昨日の大掃除SSの続き
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兄のファンだからということを差し置いても、雑兵たちは双児宮の掃除を頑張っているようだった。
(そういえば昼食をここで出すと言っていたな)
カノンは先ほどのやり取りを思い出す。出すといっても黒サガが作るわけはないので、従者に用意させるつもりなのだろう。
「…作ってやるか」
倉庫にある食材を計算しながら、カノンは台所へと向かった。雑兵たちが来てくれたお陰で、カノンの掃除分担が減り、そのくらいの時間が取れるのだ。サガへ自分が昼食を用意する旨の伝言を小宇宙通信で送り、下ごしらえの必要なものに手を付ける。
しかし、ジャガイモを剥き終わったあたりで、妙に雑兵たちの数が増えているような気がして、カノンは手を止めて小宇宙のカウントをしてみた。やはり増えている。
首を捻りながら食材の計算のし直しをしていると、サガから連絡が入った。
(人数が増えた)
(ああ、それは判っている。しかしお前も好かれたものだな)
(いや…増えたのはおまえのせいというか…昼食をお前が作ることを話したら、どこで聞きつけたのかお前のファンが集まってきてな)
(……)
何だそれは、とカノンはまた遠い目になったが、掃除の人手が増えるのはいいことだ。
カノンの手料理がずらりと卓上に並ぶ頃には、双児宮は今までにないほど磨き上げられ、塵ひとつなく白亜に輝く状態となったが、黒サガファンとカノンファンの雑兵が入り乱れる昼食会はとても濃い空間だった。
(二人で掃除をしたほうが、これほど疲れんぞ…)
カノンは雑兵たちのパワーに圧倒されながら、こっそり心の中で呟いた。
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食後の皿洗いは雑兵がやらされます。
今日もぱちぱち有難うございます(>ω<)本日も仕事を頑張るぞー!