星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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更に間違った方向へ更生していくアスぷー
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デフテロスが部屋の片隅でなにやら作業をしている。
覗き込むと、弟は鈎針を器用に動かし、編み物を行っていた。弟にそんな技能のあることが意外であったが、考えてみればカノン島での修行時代は基本的に自給自足のはず。本格的な衣服はともかく、身の回りの簡単な必要品は自分で揃えなければならなかったのかもしれない。
「何を作っているのだ?」
尋ねるとデフテロスは手を動かしながら答えた。
「マフラーを…その、兄さんの」
弟の手編みのマフラー。
一瞬、遠い目で逃げ出したくなった自分を叱咤して会話を続ける。
弟が俺のために防寒具を用意してくれているのに、そのように感じるのはおかしいだろう。天魁星の闇の一滴とやらのせいで、感情の発露が歪まされているに違いない。
「そ、そうか、しかし少し長くは無いか」
「しめやすいようにと思ってな」
…首を?
イカン。つい弟を疑いの目で見るクセがついてしまっている。俺は再び反省した。
「有り難いが、お前の分がないだろう。これから自分のも編むのか」
デフテロスのことゆえ、またペアルックとやらを目指すのかもしれんと心の片隅で考えていると、ぼそりと返事が返った。
「一緒に使わせてもらおうと思って…長めに…」
「………」
今さっき反省したばかりだというのに、また逃げ出したくなった俺は学習能力がないのだろうか。落ち着け俺。つまり、マフラーが長めなのは、二人分の肩に巻きやすいように、締めやすいようにということか。なるほど。やはり先ほどの疑いは杞憂だったではないか。
ここは喜ぶべきなのだ。
「ありがとう、デフテロス。出来上がりを楽しみにしている」
そう言うと、弟は照れたように横を向いた。表情はあまり変わっていないが、俺には弟が喜んだのが判る。
(デフテロスが喜ぶのならば…まあ、いいか)
弟のその顔を見たら、逃げたくなっていた気持ちも引いていくのが感じられて、とりあえず俺は弟のために茶を淹れてやる事にした。

ラクガキにSSをつけたりなぞしていたら眠気が限界に…す、すみません拍手返信は明日こそ…うう、狼がきたぞー!(>△<)
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