<
お返事書く書く詐欺でごめんなさい(汗)ちゃんと書きたいので明日のお休みの日にまとめてさせて下さい。
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「新年早々、来客に嫌がらせかこれは」
碗を受け取ったタナトスが、渡したカノンを睨んだ。
「呼んでない。朝食時間に押しかけてくるのが悪い。それにそれは縁起物だ」
カノンはそしらぬ顔で、残りの椀にも粥をよそいサガに渡している。
サガがカノンの言葉のあとを継ぐ。
「タナトス、これは七草粥という東洋の食物で、健康を祝い食すものなのです。せっかくお越しいただいたのに食事時で申し訳ないが、宜しければご一緒に」
勧められた椅子にタナトスは腰を下ろしたものの、まだ不満そうである。
「縁起物であることは知っている。神の知識をなめるな。縁起物ゆえに死の神であるオレへ差し出すのがどうかという話だ。しかも神と人の席を同じくさせるなど、図々しい」
「申し訳ありません。しかし別室に神を待たせるのもどうかと…」
「おいサガ、そいつ勝手に来たんだから甘やかさずともいいぞ」
「黙れ。用のあったキャンサーが不在ゆえ立ち寄ってやったのではないか」
「…どっちにしろメシ目当てだろ」
人間を馬鹿にしているタナトスではあるが、デスマスクの料理には釣られたものとみえ、時々巨蟹宮へこっそり遊びに来ているのであった。デスマスクが『神をも餌づけした男』と呼ばれる所以である。
サガが棚の奥からとっておきの古酒(老師から貰ったものだ)を取り出し、杯に注いでお粥に添えると、少しだけタナトスの機嫌が直った。タナトスは苛烈な神ではあるが、わりと単純でもあった。
朝食の支度を終え、テーブルに着いたカノンとサガも酒杯を手にする。『年明けに健康を祈ってお酒を飲むんだよ』という星矢の言葉を信じ、お屠蘇の風習を半端に受け入れた結果だが、訂正するものが誰もいないためこのまま双児宮に定着していくものと思われる。
タナトスの杯へサガが自らの杯を軽く当てた。
「良い生は良い死に繋がるとわたしは思う」
にっこり笑っているサガへ、タナトスはフンと鼻をならしてから古酒を飲みほした。
「死はただの終焉よ。人間の都合で勝手に死へ意味を与えるな」
そう言いつつもタナトスが片手で空杯を突き付けたので、サガは笑顔のまま酒を注ぎ足している。自ら死を選んだサガは、タナトスに対して悪感情がない。
サガが七草の説明でナズナの花をタナトスへ渡そうとしたので、カノンはサガの頭をはたいてそれを止めておいた。

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ナズナの花ことばは『あなたに私のすべてを捧げます』らしいです。
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