今日もLC感想!
杳馬のえげつないところは、己の介入によって相手が破滅しても「俺はきっかけを用意してやっただけよ?後は本人が自分で勝手に踊ったのよ?」と観客顔できるところですよね。
人間ならば誰でも持っている弱さの種を芽吹かせ、本来なら種のまま終わってしまったかもしれないそれに、水を与えるよう唆す。真っ直ぐで意志の強い者ほど、その方向性を曲げられると、どんどん曲がった方向へ行ってしまう。
メフィストフェレスの名が『光を嫌うもの』という意味を持つことから考えると、アスプロスは光り輝きそうだったからこそ目を付けられてマーブルにされたのかなと思います。あの当時のアスプロスは弟のために誰よりも頑張ってそうでしたものね。
神であるハーデスのこともマーブルにしたくて、自分の息子をハーデスのいる孤児院へ置いてきた…とかだったら凄いですが、あれはハーデスの方が追っかけをするために依り代をペガサスの傍に生まれさせたのでしたっけ?あれ?追っかけ関係把握のために、今度また最初の方の巻を読み直さねば…(汗)
それにしてもこうなってみると、デフテロスだけがアスプロスも忘れてしまった本当の兄の形を覚えていたのかなあ…とも思います。デフが目の前の本人の現状を見てなかった事には変わりないですが。
それは横へ置いといて、ハーデスと杳馬で小話
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「絵ばっかり描いてて、よく飽きませんねェ」
アトリエを見回し、杳馬がハーデスへ差し出したのは、ほどよく温められたココアの入ったカップ。この時代ではまだ高級品だ。
ハーデスが筆をおいてそれを受け取ると、杳馬はそのカップへとミルクを落とした。
ココアはかき混ぜられていたのだろう、湯気のたつカップの中で、白のミルクがくるくると混ざっていく。
ハーデスはそれへ目を落としてから、杳馬を見上げた。
「お前は他人の舞台を見るばかりで、飽きぬのか」
「はは、趣味にハマってるのは、お互い様ってことですか!」
杳馬は帽子に手をやり、一本取られたと言わんばかりに笑った。
ハーデスは気にも留めずにカップへ口をつける。それは美味しかったが、くどいほど甘かった。
「余の冥闘士たちには、手を出すなよ」
その甘みを飲み込んでから、低くハーデスが伝える。
杳馬は心外そうに答えた。
「やだなあ、俺が好きなのは光に混ざる闇なんです。その逆じゃあない」
「そうか?」
「そうですよ。大体、光なんてものは自己主張が強くてですね、光に闇を落すと抵抗して綺麗なマーブルになるんですけど、闇に光を落すと余計輝きだすんです。ああやだやだ」
顔をしかめた杳馬をじっと見上げ、ハーデスはまたココアへと視線を落す。ミルクはすっかり混ざり終え、もう境目もない。
「だから、冥闘士には興味ないんです、俺」
「……」
安心して下さいよーと続ける杳馬の笑顔は仮面のようで、ハーデスは扱いにくい部下だと内心肩をすくめた。
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杳馬×アスやデフアスもアスデフも書きたい!それ以上に読みたいな!
今日もぱちぱち有難う御座います!出社前のパワー源です(>▽<)