星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
職場は今日から怒涛のノンストップ8連勤なので、昨日あわあわと頑張ってSSや落書きのまとめをしたりしてました。
掃除もしよう!と思って写真にあるお魚型部屋クリーナーを買ってきたんですが、買ってきただけで満足してしまい、箱も開けていません。
双児宮も年末に向けて大掃除しないかな!
そうじきゅうなだけに。
Σ(゜◇゜)掃除にかこつけて入れてもらえる雑兵いいな!
============================
海界仕事で帰りが遅くなり、朝はゆっくり布団のなかで過ごそうと思っていたカノンは、宮に侵入するいくつもの気配を感じて仕方なく寝台からおりた。同じ辺りにサガの気配も感じるので、たとえ敵であろうが問題ないと思われるが、幼い頃から潜み暮らしていたカノンは他人の気配に敏感で、とても落ち着いて眠っていられないのだ。
銀盥に汲んである水で顔を洗い、入り口の方へと顔を出すと、そこには髪の黒い兄と幾人かの雑兵たちがいた。彼らは一様に箒や雑巾を持ち、黒サガの指示を仰いでいる。
おそらく宮の掃除をさせるつもりなのだろう。というかそれ以外考えられない。
それにしても、とカノンはその様子を眺めた。
(雑用をさせられるってのに、何でそんなに嬉しそうなんだお前らは)
雑兵たちの顔はいずれもやる気に満ち、明るく輝いている。
作業手順の説明が終わると、雑兵たちはそれぞれの分担場所へと散っていった。掃除をする領域には迷宮の力が働かぬよう、黒サガが調整をしてやっている。
「おはよう…何だあいつらは?」
カノンが声をかけると、黒サガは自身も掃除をするためか、髪をアップにしながら答えた。
「この広い宮内をわたしとお前だけで掃除するのは面倒ゆえ、彼らへ手伝うよう申し付けたのだ」
「ああ、それは判る。しかし随分と協力的な連中だな?」
さきほどの彼らの嬉しそうな顔を思い出し、カノンは首をひねる。
「礼を出すからではないか?昼食は双児宮で用意すると言ってある。雑兵にとって黄金聖闘士用の食事は馳走だろう」
階級社会である聖域において、身分の差は各所に現れる。食事や待遇などもその1つだ。その代わり、いざ戦闘となれば最も危険な場所へ先陣を切って飛び込むのが上位聖闘士の役目となるのだ。
「その程度であの喜びようか…?」
しかし、カノンは何となく納得がいかない。どうもそういう喜びようではなかった気がするのだ。しいていえば熱狂的なファンがアイドルを目の前にして舞い上がっているような。
「ああっ!」
突然叫んだカノンを、黒サガが『なんだ』という目で見る。
「あいつら見たことがあると思ったら、いつものお前のファンだろ」
「ファンかは知らんが、よく見る顔ぶれだな」
「お前、風呂場とか自分の部屋も掃除させるとか言ってないだろうな」
「言っているに決まっているだろう。捨てるもののなかで欲しい物があれば持ち帰って良いとも伝えてある。わたしには必要のない物でも、雑兵にとっては貴重であったりするものもあるからな」
すなわち、2~3回着用したものの趣味にあわなかった高位聖闘士用の稽古服の古着であるとか、皮のナックルであるとか、風呂用小物などだ。
要らぬ品々を下位のものへ譲り渡すこと自体は、リサイクルの面からも推奨されるべきことだろう。
しかし、カノンは遠い目で兄へ注意を促した。
「…お前、連中に拾った髪の毛とか持って帰られないように注意しろよ」
「彼らはそんなことはしない」
「まあ、そこまでしないかもしれないが…お前罪作りなのかサービスがいいのか…」
「何を言っているのかよく判らん」
複雑な顔をしているカノンを置いて、黒サガは布巾を片手にさっそく柱を磨き始めた。
============================
私が雑兵だったらサガの私室に入れてもらえるだけで感激ですよ。
今日もぱちぱち有難うございます!出勤前のカンフル剤です(>▽<)