星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1495]  [1494]  [1493]  [1492]  [1491]  [1490]  [1489]  [1488]  [1487]  [1486]  [1485
筒井先生のナンセンス小説って強引ですよね。あそこまでする勇気はないのでささやかに1ループだけ(>ω<)
============================

スターヒルと呼ばれる山嶺へ登るためには、ほぼ垂直の岩肌の傾斜を乗り越えて行かねばならない。そのことが天然の防御壁となり、この聖地を守っている。
だが、わたしの前では何の障害にもならない。老いた教皇ですら登頂が可能なのに、黄金聖闘士のなかで最も力のあるわたしが登れぬはずはない。
空気は薄く、ぼんやりと霞のかかったような空が見える。どこかで見たような景色だが、そもそも聖域はどこも似たような、代わり映えのない風景なのだ。
人も景色も歴史も繰り返し、女神が降臨すれば聖戦がはじまる。その度に人が大量に死ぬ。にもかかわらず、先だって降臨した女神は赤子であった。こんなことで大丈夫なのか。教皇も老い、その後継者として選ばれたのは、わたしではなく射手座のアイオロス。彼は素晴らしい聖闘士だが、わたしとて負けているとは思わない。どうしてわたしではなく彼なのだ。
心のなかで『こんなことをすべきではない』と、強く諌める声がする。同時に『なぜ選ばれなかったのか知りたいだろう?』と唆す声もある。わたしのなかではいつでも相反する声が争っているが、いつでも正しいと思う声に従ってきた。それでも今回だけは、わたしも知りたい。聞く権利くらいあるはずだ。
「なぜ私が次期教皇ではではないのですか」
しかし事態は思わぬ方向へ向かった。教皇が、わたしのなかの闇を見抜いていたのだ。
そのことを指摘された途端、わたしは闇の意思を抑えきれなくなり、手刀で教皇の胸を貫いた。教皇は反撃する素振りすらなくその場に崩れ落ちる。
どうしたらいいのだ。わたしは呆然とした。こんなことをしたかったわけではない。いやこうなってしまった以上、それはただの言い訳か。取り返しのつかぬ凶害を行いながら、わたしは笑っていた。笑いながら教皇の法衣を剥ぎ取り、それを己のものであるかのように身に纏った。風が強く吹いている。
それ以来ジェミニの聖闘士は消え、わたしが教皇として聖域を治めることになった。
わたしのなかの闇は赤子の女神をも排除しようとしたが、アイオロスが現れて女神を庇い、共に逃げたため凶刃を逃れた。彼こそが本当の勇者であったことを、はからずもわたしは理解することになる。
結局彼は汚名を着せられたまま殺され、聖域は女神も真の教皇も不在のままに時が過ぎていく。聖域は何も変わらない。神聖なるアテナは神殿の奥で美しく成長しておられるという事になっているし、教皇の地位にはわたしがいる。
教皇となったわたしには、当然のことながら教皇としての勤めも課せられる。聖戦の迫る昨今において、星見はその中でも重要な職務のひとつだ。スターヒルと呼ばれる山嶺へ登るためには、切り立った岩肌を乗り越えて行かねばならないが、この聖域で最も力のあるわたしが登れぬはずがない。
空気は薄く、天上は近いはずであるのに、どこか靄のかかった星空が見える。何度も星を占ううちに、すっかり見慣れた景色となってしまった。夜空には凶星がまたたき、聖戦の近いことを知らせている。戦をひかえ聖域には殆どの聖闘士が集まってきた。黄金聖闘士もそうだ。聖域の召集に応じぬライブラやアリエス以外の十二星座も埋まりつつある。
ふと人の気配がして振り向いた。教皇以外立ち入りを許されぬこの地に、禁を犯して誰か登ってきたのだ。いや、その男をわたしは知っている。彼は先日突然やってきてカノンを名乗り、それだけれはなく双子座の地位を要求した。わたしは動揺したが、カノンはスニオン岬の水牢で死んだはずだから、わたしの弟であるはずがない。彼は跪きながらも慇懃無礼にわたしに問う。
「なぜオレが次期双子座ではないのですか」
そう、わたしは彼の要求を退けた。双子座聖衣はわたしのものだから譲るわけにはいかないし、もしも万が一彼がカノンだとしても、カノンは悪だ。お前の中には闇があると指摘をすると、彼はわたしの仮面に手をかけようと襲い掛かってきた。双子座だけでなく教皇の地位まで狙っていたのに違いない。
彼の行動を予測していたわたしは、躊躇せず彼に幻朧魔皇拳を放った。心のなかで『こんなことをすべきではない』と、強く諌める声がする。だが、実力ある相手を無闇に殺すことはない。願いが叶ったと思い込ませ、意思を奪って働かせればいい。聖戦において、有能な戦士はひとりでも多い方がいいのだ。
彼は魔拳のちからで教皇になったと思い込むだろう。全ての聖闘士を率いて、聖域を治める毎日を夢見るだろう。教皇となって執務をおこない、聖戦にそなえるだろう。
夢に冒された世界の中で、スターヒルへ登って見上げる星空は、彼にどんな未来を占わせるだろうか。

