星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
拍手をいっぱい頂いたので、調子にのって昨日のSSの続き(>ω<)
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早朝、空の白み始めたころに人馬宮を訪れたのは、珍しくも白サガと呼ばれる方のサガだった。
大抵の場合、表に出てくるのは人格統合されたサガもしくは黒サガであったので、希少な機会とアイオロスは素直に喜んだ。
しかし、サガの方はいつものような柔和な面持ちではない。
どこか鋭い視線に本気が伺える。
サガはおもむろに口を開いた。
「アレの代わりに、私と再戦願おうか」
「ええっ?」
そう言われてアイオロスは昨日の出来事を思い出した。
ひょんなことから南の孤島で黒サガと遠泳勝負をする羽目になり、自分が勝利したことを。
勝敗をわける原因となった長髪を黒サガが切ると言い出して、それを止めるのにとても苦労したのだった。
サガは基本的に負けず嫌いだ。それはどのサガであれ変わらない。
黒サガの時にはそれが闘争心や野心となって表れ、白サガの時には向上心や克己心となって表れるだけだ。
半身のこととはいえ、己が負けたことで白サガのスイッチも入ってしまったのだろう。
「でも、その髪では平等な競争にならないから、遠泳勝負は無しにしようって、昨日話したよね」
「身体の条件など言訳にならぬ。しかし、アレとお前が既に話をつけた内容を蒸し返すつもりはない。遠泳以外の水勝負で決着をつけさせてもらう。無論、髪がハンデとならぬものでな」
「…たとえば」
「潜水ではどうだ」
アイオロスは考え込んだ。
種目がどうあれ負けるつもりは無いが、潜水を競うというのはとても危険な事なのである。そしてサガは本気だ。限界を超えても、勝つまでは水面に上がろうとしない彼の姿が目に浮かぶようだ。第三の判定者もなく、医者がいるわけでもない南の島での勝負は、安全面に問題がありすぎる。
サガもそれくらい判っているだろうに。
(昔からサガは、勝負事になると無茶をするところがあった)
アイオロスは苦笑した。
しかし、アイオロスも判っていなかった。サガがそこまで勝敗にこだわるのは、アイオロスに対してだけだという事を。
少し考えた後、アイオロスは頷いた。
「いいよ。その代わり、無理をしてどちらかが溺れたときには、もう片方が口移しの人工呼吸で助けること」
アイオロスは真面目に言ったのに、潜水勝負は中止になった。
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自分の代わりにアイオロスと戦うと言い出した白サガをみたら、黒サガは何気に凄く喜ぶかもしれないなと思いました。
サガにとってアイオロスはやっぱり特別な相手なのです。
拍手ありがとうございました!創作とやる気の源です。
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早朝、空の白み始めたころに人馬宮を訪れたのは、珍しくも白サガと呼ばれる方のサガだった。
大抵の場合、表に出てくるのは人格統合されたサガもしくは黒サガであったので、希少な機会とアイオロスは素直に喜んだ。
しかし、サガの方はいつものような柔和な面持ちではない。
どこか鋭い視線に本気が伺える。
サガはおもむろに口を開いた。
「アレの代わりに、私と再戦願おうか」
「ええっ?」
そう言われてアイオロスは昨日の出来事を思い出した。
ひょんなことから南の孤島で黒サガと遠泳勝負をする羽目になり、自分が勝利したことを。
勝敗をわける原因となった長髪を黒サガが切ると言い出して、それを止めるのにとても苦労したのだった。
サガは基本的に負けず嫌いだ。それはどのサガであれ変わらない。
黒サガの時にはそれが闘争心や野心となって表れ、白サガの時には向上心や克己心となって表れるだけだ。
半身のこととはいえ、己が負けたことで白サガのスイッチも入ってしまったのだろう。
「でも、その髪では平等な競争にならないから、遠泳勝負は無しにしようって、昨日話したよね」
「身体の条件など言訳にならぬ。しかし、アレとお前が既に話をつけた内容を蒸し返すつもりはない。遠泳以外の水勝負で決着をつけさせてもらう。無論、髪がハンデとならぬものでな」
「…たとえば」
「潜水ではどうだ」
アイオロスは考え込んだ。
種目がどうあれ負けるつもりは無いが、潜水を競うというのはとても危険な事なのである。そしてサガは本気だ。限界を超えても、勝つまでは水面に上がろうとしない彼の姿が目に浮かぶようだ。第三の判定者もなく、医者がいるわけでもない南の島での勝負は、安全面に問題がありすぎる。
サガもそれくらい判っているだろうに。
(昔からサガは、勝負事になると無茶をするところがあった)
アイオロスは苦笑した。
しかし、アイオロスも判っていなかった。サガがそこまで勝敗にこだわるのは、アイオロスに対してだけだという事を。
少し考えた後、アイオロスは頷いた。
「いいよ。その代わり、無理をしてどちらかが溺れたときには、もう片方が口移しの人工呼吸で助けること」
アイオロスは真面目に言ったのに、潜水勝負は中止になった。
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自分の代わりにアイオロスと戦うと言い出した白サガをみたら、黒サガは何気に凄く喜ぶかもしれないなと思いました。
サガにとってアイオロスはやっぱり特別な相手なのです。
拍手ありがとうございました!創作とやる気の源です。