============================
書いてみたら、前進する反復とループは決定的に違いました。

ところでアスデフとデフアスに本格的に飢え始めました(>ω<)
とりあえず、LC双子と現代双子とND双子がそろった場合、多分ヒエラルキーの一番下にくるのがアベル君だと思います(現状)。兄上がどんなお方なのか楽しみで仕方がない今日この頃です。

1/23 23時頃 K様>うああああああっ!いつも萌えの補給を有難うございます!LC双子と原作双子では、おっしゃるとおり離別の年季が違いますよね!2年と13年ですものね…しかしLC双子のほうは、弟君が兄上(笑)を殺してしまっているので、その分デフテロスのトラウマも深そうです。なにより、25歳の段階でお兄さんに酷いこと言われたとき(スターヒルから突き落とされたとき)ショックで泣いちゃう弟君ですからね…
気持ちを表現する語彙に乏しい弟デフテロスくんが、上手く言葉を伝えられず、『兄との仲が熟成するまえに発酵』というパターンを伺って、パソコンの前でごろごろしてしまいました(>▽<)うああ!美味しすぎます!どうしていいか判らずお兄さんを押し倒す弟君が鮮やかに脳内に浮かぶんですが、このあと素直に襲うバージョンと、襲い受けるバージョンの2パターン浮かぶ自分は節操なしに生まれて良かったと思いました。しかもどっちのパターンも弟が勢いあまり過ぎて成功しないという。…すみませんわたしはデフテロスに土下座すべきですね。
お仕事が本当にお忙しそうななか、萌え語りを欠かさないKさんをいつも見習おうと思っております。公私共に心より応援しております!

1/24 あっきゅん様>診断系というのは、携帯とPCで結果が変わるのですね…!存じ上げませんでした。ロスサガオンリー診断連絡もありがとうございます!3月21日に脳内アクトシティ浜松ですね!その日も仕事を休んで参加せねばなりませんね!参加費100円で!あっきゅんさんも一緒に行きませんか(脳内で)…きっとパンフもテーブルとかもないゲリライベントなんですよ…100円で参加できる3000人ロスサガオフ会だと思えば夢のようですよ…って夢ですけが…OTZ
ついった情報も有難うございます(>ω<)確かに検索よけ出来ないのでは、呟き内容によってはオープンにするのは憚られますね…残念ですが、鍵内の素敵なお花畑を想像しながら、外部より応援することにします。
あっきゅんさんの双子SSの続きも楽しみにしておりまーす! …宇宙語になってしまったファイル、直るといいですね…(´・ω・`)

ほかパチパチ下さった皆様に御礼申し上げます!毎日萌えを発散できるのも本当に皆様のお陰です。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<<< 最終兵器兄貴 HOME 脳内開催 >>>
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.